●その他のドリンクの香りの効果
コーヒーや紅茶のほかにも、身近なところにあるドリンクには、同様に香り効果が実証されている。
・ビールの香り
サッポロビールの価値創造フロンティア研究所は、広島国際大学との協力により、ビールの香りと脳波の関係についての研究を行っている。ビール独特の酵母が生み出す香りには、「エステル」と呼ばれる花の香りに例えられる成分が含まれているという。30人以上のモニターによるテストによれば、「エステル」やホップの香りの際立つビールほど、α波の波形から、よりリラックス度が高まることが確認されたという。何気なく飲んでいるビールも、その香りを脳が求めているところがあるのかもしれない。
・ココアの香り
大阪大学名誉教授 永井克也氏による研究では、ココアの原料となるカカオが持つ香りは、アドレナリンの分泌を促進し、血圧や血糖を上昇させ、覚醒状態にすることが示唆されたという。また、ガーナ産カカオの香りによる匂いは、交感神経を刺激し、体温上昇や脂肪分解を促進することが考えられるともいわれている。
使い方によっては、ココアからは様々な効果が期待できるといえそうだ。思っている以上に効果が見込める身近なドリンクたち。ぜひ選び方にも気を遣い、香りを活用してみてほしい。
取材・文/石原亜香利
※記事内の情報は取材時のものです。