バブル崩壊後の景気低迷や就職氷河期──。ため息ばかりだった日本へ、1997年、ひとりの刑事が希望と興奮をもたらした。出世より現場。慣例より行動。根回しより正義感。当時、多くの共感を集めた青島俊作の姿は、今見ても驚くほど新しい。そして2026年、あの青島が帰ってくる!創刊40周年、彼と同じ時代を生きてきたDIMEでは、世代を超えて愛される『踊る大捜査線』シリーズの軌跡を総力取材。令和のビジネスパーソンに再び熱をもたらすヒーローの姿とは? 踊る旋風を見逃すな!
『踊る大捜査線』シリーズに欠かせない登場人物のひとりとして挙げられる真下正義を演じてきたユースケ・サンタマリアさん。テレビドラマから最新作までほとんどの作品に出演した中でも、特にお気に入りという『交渉人 真下正義』を中心に、当時のことを振り返ってもらった。
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真下正義 キャリア変遷 01
テレビドラマ『踊る大捜査線』(1997年1月~3月放送)
警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係・警部補 ※研修配置
→警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係・警部
SPドラマ『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル』(1997年12月放送)
警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係 係長・警部
SPドラマ『踊る大捜査線 番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル』(1998年6月放送)
警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係 係長・警部
SPドラマ『踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル』(1998年10月放送)
警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係 課長代理・警部
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998年10月公開)
警視庁湾岸警察署 刑事課強行犯係 係長・警部補
※2001年9月に海外渡航(観光:韓国・ソウル)
※2003年4月に海外長期研修出張(ロサンゼルス市警)
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年7月公開)→【A】
警視庁刑事部捜査第一課・警視 ※ネゴシエイター
映画『交渉人 真下正義』(2005年5月公開)→【B】
警視庁刑事部交渉課準備室 課長・警視 ※ネゴシエーター
歴代シリーズの主要人物のうち〝キャリア組〟として役職が最も目まぐるしく変わったのは、真下正義のほかにはいない。テレビドラマの第7話では警部補から警部に昇進して捜査・取り調べの決定権を獲得。一倉正和管理官を制し、柏木雪乃の取り調べを続行した。『THE MOVIE 2』では海外研修帰りのネゴシエイターとして登場。犯人グループとの交渉に尽力する。

ドラマのキャラクターがすごい人気になっていたことは
キャストのみんなが感じていました
「1998年の映画公開の際、舞台挨拶に来られたお客さんの熱狂度がとにかく高かった。踊り場みたいなところに顔をチラッと出したら『キャーーー!』みたいな。『踊る』のキャラクターとして人気が、すごいことになっているというのはメチャメチャ肌で感じていたと思いますね」
スピンオフの冠映画は僕の中で最高のご褒美
ユースケさんにとって『踊る』は役者としてのキャリアを生み出してくれた作品だと語る。
「僕はもともとバンドをやっていたんです。そこでは MC&ボーカルという役割でした。ボーカル&MCじゃなくってね。〝そんなポジションあるのかよ〟という感じですが(笑)、ステージ上でとにかくしゃべる。それを見たテレビ業界の人が〝何かおもしろいヤツがいるぞ!〟って気に入ってくれたみたいで。そこから、あれよあれよという間に、真下をやることになったんです」
収録を経てテレビドラマの放送が始まると、反響があまりにも多いことに驚いたそうだ。
「街を歩いていると、それまでにないリアクションをもらうこともありましたね。ほかの現場で出会った俳優さんからは『あんなにいいドラマに出ていて、うらやましいよ』と言われたり。とにかく、撮影現場の熱量はすごかったんです。その後、僕は別の作品にも出るようになり、『踊る大捜査線』という作品はほかにはないエネルギーを持っていたんだというのが、よくわかりました」
テレビドラマ人気の熱が冷めやらぬ1997年の年末にはスペシャルドラマが放送され、1998年公開の劇場版は空前の大ヒットに。その後、ユースケさんにとってはさらなる驚きも続いた。
「初のスピンオフとして『交渉人 真下正義』を作っていただいたんです。最高のご褒美でしたね。実は、テレビドラマで真下がメインになる回がなかったんです。だからこその喜びもありました。ストーリーも非常におもしろかったですし。『踊る大捜査線』は登場人物が多く、青島さんの物語を軸にしつつ、その周りでもいろんな話が展開していくんです。でも『交渉人 真下正義』はひとつの事件と終始向き合っていく。そこがお客さんにとっても新鮮だったんでしょうね。僕もお忍びで何度か劇場に行きました。確か、最終上映が聖地であるお台場の映画館だったんです。その最後の回も隠れて観に行ったら、お客さんが結構入っていて。上映後に拍手まで沸き起こったんです。もうね、そのまま登壇しようかと思いましたよ(笑)。それぐらい、胸にグッとくるものがありました」
『交渉人 真下正義』では
しっかりとしたシーンを任せてもらえる喜びがすごくありました
「テレビドラマの際、僕の中で実はすごくフラストレーションがたまっていたんです。主要メンバーのひとりだけど、実はあまり登場していなかったし、しっかりとしたシーンも任せられることがなかったから。なので、真下正義が話のメインになる『交渉人 真下正義』はすごく喜びがありました」

ユースケ・サンタマリア
1971年生まれ、大分県出身。1994年からラテンバンド・BINGO BONGOのMC&ボーカルとして音楽活動を開始。1995年からは俳優活動を始め、1997年には『踊る大捜査線』のメンバーに抜擢される。ここ数年は映画の『君のクイズ』『黒牢城』、ドラマの『犯罪者』『SとX』に出演。レギュラー番組『ナゼそこ?+』ではMCを担当。
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