自動車整備事業は、人手不足や小規模経営の会社が多いなど課題が多く、事業者の市場撤退が加速しているという。帝国データバンクは「自動車整備業」における『「自動車整備」の倒産・休廃業解散動向(2026年上半期)』を調査して発表した。この調査は、「自動車整備業」:TDB業種細分類における「一般整備」「車体整備」など自動車整備業が対象で、倒産:負債1000万円以上・法的整理による倒産、休廃業・解散:特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記などで解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業(休廃業・解散とは倒産(法的整理)を除く)とする。集計期間は2000年4月1日から2026年6月30日まで。
自動車整備の撤退は過去最多を記録
2026年の1月から6月の上半期に発生した「自動車整備」事業者の休廃業・解散(廃業)は259件で、前年同期の186件から約4割も増加して過去最多を更新した。2026年に倒産、休廃業・解散(廃業)した自動車整備事業者は、資本金「(100~)1000万円未満」が115件で全体の約4割を占めて最多だった。個人事業主を含めた「100万円未満」(107件、38.4%)を合わせて小規模な自動車整備の撤退が8割という結果になった。
自動車整備は、パーツ類やオイル・油脂類、塗料など整備に必要な資材の多くが価格上昇に直面しており、車検や一般整備の汎用化が進んだほか物価高による節約志向で自動車を修理しない、または必要最小限にとどめるケースも増えている。ディーラーのほかにカー用品店や車検専門店との価格競争も進んでおり、厳しい経営環境になっている。
一方で損保会社から支払われる整備工賃を含む自動車の修理費用が全体的に上昇していることを受けて、自動車整備業界にとってはコストアップ分を価格に転嫁できる追い風も吹いた。ディーラーが受けきれない整備案件を獲得したり、特殊作業や「エーミング」など電子機器検査の標準化といった高度作業が可能な「自動車整備」事業者は工賃の値上げで収益力が向上したケースもあったという。
高齢化などの人材不足も苦境を加速
高齢によるベテランスタッフの退職と整備士を目指す若者の減少を背景に、整備士や板金塗装工の確保が困難になって入庫制限をするなど整備能力の低下も発生している。車の電動化や先進運転支援システム(ADAS)など電子化・高度化に対して、小規模な家族経営などの零細規模では、新技術に対応した人材や設備がないことも多い。そういったところでは、保険会社や顧客への値上げ交渉・単価アップが満足に行えずに、採算割れに陥りやすい構造もある。
車の高度化で整備作業の難易度が上がり、設備面などで対応可能な中堅・大手事業者への集約が進むことで、設備投資や人材確保が困難な小規模整備工場の退出は続きそうだ。自動車整備の撤退が加速しているが、「車の安全性」に直結することだけに、安全性を担保して地域インフラとして維持していくことは、今後も議論を進めていくことが重要だろう。
https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260707-carmaintenance26y1-6
構成/KUMU




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