私たちが毎日のように使っている、トイレットペーパー。
最近は交換回数を減らせる「○倍巻」といった商品も増えており、特にコロナ禍に起きたトイレットペーパー不足を経験して以降、こうした長尺タイプを選ぶ人も多いのではないでしょうか。
しかし気になるのが、巻き数による使い勝手やコストパフォーマンスの違いです。いったいどの巻き数を選ぶのがベストなのでしょうか。
──そこで今回は、通常巻から5倍巻までのトイレットペーパーを実際に比較し、それぞれの特徴を検証してみることにしました。
比較するトイレットペーパー
はじめに、今回の検証に使用するトイレットペーパーはこちら。
今回比較するのは「普通巻(25メートル)」「2倍巻(50メートル)」「3倍巻(75メートル)」「5倍巻(125メートル)」の4つのトイレットペーパー。いずれもダブルタイプで、ふんわりと柔らかな肌触りを特徴とした商品をチョイスした。
(今回の比較は特定の商品をオススメするものではないため、メーカー・ブランドは伏せています)
なお、高さ・直径は4種類とも規格内で、一般的な家庭用トイレットペーパーホルダーに問題なく取り付けることができた。
当然ながら、巻き数が増えるほどロールは硬く重くなる。
通常巻は軽く握るだけで形が変わるほど柔らかいのに対し、5倍巻はコアレスタイプで小説本のようにしっかりとしていた。
今回の調査項目は以下の4点。
・引っ張り強度
・触り心地
・水へのほぐれやすさ
・価格
それぞれ比較をしながら、どの巻き数のトイレットペーパーがベストなのかを考えていく。
引っ張り強度
まず最初のテストは、引っ張り強度。柔らかすぎるペーパーは破れやすく使いにくい一方、強度を重視しすぎると肌触りが犠牲になってしまう場合がある。
今回は同じ長さのトイレットペーパーを1枚に剥がし、両端をテープで固定して橋渡し状態を作成。その上に容器を置き、1袋あたり50グラムの米を追加していき、ペーパーが切れた時点の重さを記録した。(容器の重さは25グラム)
【普通巻】
結果:12袋(計625グラム)
非常に薄くて柔らかかったためすぐに切れると思ったが、意外にも持ちこたえて健闘。柔らかさと強度をバランスよく両立できている印象だった。
【2倍巻】
11袋(計575グラム)
見た目や手触りは普通巻よりしっかりしているように感じたのに、結果はわずかに下回った。逆に言うと、紙に厚みがありながらも柔らかく仕上げている…と言えるのかもしれない。
【3倍巻】
13袋(計675グラム)
安定感のある強度。これだけしっかりした紙質なら、勢いよくペーパーを引き出しても途中で破れてしまう心配はないだろう。
【5倍巻】
間隔の関係から、橋渡しした部分にミシン目がまたがってしまった。
19袋(計975グラム)
今回用意した中ではもっとも強度が高く、1キログラム近くの重りを支えることができた。橋渡しの途中にあるミシン目で千切れてしまったため、本来の強度はさらに高いと考えられる。
ミシン目の間隔を狭くすることで、千切りにくさを補っているようにも見えた。
【まとめ】
1~3倍巻の強度差はそれほど大きくなく、実用上はどれも十分なレベルだった。
一方で5倍巻は、明らかにひとつだけ強度が高く千切れにくい。ロール1本で約400グラムと重量があるため、これくらい頑丈でなければ使用中に破れやすくなってしまうのかもしれない。
触り心地
先ほどまでの引っ張り強度と似ているのだが、今度は純粋な肌触りを確認していく。方法はシンプルで、腕やお尻などにペーパーを強めにこすり、その感触を比較した。
【普通巻】
ふわっと柔らかい肌触り。
繊維が空気を多く含んでいるためか、強くこすっても摩擦感は控えめ。だが、その柔らかさゆえに破れそうな頼りなさを感じることもあった。
【2倍巻】
ペーパーに厚みがあり、しっかりとした拭き心地。意外にも普通巻より拭きやすく感じた。
空気でふんわり感を出しているというより、パルプ量によって柔らかさを実現している印象。強くこすっても不快な摩擦は少なく、破れにくそうな安心感もあった。
【3倍巻】
スルッと滑るような肌触り。2倍巻にも近いが、ふんわり感はやや減っている。
ペーパー自体はしっかりしているが、表面がより平坦でサラサラとしていて摩擦はあまり感じなかった。
【5倍巻】
他と比べると明らかに質感が違い、エンボスがまったくなく、再生紙に似たようなゴワついた感触だった。ただしこの巻き量を考えるととても柔らかく、日常使いのしやすさを感じた。
【まとめ】
どの商品も柔らかさを売りにしているだけあって、基本的な使い心地は良好。ただし5倍巻に関しては、強く拭くことを繰り返すと肌への刺激が気になる人もいるかもしれない。ウォシュレットと併用したり、やさしく拭いたりする使い方が向いていると思われた。
水へのほぐれやすさ

トイレットペーパーにとって肌触りと同じぐらい、あるいはそれ以上に重要なのが、水の中でのほぐれやすさ。今回は同じサイズにカットしたペーパーをコップの水に入れ、割り箸でかき混ぜながら溶けるまでの時間を測定した。
【普通巻】
溶けるまでにかかった時間:13秒
最初はペーパーが塊になったが、一度割り箸を引き抜いて再度かき混ぜるとすぐにほぐれた。
【2倍巻】
溶けるまでにかかった時間:11秒
特に工夫する必要もなく、混ぜるうちに自然とほぐれて溶けた。
【3倍巻】
溶けるまでにかかった時間:11秒
混ぜ始めた直後にペーパーが塊になったが、すぐに自然とほぐれて溶けた。
【5倍巻】
溶けるまでにかかった時間:24秒
しばらく形を保っていたが、10秒を過ぎたあたりから徐々に崩れ始め、最終的にはキレイにほぐれた。
【まとめ】
溶けるスピードに多少の違いはあったが、最終的にはどのトイレットペーパーも繊維がバラバラに分散した。国内メーカーの水洗トイレに適したペーパーというだけあって、どれも問題なく使用できそう。ただし、節水型トイレなど排水条件がシビアな環境では、1~3倍巻のペーパーを使用した方が安心感があるかもしれない。
価格
最後に、毎日使う上で欠かせない価格をチェックする。
ロールごとに長さが異なるため、今回は25メートルあたりの価格に換算して比較。なお、価格は筆者が実際に購入した時点のもので、店舗や時期によって変動する可能性がある。
【普通巻】
25メートルあたり税込50.25円
(12ロール入り・税込603円)
【2倍巻】
25メートルあたり税込45.75円
(12ロール入り・税込1098円)
【3倍巻】
25メートルあたり税込47.16円
(4ロール入り・税込566円)
【5倍巻】
25メートルあたり税込39.9円
(4ロール入り・税込798円)
【まとめ】
25メートルあたりの価格で比較をすると、一番高額なものは普通巻、一番安価なものは5倍巻となった。もちろん商品による差はあるが、今回の結果を見る限り、巻き数が増えるほどコストパフォーマンスが高くなる傾向があるように感じた。
・一番使いたいトイレットペーパーはどれ?
どのトイレットペーパーを使うべきかというのは「コスパ重視なのか」「使い心地なのか」など、求める条件にもよるため、一概にベストを決めにくい。また1~3倍までのスペックは似ている部分が多く、「絶対にこれを選ぶべき」と言えるほどの決定的な違いはなかった。
それでも今回の検証の結果を総合すると、最もバランスが良いトイレットペーパーは【2倍巻】だろう。強度、肌触り、水へのほぐれやすさのどれも十分なレベルにあり、それでいて価格も比較的安価。日常使いで不満を感じる場面は少ないはずだ。
その点5倍巻は、多少の肌触りを犠牲にする代わりに、高いコストパフォーマンスと125メートルという圧倒的な長さを実現している。とにかく交換回数を減らしたい人や、買い置きスペースを節約したい人にとっては、「これ以外考えられない」と感じる魅力があるかもしれない。
比べてみるまでは「別にどれでもいいけれど、長ければ長いほどコスパがよいのだろう」と思っていたトイレットペーパー。個人的には、普段使いなら2倍巻、災害時の備蓄用なら5倍巻を選びたいところだ。
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.
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