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AIエージェントの導入を検討しているビジネスパーソンは3割、企業が抱える運用課題は?

2026.10.30

企業による積極的なAIの活用によって、AIの参照元の信頼性やデータガバナンスの重要性が高まっている。AIエージェントは、社内規程やデータを参照・連携しながら判断や処理を支援する場面が想定されるが、AI自体の管理だけでなくAIが判断の拠り所とする情報を正確かつ最新の状態で管理することも重要だ。

ガバナンス・リスク・コンプライアンス (GRC)を支えるプラットフォームとして企業向けの『KiteRa Biz』や社労士向けの『KiteRa Pro』を提供しているKiteRa(キテラ)は、20歳以上のビジネスパーソンでAIエージェントを「利用/検証中」と回答した人に、「企業のGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)に関する実態調査を実施した。

この調査は、AIエージェントを利用・検証している勤務先におけるデータガバナンスの方針や社内規程・データの管理状況・信頼性に加えて、情報システム部門などが把握・管理していない「シャドーIT」や「シャドーAI」、会社が把握・管理していない場所に社内データなどを保存・共有する「シャドーデータ」の実態、AIエージェント活用の課題などを調査している。

調査結果によれば、AIエージェントを利用・検証している勤務先でもデータガバナンスの方針や社内規程・データの管理、AIツールの利用状況に課題があったという。

約3割が勤務先でAIエージェントを利用もしくは検証中

勤務先でAIエージェントをどの程度利用しているかでは、「利用・検討していない」(36.1%)が最多で、2位以下は「分からない」(27.9%)、「全社的に利用している」(11.4%)、「一部の部門で利用している」(9.6%)、「複数の部門で利用している」(7.4%)、「導入を検討している」(4.8%)、「試験導入・検証を行っている」(2.7%)という結果になった。

AIエージェントを「利用/検証中(全社的に利用 している/複数の部門で利用している/一部の部門で利用している/試験導入・検証を行って いる)」を合わせた約3割が利用もしくは検討していた。

「全社的に利用している/複数の部門で利用している/一部の部門で利用している/試験導入・検証を行っている」と回答した人に「あなたの勤務先ではデータガバナンスに関する全社的な方針やガイドラインは定められていますか(単一回答)」と質問すると、「全社的に定められている」(38.2%)が最多だった。

2位以下は「部署・部門ごとに個別に定められている」(25.5%)、「現在、策定・検討中である」(13.9%)、「定められていない」(12.7%)、「分からない」(9.7%)という順位で、データガバナンスに関する全社的な方針やガイドラインは、約3割が「未策定(現在、策定・検討中である/定められていない)」だった。

AIエージェントの社内規定・手順書などの整備が課題

勤務先でAIエージェントに関連した従業員向けの社内規程や手順書、業務マニュアルなどが必要な時に参照できる状態か、どの程度整備されているかについては、「最新の状態で整備され、必要なときに参照できる」(34.4%)が最多で、それに「参照できるが、一部に古い情報や分散した情報がある」(23.2%)、「情報はあるが、保管場所や最新版が分かりにくい」(12.9%)、「ほとんど整備されていない」(12.6%)、「分からない」(8.5%)、「まったく整備されていない」(8.4%)という結果になった。整備されていない状況と回答した人も約2割も存在していた。

勤務先の社内規程やデータの管理方法(保管場所、更新ルール、アクセス権限など)が部署・部門や拠点間でどの程度統一されているかについては、36.5%が「全社で統一されている」と回答。「AIエージェントの利用状況別」での管理方法の統一状況では、「全社的に利用している」層の「全社で統一されている」割合は約6割だった。

「全社で統一されている/統一されているが、一部の部署・部門や拠点では独自の方法で管理している」の合計は、「複数の部門で利用している」層では約7割、「一部の部門で利用している」層では約半数だった。

シャドーAI、シャドーIT、シャドーデータの利用も一定数存在

所属部署・部門での状況についての質問では、「情報システム部門が把握・管理していない外部サービスやクラウドツールの利用 (シャドーIT)」について44.9%があると回答。「情報システム部門が把握・ 管理していないAIツール(生成AI・AIエージェントなど)の利用(シャドーAI)」では38.7% があると回答しており、「会社が把握・管理していない場所に社内データや文書を保存・コピー・共有(シャドーデータ)」についても36.2%があると回答している。

社内規程やデータに関する情報を会社が利用を許可していない、または利用許可の有無が分からないAIツールに入力・共有した経験については、「ない」が34.3%、「利用許可の有無が分からないAIツールに入力・共有したことがある」が27.2%、「会社が利用を許可していないAIツールに入力・共有したことがある」が22.5%、「AIツールを仕事で利用していない」が8.7%、「分からない」が7.3%という結果になった。

約半数は、社内規程・データの「無許可/許可不明のAIへの入力・共有 (会社が利用を許可していないAIツールに入力・共有したことがある/利用許可の有無が分からないAIツールに入力・共有したことがある)」を経験していた。企業規模別では、大企業(1001名以上)に勤める回答者の42.6%が社内規程・データを「無許可/許可不明」のAIツールに入力・共有した経験があった。

勤務先が保有する社内規程やデータの最新性・正確性に対する信頼度では、50.4%が「ある程度信頼できる」と回答。それに「とても信頼できる」(19.0%)、「あまり信頼できない」(17.2%)、「分からない」(9.6%)、「まったく信頼できない」(3.7%)が続いた。勤務先の社内規程やデータの最新性・正確性を「信頼できない(あまり信頼できない/まったく信頼できない)」と感じている人は約2割もいた。

古い社内ルールや最新版不明データを連携・参照して実害も発生

勤務先の古い社内ルール(規程・マニュアルなど)や最新版かどうか分からないデータをAIエージェントが連携や参照したことによって日常業務上のトラブルや『ヒヤリとした』経験について複数回答による質問では、「特にトラブルやヒヤリとした経験はない」が30.8%と最多だった。

主なトラブルとしては、「システムへの入力申請、発注などの手続きを誤って進めそうになった/実際に誤った」(23.2%)や「AIの回答を信じ、顧客や取引先に誤った説明をしそうになった/実際に説明した」(23.1%)といったものが挙がった。

ほかにも「規程や法令に違反しそうになった/実際に違反した」(13.4%)、「顧客・取引先からのクレーム、金銭的損失、システム障害、法令違反など実際に会社の損害につながった」(8.0%)という回答もあった。すでにリスクや実害に直面している実態もあることがわかった。

勤務先のAIエージェント活用を進める上で、障壁となっているものについては、「社内規程やルールの整備が十分でない」(25.9%)、「社内規程やデータの管理責任が曖昧である」(23.0%)、「社内データの品質・正確性に課題がある」(22.1%)、「社内データや規程が複数の場所に分散している」(16.3%)といった回答が集まった。

AIエージェント活用の障壁は、社内規程・データの「ルール整備の不十分さ」、「管理責任の曖昧さ」、「品質・正確性の課題」、「情報の分散」に関する項目が上位だった。

AIエージェントの活用ルールやガバナンス整備の遅れは経営課題

AIエージェント活用について、社内ルール(規程・マニュアルなど)やガバナンス体制の整備が遅れることは、企業にどの程度の経営課題になると質問すると、45.5%が「ある程度の経営課題」、14.5%は「深刻な経営課題」回答した。一方で19.2%は「あまり経営課題ではない」と回答している。約6割が「社内ルール(規程・マニュアルなど)やガバナンス体制の整備遅れ」を 経営課題だと認識しているようだ。

勤務先で経営層がデータガバナンスに関する方針の策定や推進にどの程度の関与かについては、30.8%が「ほとんど関与 していない」と回答した。それに26.7%が「方針策定には関与している」、17.8%が「主に担当部門に任せている」、16.1%が「方針策定から進捗確認まで継続的に関与している」、8.6%が「分からない」という結果だった。

正式に認められていない「シャドーIT」、「シャドーAI」、「シャドーデータ」を活用していると回答した人が一定数おり、社内規程・データを会社が利用を許可していない、または利用許可の有無が分からないAIツールに入力・共有した経験を持っている人も多かった。

こういった状況は、企業のリスクにもつながる可能性がある。AIの利用ルールや管理体制に加えて、その判断や処理の拠り所となる社内規程・データも適切に整備・管理して正確性・最新性を確保していくことは、企業にとって重要なポイントになるはずだ。

『企業のGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)に関する実態調査 vol.4(デー タガバナンス)』概要

調査期間:2026年8月12日~2026年8月14日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答:Q1は、20歳以上のビジネスパーソン1万1075名。Q2以降はQ1で「あなたの勤務先では、AIエージェントをどの程度利用していますか」と質問して「全社的に利用している/複数の部門で利用している/一部の部門で利用している/試験導入・検証を行っている」のいずれかを回答した1206名
調査企画:KiteRa
補足:構成比は小数点第2位を四捨五入。この調査の「ビジネスパーソン」は、正社員/契約社員/派遣社員/会社経営者・役員として勤務する人を指す。「AIエージェント」は、与えられた目的や指示に基づき、社内データやシステムを参照・連携しながら複数の処理を自律的に進めるAIを指す。
https://www.kitera.co.jp/news/20260903pressrelease/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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