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KDDIが日本郵便と連携し、ドローンポートの郵便局に!設置されると何がどうなる?

2026.10.13

KDDIはドローン事業に関するメディア向け説明会を開き、ドローンポートの拠点拡大に向けた日本郵便との新たな連携と、国内初となるUTMサービスプロバイダーIDの取得を発表した。

ドローン運用は実証から社会実装の段階へ

KDDIは、人手不足が深刻化する中で、AIが人に代わって働く「AI労働力」の社会実装を中期経営戦略の柱に掲げており、ドローン事業はその最もわかりやすい体現であると位置づけている。KDDIスマートドローン株式会社 代表取締役社長 博野雅文氏によると、ドローンは実証・検証ではなく、人の仕事を代替する社会実装の段階に入っているという。自動で離発着・充電を行うドローンポートを全国に配備し遠隔運航する体制を整備しており、常設ポートは全国20拠点、遠隔運航の累計は2万6000フライトを超える。平時にはインフラ点検や鳥獣害対策の「地域の働き手」、有事には人が入る前に状況を確認する「最初の目」となることを目指している。

具体例として、北海道新十津川町では、町役場屋上のポートから定期パトロールでクマの出没を早期把握し、住民の通報を受ければ緊急出動してサーマルカメラで位置を確認、猟友会などと連動するプロセスを確立している。石川県志賀町では同年8月の大雨の際、県と町の緊急要請を受け4日間で12回の緊急飛行を行い、浸水や道路状況をリアルタイムで行政と共有して初動対応を支援した。グループ内でも2025年度に約700局の基地局鉄塔点検をドローンで実施し、現地作業時間を約80%削減。太陽光発電所の夜間監視でも省人化とケーブル盗難被害の抑制につなげられている。

5つの要素と衛星直接通信

ドローンの全国展開には「機体」「通信」「遠隔運航体制」「設置場所」「制度」の5要素が不可欠だとした。機体は2024年5月に資本提携した米Skydio社製のAIドローン、運航体制は2023年11月に提携した日本航空(JAL)の航空知見で確立済みである。

通信では新たにStarlinkとドローンが直接通信する実証に成功している。衛星が携帯電話と同じ周波数帯で直接つながるため、機体に特別なアンテナは不要で、山間部や離島、災害時でも活用が広げられる。この衛星直接通信は、映像伝送を含む実証に成功しており、関係省庁と制度調整を進めた上で、年度内のサービス提供開始を目指すことも明らかにされた。そして、残る設置場所と制度が本日の発表の主題である。

日本郵便との連携、珠洲郵便局で実証開始

設置場所の解の1つとして今回発表されたのが、日本郵便との連携である。両社は同年6月、ドローンによる地域課題解決と社会基盤化に向けた基本合意書を締結している。郵便局は法令に基づき全市区町村に配置され、過疎・中山間地域を含む生活圏に近い拠点であり、ローソン店舗(同年6月、池田市で店舗敷地内初のポート設置)や自治体施設と比べても、地域密着性が最大のメリットだという。連携は、KDDI主導のドローンポート全国展開を日本郵便の郵便局網が支え、日本郵便主導のドローン物流をKDDIが通信と遠隔運航体制で支える相互補完モデル。日本郵便への支援は通信だけでなく、KDDIが構築した遠隔運航体制そのものの提供となる。

第1弾として、同週から石川県珠洲郵便局屋上にポートを設置する。珠洲市内には既設ポートが3か所あり、その1か所として郵便局の機体と連動させ複数機の遠隔運航を検証する。学童の安全確認や孤立集落の把握など平時から有事の活用を試み、10月4日の珠洲市防災訓練にも、自治体と連携して参加する。

郵便局への本格的な常設展開は次年度から進める考えで、設置局数は現在協議中、全国約2万4000局すべてではなく担い手不足が深刻な地方から、との方針も示された。かつて掲げたポート1000か所設置計画は引き続き目指す。なおポートは1社での投資負担が大きいため、複数事業者で共有するシェアリングモデルで経済合理性を構築し、事故対応は全国100社以上が加盟する「KDDIスマートドローンパートナーズ」と日本郵便との連携で体制を組むという。

国内初のUTMサービスプロバイダー認定

制度面では、国土交通省航空局から国内初のUTMサービスプロバイダーIDを取得したことが発表された。ドローン飛行は規制の把握や航空局・地元との調整の負荷が大きく、飛行計画の重複は当社だけでも数百件レベルで発生している。

同年3月に始まったUTMサービスプロバイダー制度は、飛行数が10倍・100倍に増える前提で、管理を官から民へ委譲する仕組みである。第一号認定の背景として、2万回超の遠隔運航実績、経産省プロジェクトで産業界の取りまとめを担い官民双方の課題を把握したこと、JALの航空知見の3点が挙げられた。認定UTMを使えば飛行計画の作成・通報から航空局のシステムとの連携、禁止エリアの重複管理、飛行前点検の確認、航空法で義務づけられる飛行日誌のデジタル出力まで全て一元的・デジタルに管理でき、他のUTM事業者との計画調整も民間主導で行える。

認定UTMサービスは年内に他社向け提供を開始する。設置場所(郵便局)と制度(UTM)に通信を加えた「どこでも安心安全に使えるドローンの基盤」を、KDDIグループとして社会実装を加速していく。全国2万4000局の郵便局網とKDDIの資産が補完し合う連携が全国展開をどこまで加速させるか、注目される。

取材・文/佐藤文彦

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