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10月から社会保険の適用範囲が拡大!パートやアルバイトも加入する必要がある?

2026.10.30

2026年10月以降、社会保険に加入すべき労働者の範囲が段階的に拡大されます。特にパート・アルバイトの人は、新たに社会保険へ加入すべき場合があるので、制度の変更内容を把握しておきましょう。

1. 社会保険への加入が義務付けられるとどうなる?

2026年10月以降に予定されている制度改正により、主に週の所定労働時間が20~30時時間であるパート・アルバイトの人は、社会保険(=厚生年金保険・健康保険)への加入が新たに義務付けられることがあります。

社会保険への加入が義務付けられると、国民年金と市区町村などの国民健康保険から、厚生年金保険と職場の健康保険への切り替えが必要になります。

社会保険料は労使折半とされているものの、国民年金・国民健康保険への加入時に比べて、従業員の保険料負担は増えるケースが多いです。

厚生年金保険の方が国民年金よりも将来の年金受給額が多く、健康保険の方が国民健康保険よりも手厚い保障を受けられるなど、社会保険にはメリットもあります。

それでも、目先の保険料負担が増えることを懸念し、できれば社会保険に加入したくないと考える人は少なくありません。

2. 2026年10月以降、社会保険の適用範囲が段階的に拡大される

2026年10月以降、社会保険の適用範囲が段階的に拡大されます。各段階における拡大の内容と、どのような人が影響を受けるのかを解説します。

2-1. 【2026年10月~】賃金要件の撤廃

従来は、短時間労働者※が社会保険への加入を義務付けられるのは、週所定労働時間が20時間以上であり、かつ残業代などを除いた賃金(=所定内賃金)が月8万8000円以上である場合に限られていました。
※短時間労働者:勤務時間が正社員の週所定労働時間の4分の3未満、または勤務日数が正社員の月所定労働日数の4分の3未満の労働者

2026年10月以降は、「月8万8000円以上」の賃金要件が撤廃されます。

地域別最低賃金の引き上げにより、週20時間以上働いた場合の賃金が全都道府県で月8万8000円以上となったためです。

「週20時間以上」の要件は維持されているので、賃金要件の撤廃によって社会保険の適用範囲が実質的に拡大されるわけではありません。

2-2. 【2027年10月~】企業規模要件の段階的な撤廃

現行制度では、短時間労働者が社会保険への加入が義務付けられるのは、企業規模要件を満たす場合に限られています。現在は「常時雇用している従業員が51人以上」とされていますが、2027年10月以降は下表のとおり段階的に拡大されます。

最終的には企業規模要件が撤廃されるため、週所定労働時間が20時間以上の人は幅広く社会保険への加入が義務付けられるようになります(学生を除きます)。

2-3. 【2029年10月~】個人事業所の適用対象の拡大

従業員に社会保険への加入が義務付けられるのは、社会保険の適用事業所に限られています。

法人の事業所は、すべて適用事業書に当たります。一方個人事業所については、現行制度では、常時5人以上の従業員を使用する法定17業種の事業所のみが適用事業所に該当します。


<法定17業種>
・物の製造
・土木、建設
・鉱物採掘
・電気
・運送
・貨物積卸
・焼却、清掃
・物の販売
・金融、保険
・保管、賃貸
・媒介周旋
・集金
・教育、研究
・医療
・通信、報道
・社会福祉
・弁護士、税理士、社会保険労務士等の法律、会計事務を取り扱う士業


2029年10月から、上記の法定17業種に限るという制限が撤廃されます。その結果、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、業種を問わず社会保険の適用事業所となります。

適用事業所に勤務していて、週所定労働時間20時間以上などの要件を満たす人は、社会保険に加入しなければなりません。

3. 保険料の負担増を軽減するための国の支援措置

新たに社会保険への加入義務が生じることによる労働者の保険料負担を軽減するため、国による支援措置が設けられています。

次の要件をいずれも満たす対象労働者につき、事業主が保険料を一時的に負担したうえで国に申請すると、最長3年間にわたり、原則として事業主の負担した全額が国から補助されます。

(1)週の所定労働時間が20時間以上(フルタイム労働者の4分の3未満)
(2)月収が13万円未満(標準報酬月額が12.6万円以下)
(3)学生ではない

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw

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