近年、顧客による理不尽な要求や暴言・罵倒、長時間の拘束、執拗なクレームといった「カスタマーハラスメント」(カスハラ)が深刻な社会問題となっている。こうした中、2026年10月1日には改正労働施策総合推進法が施行され、企業に対するカスハラ防止措置が義務化された。
では、実際に現場で理不尽なクレームへの対応にあたる従業員の意識には、この度の改正法の施行によりどのような変化があったのだろうか?
RevCommはこのほど、主に電話や対面での顧客対応を行っており、これまでにカスハラを受けた経験がある従業員400名を対象に、カスハラ防止措置義務化に伴う意識変化と企業の対策の実態について調査を実施し、その結果を発表した。
カスハラ防止措置義務化により約7割が「意識変化」。意識の変化で最多は「個人の我慢は不要(56.9%)」
2026年10月のカスハラ防止措置義務化に伴う自身の意識の変化について質問したところ、70.3%が「特に変化はない」以外の選択肢を選び、何らかの意識変化があると回答した。
意識変化があったと答えた人のうち、最も多かった回答は、「理不尽な対応に個人の我慢で耐える必要はない(56.9%)」となった。次いで「過度な暴言・不当要求は抱え込まず管理者へ引き継ぐべき(51.6%)」、「理不尽な対応には組織として保護・防衛措置をとるべき(47.0%)」という結果になった。
カスハラ「無対策」が約3割。対策実施企業もマニュアル整備や録音・録画が中心で、AIリアルタイム検知は1割にとどまる
現在の勤務先におけるカスハラ対策の取り組み状況について質問したところ、「特になし(無対策)」が30.8%という回答となった。
対策を実施している企業においても、「マニュアル・ガイドラインの整備」が26.8%、「通話・接客内容の自動録音・録画・ログ保存」が20.8%と、運用ルール策定や事後確認・記録が中心にとどまっている。
一方、会話中の異常を感知して現場をサポートする「AIリアルタイム検知・自動アラート」の導入率は10.3%にとどまり、現場を即座に守る体制づくりが進んでいない実態が明らかになった。
カスハラを受けた際に直面した困った状況、最多は「1人対応で周囲にすぐ助けを求められない状況」(60.5%)
カスハラを受けた際に直面した困った状況について質問したところ、第1位は「自分1人だけで対応しており、その場ですぐに周囲や管理者に助けを求められない状況」で60.5%(「よくある」22.5%、「たまにある」38.0%の合算)となった。
次いで第2位は「『言った・言わない』の水掛け論になり、自分の対応の正当性を証明できない状況」で51.3%(「よくある」16.5%、「たまにある」34.8%の合算)、第3位は「上司や会社が守ってくれず、対応を丸投げされたと感じる状況」で48.3%(「よくある」16.0%、「たまにある」32.3%の合算)という回答となった。
カスハラ対策を怠る企業では約6割が「働き続けたくない」と回答
「適切なハラスメント対策や保護を行わない企業では働き続けたくない」という意識の変化について質問したところ、20.3%が「非常に強くなった(高まった)」、37.0%が「やや強くなった(高まった)」と合わせて57.3%が、カスハラ防止措置義務化を経て「適切なハラスメント対策や保護を行わない企業では働き続けたくない」という意識が強まったと回答した。
また、カスハラ防止措置義務化後に、会社側が具体的な保護措置をとらなかった場合における意識の変化について質問したところ、「義務化前よりも、会社に対する不満や不信感がより強くなると思う」(25.8%)、「これまでは不満はなかったが、新たに会社への不満や不信感を抱くようになると思う」(28.3%)、「義務化前と変わらず、会社に対して不満や不信感を抱き続けると思う」(24.5%)と、合わせて78.5%が「会社に対して不満や不信感を抱く(継続含む)」と回答した。
約6割が「カスハラから現場を守るシステム導入が必要」と回答
「暴言や過剰要求から現場を守るシステムや設備を企業が導入すべきだ」という意識の変化について質問したところ、21.0%が「非常に強くなった(高まった)」、35.8%が「やや強くなった(高まった)」と合わせて56.8%が、カスハラ防止措置義務化を経て「暴言や過剰要求から現場を守るシステムや設備を企業が導入すべきだ」という意識が強まったと回答した。
<調査概要>
調査名称:カスハラ防止措置義務化に伴う従業員の意識変化と企業のカスハラ対策に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年10月7日〜同年10月9日
有効回答:直近1年以内に電話や対面での顧客対応を行っており、これまでにカスタマーハラスメント(理不尽な要求、暴言・罵倒、長時間の拘束、執拗なクレームなどの迷惑行為)を受けた経験がある従業員400名
出典元:MiiTel
構成/こじへい




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