ユーザーファーストを掲げ、「しるしの価値」を提供するシヤチハタは、化粧品分野への新規参入を表明。2027年春に新ブランドを立ち上げ、第一弾としてスキンケア製品を発売する(予定)。
開発に際しては、液体挙動を高解像度で設計する独自の開発思想、「LETLOGIC(レトロジック)」を軸とするなど、同社創業100年超で培った液体研究の知見を活用。人々の暮らしに寄り添ってきたシヤチハタのものづくりの思想を受け継ぎながら、化粧品分野における新たなケアの価値創出を目指す。
100年超の液体研究を化粧品分野へ
シヤチハタは創業以来100年超にわたり、スタンプ台やインキ浸透印などの文具・印章関連商品の開発を通じて、液体と向き合ってきた。
例えば、「使用するまでは液体の状態を保ち、使用後は適切なタイミングで乾く」「必要な場所には浸透しながら、必要以上には広がらない」といった、一見相反する要求に応えるため、液体そのものの性質に加え、液体が接する対象物や環境条件によって液体の動きや状態がどう変化するかを研究している。
こうして蓄積してきたのが、液体の挙動を設計・制御するための知見だ。同社では、この知見を人の肌に触れる化粧品にも応用することで、本質的な美しさの実現に生かせる可能性を見出したため、事業参入を決定したと説明している。
また、シヤチハタは創業以来、一人ひとりの名前や用途の違いに向き合い、「しるしの価値」を誰もが身近に扱える商品やサービスとして届けてきた。その根底にあるのは、人の意思や想いを尊重し、それぞれの価値を大切にする姿勢だ。
この点に関して同社では、「化粧品事業においても、このものづくりの姿勢を受け継ぎ、一人ひとりが自分らしくいられる新たなケアの価値を提案していきます」と述べている。
■参入の基盤となるのは、成分のちからを液体挙動で導く「LETLOGIC」
スキンケアをはじめとするケア製品では、機能を担う「成分」の研究と、それを届ける「デリバリー技術」の開発が進んでいる。シヤチハタが着目したのは、それらを包み込む〝液体全体〟だ。
液体の挙動は「液体そのものの性質」×「接する対象物」×「環境条件」が複雑かつ相互に作用している。同社では、本質的な美しさを実現するには、この液体挙動を緻密に設計することが欠かせないと、考えた。
そのために活用するのが、長年培ってきた液体研究の知見だ。液体挙動を高解像度で捉えて設計することで、成分のちからを引き出すことを目指す。これが、独自の開発思想「LETLOGIC」。
この「LETLOGIC」を通じて、肌にもたらす価値をより深く追求し、一人ひとりの満足へとつなげていく「高解像度ケア」を提供していく。
シヤチハタ 代表取締役社長 舟橋正剛氏 コメント
シヤチハタと聞くと、ハンコの会社を思い浮かべる方が多いかと思います。私たちは、アナログとデジタルの両方の世界で、「しるし」の付加価値を深め、広げることを使命としています。
化粧品分野への参入は、一見すると、これまでの事業とは異なる分野への挑戦に思われるかもしれません。しかし、肌もまた、人の第一印象を形づくる大切な「しるし」の一つです。
長年の液体研究で培った知見を生かし、一人ひとりの美しさを支えるお手伝いができるのではないか。その想いから、化粧品事業への参入を決めました。一人ひとりの想いや価値を大切にし、その人の暮らしに寄り添いたいという想いは、これまでと変わりません。次の100年に向けて、ケアという新たな接点からも、生活者に価値を届けていきたいと考えています。
また、本事業を通じて、生活者起点の商品開発やブランド運営、デジタル上での顧客接点に関する知見を蓄積し、既存事業にも生かしてまいります。2030年度には、化粧品事業を含む新規事業全体で売上高55億円を目指します。
関連情報
https://www.shachihata.co.jp/
構成/清水眞希




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