ビジネスパーソンにとって読書が重要と考える人は多く、「おとなの読書習慣調査2022」(オトバンク調べ/2022年9月)よれば世帯年収の高い人は読書量も多いというデータもある。だが企業側は、社員の読書によるインプットに対して、奨励や支援ができているのだろうか? 社員の自律学習を促進するオーディオブック聴き放題プラン『audiobook.jp 法人版』を提供するオトバンクは、全国の20歳から69歳の会社員に『会社員の読書と企業の学習支援に関する実態調査』を実施して結果を発表した。それによれば会社員の約半数は1か月に1冊も読んでいないことがわかった。
約半数が月に1 冊も本を読まないと回答
普段の本を読む頻度については、1か月に「0冊(まったく読まない)」と回答した人が48.5%で全体の約半数という結果だった。読書の重要性が語られる一方で、実情としては半数が読んでいなかった。
読書支援制度がない企業は約6割
一方で社員の読書・学習に対して企業が行っている支援では、会社から「課題図書(指定された本を読む制度)」や「書籍の配布・購入補助」を受けた経験の有無では63.3%が「制度そのものがない」で、「制度がある」と回答した人は19.1%だった。実際に制度を受けた経験者は15.3%で、個人の読書習慣だけでなく社員が読書を通じて学ぶことに対する企業側の後押しする環境が整っていない可能性がありそうだ。
課題・推奨図書の指定ジャンルは「ビジネススキル」「経営・マネジメント」
課題・推奨図書として指定される本のジャンルは、「ビジネススキル・思考法」、「経営・マネジメント・リーダーシップ」が39.5%で同率トップだった。「自社の経営者・役員の著書、自社理念に関する書籍」も38.2%でよく読まれていた。
会社指定の課題図書を47.6%が読了できず
会社から課題図書や推奨図書が指定された時に社員が読破できたかについては、47.6%が「最後まで読み切れなかった」(「ほとんど読まなかった」14.8%、「途中で挫折した」32.8%)と回答しており、半数近くが読了できていなかった。読了できなかった理由では、「興味・自発性の不足(一方的に指定された本に興味や必要性を感じなかったから)」が48.3%で最多だった。そのほかには「時間不足(忙しく、本を読む時間が取れないため)」が31.0%、「活字離れ(長文・活字を読むのが苦手・苦痛なため)」が27.6%で高い数字になった。企業側が「社員に本を読んで学んでほしい」と考えて課題図書を設定しても、社員自身の興味・関心とのミスマッチや日常の忙しさなどで読書行動につながらないケースが多いようだ。
学習意欲について45.8%が「自分で選べる方が意欲が高まる」
今後の学習支援施策では、45.8%が「会社から本を指定される(課題図書)よりも自分で読みたい本を選べる(書籍購入手当・補助)方が意欲が高まる」と回答。会社から指定されるよりも本選びは自分でしたいと思っている人も一定数いるようだ。読書の方法では、オーディオブックに関心を持つ人も多い。通勤時間や移動中などの「スキマ時間」を活用して本の内容を耳で学べるオーディオブックなどの音声サービスは、57.8%が「利用してみたい」(「ぜひ利用してみたい」19.3%、「機会があれば利用してみたい」38.5%)と6割近い人が回答した。
調査を行ったオトバンクの創業者である上田渉氏は、つぎのようにコメントしている。
「特に印象的だったのは、個人の「読書離れ」だけでなく、約6割の会社員が「自社に読書支援制度がない」と回答した事実です。私はこれを「企業の読書離れ」ともいえる状況なのではないかと感じています。リスキリングや人的資本の重要性が叫ばれる一方で、企業側が社員のインプットを後押しする環境作りは、まだ十分に進んでいないのではないでしょうか。制度があったとしても従来型の「課題図書」では、興味や時間の不足から半数近くが最後まで読み切れていないことも明らかになりました。企業が本当に社員の成長を願うのであれば、本を一方的に「読ませる」のではなく、社員自身が学びたいものを選べる「自律性」と多忙な日常の中でも無理なく学べる「新しい学び方」の両方を提供することが重要です」
この調査では、読書離れが進み、普段から本を読む習慣を持たないビジネスパーソンが一定数いることが浮き彫りになった。さらに会社側も社員に対して読書習慣に繋がるような支援があまりできていないようだ。社員の学習意欲を高めるには、企業側から一律に本を指定するだけでなく、社員自身が興味や課題意識に応じて「学びたいもの」を選択できる環境が重要だ。学習環境も社員が自分に合った本を選べる環境に加えて、移動中などのスキマ時間を活用できる新しい学び方を模索することも必要だろう。そういった中で、スキマ時間を活用して「耳」で学べるオーディオブックは、時間がない人や活字を読むことにハードルを感じる人にも有効な選択肢になりうる。秋の夜長に、改めて読書について考えて取り組んでみるのもいいかもしれない。
『会社員の読書と企業の学習支援に関する実態調査』概要
調査対象:20歳~69歳の会社員(正社員)
調査期間:2026年8月17日
有効回答数:400名
調査方法:インターネットによるアンケート調査(Freeasy を利用)
https://www.otobank.co.jp/news/pOMXTNhh
構成/KUMU




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