事業承継の総合支援サービス「RISONAL」を運営するオーナーズはこのほど、全国のスタートアップ・ベンチャー企業の代表取締役・共同創業者を対象に、「スタートアップ経営者のM&A意識・準備実態に関する調査」を実施し、217名から回答を得た。
約8割の経営者が、M&Aを出口戦略として検討
M&Aを出口戦略の一つとして検討しているかを尋ねたところ、「IPOと並行して検討している」が48.8%で最多、「優先的に検討している」が31.8%と続いた。両者を合わせると約8割の経営者がM&Aを現実的な選択肢として位置づけていることがわかったn=217)。
資本政策・新株予約権・ガバナンス整備、いずれも約3割が未着手
M&AによるEXITに向けた各項目の準備状況を尋ねたところ、「すでに対応済み」「現在対応中」を合わせた実施層が最も多かったのが「ガバナンス整備」で70.9%、次いで「資本政策」が66.3%、「新株予約権」が64.0%となった。
裏を返せば、3割前後が未着手の状態で、M&Aを検討しているものの、実務面での準備が十分に進んでいない層も一定程度存在することがわかった(n=175/M&Aを検討している人)。
準備停滞の要因TOP3は「優先度の低さ」「時間・コストの制約」「専門家不在」
M&Aに向けた準備が進んでいない理由を尋ねたところ、「M&Aをまだ具体的に検討していないため優先度が低い」が44.7%で最多、「準備にかけるコストや時間がない」が36.5%、「準備を相談できる専門家がいない」が32.9%と続いた。時間・コストの制約に加え、相談先の不在が準備の壁になっている実態が示されている(n=85/M&A向け準備が未着手の人)。
準備・検討に何らかの不安や課題を感じる経営者は9割近くに
M&Aの準備や検討を進めるうえでの困りごとがあるか尋ねたところ、「漠然とした不安・課題感」が58.9%で最も多く、不安要素はあっても明確な言語化に至っていない経営者が多いことがうかがえる。また、「具体的に困っていることがある」が30.3%で、その中では、信頼できる相談先の探し方や企業文化の継承に不安を抱えている回答が多く見られた(n=175/M&Aを検討している人)。
<M&Aの準備・検討で困っている具体的な内容/一部抜粋>
・誰に相談したらいいのかわからない
・適切な評価をする買い手が現れるかどうか
・M&A後の顧客離れに繋がらないか不安がある
・財務、法務などの整備の煩雑さに課題感を感じている
M&A準備の相談先1位「公認会計士・税理士」
M&Aの準備を進める際、どこに相談するかを尋ねたところ、「公認会計士・税理士」が54.3%で最も多く、「M&A仲介会社」が42.9%、「FA(財務アドバイザー)」が36.0%と続いた。身近な顧問業務の延長で公認会計士や税理士を相談先として選択するケースが多い一方、M&Aに特化したFAへの相談は36.0%にとどまり、専門アドバイザーのさらなる活用の可能性が示された(n=175/M&Aを検討している人)。
必要な支援、「買い手紹介」「プロセスサポート」が上位
スタートアップのM&Aに関してどのような支援が必要だと思うかを尋ねたところ、「適切な買い手の紹介」が46.1%、「M&Aプロセスのサポート」が45.2%、「M&Aに関する専門知識の提供」が43.8%と続いた。買い手とのマッチングから実務プロセスまで、幅広い支援を求める伴走型の支援に対するニーズの高さが明らかになった(n=217)。
■オーナーズ株式会社 代表取締役社長 作田 隆吉氏コメント
今回の調査では、約8割の経営者がM&Aを出口戦略として位置づけていることが明らかになりました。東証の上場基準見直しなども相まって、スタートアップ経営者のExitの選択肢としてM&Aが一般的になってきている状況がうかがえます。
また、M&Aの相談先としてFAの認知が高まってきている点も特筆すべきところです。中立の立場で売り手と買い手のマッチングを提供するM&A仲介サービスに対して、FAは顧客の利益を守り、追求する役割を担ってM&Aを支援するものです。支援の現場でも、仲介とFAの違いを理解したうえでFAを希望する経営者が増えており、特に若い世代でその傾向が強くなってきていると感じています。
<調査概要>
調査名称:スタートアップ経営者のM&A意識・準備実態に関する調査
調査機関:Fastask
調査対象:全国のスタートアップ・ベンチャー企業の代表取締役・共同創業者
調査方法:Webアンケート
調査期間:2026年7月1日~7月3日
有効回答数:217件
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合がある
出典元:オーナーズ調べ
構成/こじへい




DIME MAGAZINE




















