■身近なドリンクの香りがもたらす効果
普段、かぐ機会の多い、食品やドリンクの香り。中でも、特に身近なドリンクである、コーヒーと紅茶の香りが持つ効果について紹介しよう。
●コーヒーの香りがもたらす効果
普段何気なく飲んでいるコーヒー。オフィスの香りの定番ともいえるが、このコーヒーの香りには非常に多大なリラックス効果があることが、科学的に確かめられている。杏林大学医学部の古賀良彦教授のチームが行った実験によれば、コーヒーの香りをかいだとき、脳がよりリラックスしているときに出る脳波「α波」がよく現れるのだという。
さらに、コーヒー豆によってもα波の出現の仕方が変わってくることも実験されている。最もα波が多く出現したのが、「ブルーマウンテン」と「グアテマラ」だったという。仕事中、ちょっとした隙間に飲みたくなるのは、ストレスやイライラを無意識に解消したいという思いがあるのかもしれない。
●紅茶の香りがもたらす効果
紅茶にも、コーヒーに劣らず、香り効果があることが分かっている。2014年11月~2015年1月にかけてキリンビバレッジが長岡技術科学大学と共同で行った脳波の実験で、紅茶には「ときめき感」を強める効果があることが確認された。
実験では、例えばカップルが見つめ合っている画像を見たときの、わくわく・どきどきするような脳波の状態などを計測して「ときめき基準脳波」を測定した。その結果、水を飲んだときを基準とした場合、紅茶の香りをかいだときは約30%、ときめき感性変動率が増加したという。緑茶でも同様の実験が行われたが、約4%の増加しか見られなかったという。
紅茶はコーヒーと同様、安らぎを求めて手が伸びるという人も多いかもしれないが、そこには胸がときめくようなわくわく感を、無意識に期待しているところがあるのかもしれない。