動画の倍速視聴やスキマ時間の活用など、生活のあらゆる場面で「タイパ」が意識されるようになった。一方で睡眠に関しては、寝床に就いているのになかなか眠れないという「タイパ」とは程遠い時間的ロスを毎夜繰り返している人も多いのではないだろうか?
Morghtはこのほど、全国の20代~50代の男女1,000名を対象に「睡眠の時間効率(隠れ睡眠ロス)に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
“隠れ睡眠ロス”は1日平均約62分。年間で約375時間=約15日分に
「布団・ベッドに入ってから寝つくまでの時間」「夜中に目が覚めて眠れずにいる時間」「朝、目が覚めてからスヌーズや二度寝で過ごす時間」を合算した“隠れ睡眠ロス”は、1日あたり平均61.7分となった。
年間に換算すると約375時間、日数にして約15日分がベッドの中で失われている計算になる。内訳で最も大きいのは「寝つくまでの時間」(平均26.2分)で、「夜中の目覚め」(18.7分)、「朝のスヌーズ・二度寝」(16.8分)が続く。また、6割超(61.2%)は1晩30分以上、3人に1人(34.6%)は1時間以上のロスを抱えていた。
「タイパ意識」が57.3%に対し、自身の“隠れ睡眠ロス”を明確に把握している人は2割未満
普段の生活で「時間対効果(タイパ)」を意識して行動しているかを聞いたところ、57.3%が「意識している(とても+やや)」と回答。一方で、「自分がベッドの中で眠れずに過ごしている時間がどれくらいあるか」を明確に「把握している」人は17.3%にとどまり、8割超(82.7%)は把握が曖昧なままだ。
さらに、この「眠れていない時間」の存在を知ったときに「もったいない」と感じる人はタイパを意識する層で37.3%と、意識しない層(22.2%)を上回った。時間対効果にシビアな人ほど見過ごせない損失であるにもかかわらず、その存在自体が把握されていないことがわかった。
厚生労働省は「床上時間と睡眠時間の把握」を推奨。ロスが大きい人ほど“休養感”は低い
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、寝床で過ごす時間(床上時間)と実際の睡眠時間を記録・把握することが勧められている。本調査で同ガイドが睡眠の質の指標として重視する「睡眠休養感(睡眠で休養がとれた感覚)」を聞いたところ、ロスが1日60分以上の層で休養感を得られている人は17.9%と、ロス30分未満の層(45.4%)の4割以下にとどまった。把握されていないロスが、朝の回復実感を静かに削っている構図がうかがえる。
「正確に把握できている」つもりの人でも、実測ロスは1日約54分
自身の睡眠時間や眠れていない時間を「正確に把握できていると思う」と答えた人は7.6%と1割未満となった。さらに、その“把握できている”層に限っても、実測の“隠れ睡眠ロス”は1日平均53.6分=年間換算で約326時間にのぼる。「把握しているつもり」と「実際のロス」の間にも大きなギャップがあり、自己認識だけでは隠れ睡眠ロスに気づけない実態が示された。
隠れ睡眠ロス対策の最多は「特に何もしていない」が48.0%。「寝具の見直し」は1割未満
“隠れ睡眠ロス”を減らすために実施していることを聞いたところ、最多は「特に何もしていない」で48.0%と約半数を占めた。実施している対策では「就寝・起床時間を一定にする」(20.4%)、「寝酒・カフェインを控える」(17.1%)、「寝る前のスマホ利用を控える」(16.3%)が上位となった一方、ロスの発生場所であるベッドそのもの=「寝具(マットレス・枕)の見直し」は9.5%にとどまった。
マットレスの影響は8割が認識、行動した人は2割。壁は「価格」と「選び方」
「マットレスによって寝返りの打ちやすさが変わり、眠れない時間にも影響する」という考え方には77.3%が同意した。しかし、睡眠の悩みを解決するために実際にマットレスを見直したことがある人は19.0%にとどまる。
見直したことがない人(n=506)にその理由を聞くと、「高額なので考えていなかった」(32.2%)、「何を選べばよいかわからなかった」(29.6%)が上位となり、「睡眠に影響するとは思っていなかった」は10.5%にとどまった。“知らない”のではなく、“価格と選び方”が行動の壁になっている実態がうかがえる。
“隠れ睡眠ロス”を減らす3つのアプローチ
今回の調査で明らかになったロスの3つの発生源(寝つき・夜中の目覚め・朝の二度寝)それぞれに対応する方法を紹介する。
1.寝つき:いま話題の「認知シャッフル睡眠法」
カナダの認知科学者リュック・ボードウィン博士が考案した入眠テクニック。ベッドに入ったら、「すいか」など感情を動かさないシンプルな単語を1つ決め、その頭文字「す」から始まる脈絡のない言葉(スポーツ、スマホ…)を次々と思い浮かべ、それぞれのイメージを映像として軽く思い描く。
思いつかなくなったら次の文字(「い」→「か」)に移り、同じことを繰り返す。脈絡のない言葉やイメージを次々と浮かべることで脳の論理的な思考活動がゆるみ、「まだ考え事の途中だ」と判断していた脳が眠りのモードに切り替わりやすくなるとされている。考え事や反省会が頭の中で始まって寝つけないタイプの人に向くとされる方法だ。
2. 夜中の目覚め:寝床内の熱と湿気を逃がす寝環境を整える
布団の中の温度が上がると深部体温が下がりにくくなり、深い睡眠が妨げられる。寝返りには、布団内の温まった空気や湿気を追い出し、快適な状態を保つ役割がある。体圧がうまく分散されない寝具は無理な体勢や不要な体動を招き、眠りが浅くなる一因となるため、通気性や体圧分散の観点から寝具を見直すことが有効だ(睡眠メディア「WENELL」より)。
3. 朝のスヌーズ・二度寝:起床の習慣と夜の睡眠の質からアプローチする
十分な睡眠時間を確保しているのに二度寝をしてしまう場合、睡眠の質が低下している可能性がある。起床時刻を一定にする、目覚めたらすぐにカーテンを開けて光を浴びる、目覚ましをベッドから離れた場所に置くなどの習慣に加え、夜の睡眠の質そのものを高めることが、朝のロス削減の近道だ(睡眠メディア「WENELL」より)。
<調査概要>
調査内容:睡眠習慣に関するアンケート
調査対象:全国20代~50代の男女 1,000名
調査期間:2026年8月5日~8月7日
調査方法:インターネット調査
出典元:株式会社Morght
構成/こじへい




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