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「もっと良くできるはず」「まだ気になる箇所がある」
そんな無意識のこだわりから、1つの作業に時間をかけすぎてしまうことはないでしょうか。質の高さを追求するのは大きな強みである反面、知らず知らずのうちに自らハードルを上げ、プレッシャーを抱え込んでいては本来の力を発揮できません。また、細部にこだわるあまり常に締め切りに追われる状態が続いては、心身が疲弊してしまいます。
本記事では、失敗を避けるために完璧を求めてしまう心の癖を整理し、余裕を持って成果を出すアプローチをお伝えします。
完璧主義が行動を止めてしまう理由は?
より良い成果を追求する意識が、いつの間にか行動を制限する足かせに変わることがあります。ここでは、なぜ完璧を目指すほど動けなくなるのか、その背景にある心の癖を整理します。
■1.ハードルを上げるほど始めの一歩が重くなる
完璧さを求めるあまり、準備や情報収集に過度な時間をかけてしまうケースも少なくありません。これには、100点を出さなければならないという思い込みが影響しています。最初から完璧な結果を想定するほど、そこへ到達するために必要な作業量や心理的な負担が大きく見えるのです。
その思い込みが負担となって取りかかること自体が億劫に感じられ、かえって目の前の作業への着手が遅れるといった影響が出てきます。
■2.失敗を恐れる心理が作業を遅らせる
行動を先延ばしにしてしまう背景には、「失敗恐怖」と呼ばれる心理が働いていることがあります。失敗恐怖とは、ミスをすることや、それによって他者からの評価が下がることを過剰に恐れる心理状態のことを指します。この心理が強くなると、失敗を避けるために無意識のうちに作業を後回しにするのです。
つまり、締め切り直前まで着手できず、時間的な切迫感からさらなるプレッシャーを抱え込むという悪循環が生み出されていると言えます。
まずは60点でよしとする思考の切り替え
完璧さを追求するのではなく、まずは一定のレベルで形にすることを目指すことで、作業の進め方は大きく変わります。「最初から完璧でなければならない」という思考の癖をどのように切り替えていけばよいのか、早めに形にするメリットとあわせて解説します。
■1.客観性を加える余地を残すという考え方
「最初から完璧なものを出さなければ」という思考の癖があると、つい1人で作業を抱え込むことになりかねません。その完璧さを手放すためには、まずは60点を目指し、全体像を可視化する、という意識へ切り替えることが大切です。6割程度で一度形にすることで、進むべき方向性がずれていないかを確認できます。
また、他者の意見やフィードバックを早期に取り入れられる点も大きなメリットです。早い段階で客観的な視点を交えることで、軌道修正がしやすくなり、最終的な成果物の質が向上しやすくなります。
■2.修正を前提とした組み立てで心理的なハードルを下げる
作業に取り組む際は、「1回で完成させる」という思考から、「修正を前提にたたき台を作る」という考え方へシフトさせます。最初から非の打ち所がないものを生み出そうとすると手が止まってしまいますが、あとで修正することを前提にすれば、心理的なハードルが下がり着手しやすくなります。
全体の骨組みだけを作り、細かい部分はあとから埋めていくといった段階を分けて進めることがポイントです。一度にすべてを終わらせようとしないことでプレッシャーから解放され、テンポよく作業を前進させることができます。
スムーズに作業へ取りかかるための2つのアプローチ
思考の切り替えとあわせて、実際に作業へ取りかかるための工夫を身につけましょう。ここでは、心理的な抵抗を減らして無理のない進め方を紹介します。
■1.作業を細分化する
大きな課題を前にすると、どこから手をつければよいか迷い、行動が止まりやすくなります。そこで有効なのが、課題を小さな作業に分解してハードルを下げる方法です。
例えば、企画書の作成であれば、資料を1つ探す、見出しを考える、といった小さなステップまで作業を細分化します。区切りを小さく設定することで、目の前の一歩目を踏み出しやすくなります。
さらに、小さな作業を次々と終わらせることで達成感が得られ、作業への意欲を保ちながら進めることもできます。
■2.できた部分に目を向ける
細分化した作業を進めるなかで重要になるのが、できた部分に目を向けることです。完璧さを求めてしまう人は、まだ足りない部分ばかりを気にしてしまい、その後の行動が止まりがちになります。
できた部分を評価することで、「自己効力感」を高めることができます。自己効力感とは、直面した課題に対して、自分は適切な行動を実行できるという確信や自信を指す言葉です。
「まずはここまで進められた」という確信が育つと、失敗や評価への不安が和らぎます。自己効力感が高まることで、完璧を求める心理的な抵抗が薄れ、スムーズに作業を遂行できるようになります。
完璧さを求めすぎてもプラスにならない
より良い結果を追求する姿勢は強みである一方で、行き過ぎた完璧主義は行動にブレーキをかけ、心身を疲弊させてしまいます。失敗への不安からハードルを上げてしまう心の癖に気づき、まずは全体像を形にすることを目指しましょう。
作業を小さなステップに分け、できた部分を評価して自己効力感を高めていくことは、行動のスピードを上げるだけでなく、自信を持って前へ進む力になります。
文・構成/藤野綾子
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