しまむらのプライベートブランドCLOSSHI PREMIUM(クロッシープレミアム)から発売された、接触冷感「超COOL」シリーズ。累計販売数1700万枚を超える大ヒットを記録し、2026 DIME上半期ヒット商品にも選出された。インナーに加え、敷きパッドやラグなども展開されており、猛暑を乗り切るために役立つアイテムばかりだ。
今回は、しまむらで「超COOL」シリーズの開発に携わる株式会社しまむら 商品5部 部長 古瀨 恵さんに、商品開発の裏側やヒットの要因についてお話を伺った。
*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。
猛暑を乗り切るための〝しまむら最高峰〟の冷感シリーズ
はじめに古瀬さんは、超COOLの特徴について次のように説明する。
「超COOLは、過酷さを増す日本の夏を快適に乗り切っていただくための、しまむら最高峰の冷感シリーズというポジションで開発をしました。猛暑の影響で、接触冷感を軸に、涼しさや冷たさというキーワードの商品の需要が高まっています。外出時だけでなく、おうち時間や睡眠時間も含め、夏のあらゆる生活費をトータルでサポートできるよう、衣料品から寝具、インテリアまで横断的に展開するシリーズとして企画しました」
レディース・メンズ・キッズのインナーに加え、寝具、敷きパッド、ラグを展開する超COOLシリーズ。実は、しまむらではこれまで接触冷感を前面には押し出してこなかったという。
「今年はしまむらでも接触冷感の商品を扱っていることを強く押し出すようにしたんです。当社では『FIBER DRY(ファイバードライ)』という夏のインナーを、17年ほど販売しており、現在も夏の商品の主力です。こちらの商品は、接触冷感というより汗を素早く吸って、早く乾かすというドライ機能を主軸としたもの。不快な汗に対してこだわることで快適な着心地を提供する商品です。しかし、冷たさを前面にアピールしたクールシリーズをわかりやすく打ち出すために、アウターから実用衣料まで、しまむらとして一体感を出していこうという作戦になりました。今年からロゴやデザインを刷新し、ファイバードライに加え、この超COOLと二本柱で戦っていくことにしたんです」
通常の接触冷感の「2倍の冷たさ」を実現
超COOLシリーズは「接触冷感2倍」を謳っている。それを目指すようになった経緯について古瀨さんはこう話す。
「お客様目線で考えると、ただ『冷たい』よりも『2倍冷たい』の方が説得力があり、触ってもらえると考えました。超COOLシリーズは、冷たさを示す数値Q-maxを通常の2倍の0.4にしています。お客様が『本当に冷たい』と感じる数値を追求した結果、2倍の0.4の数値になったんです」
通常の2倍の冷たさを実現するため、技術面での工夫があったという。
「素材は冷感性の高いナイロンを使用しています。ポリエステルや綿よりも冷感値が高く出るからです。親水性のナイロンとハイゲージの糸を使うことで、生地の接地面を増やし、冷たさを実現しています。見た目がフラットで目が詰まっているようなものの方が肌への接地面が多いため、冷たさを感じやすいという原理があり、今回はそれを採用しました。また、主に超COOLのインナーの機能である放熱機能では、打ち水の原理を利用して、汗が発散する際に体の表面の熱を奪います。この気化熱冷却性で体表面の熱を下げて、通気性の良さで熱を放出するため、涼しさを感じられる仕組みです」
開発において難しかった点は、表と裏で異なる素材を使い一つの商品に仕上げる部分にあったと古瀨さんは振り返る。
「1枚の布で表はポリエステル、裏はナイロンを採用しているため、糸をポリエステルの太さ、ナイロンの太さ、それぞれベストなものを選定するのに時間がかかりました。商品を買うときは商品の表地をまず触ると思うんですが、冷たいのは肌側なので、販促面ではそれを当社の接客しないセルフ販売というかたちでどう伝えるべきかを悩みました。表地と裏地が分かるサンプルを作成し、店長会議で説明を実施するなどで周知するように努めました」
大ヒットの要因は主力ターゲットのファミリー層に刺さったこと
2026年も猛暑が予測されていたことから、昨年よりも多くの商品を用意しているという。
「今年もよく売れていまして、昨年の約130%に増やして今年の夏に臨んでいます。ただ、早い段階でかなりの数が売れたのは想定外でした。昨年は、ゴールデンウィーク前頃からの展開でしたが、今年は3月の春休頃に夏日が来たこともあって、想像以上に早くお買い求めいただいた方が多かったんです。立ち上げ直後は毎週の売り上げの計画比が130%で推移して、非常に好調です」
この大ヒットシリーズを支えているのは、しまむらの主力ターゲットであるファミリー層だという。
「弊社の主力の顧客層であるファミリー層からの支持が高いです。インナーはレディース・メンズ・キッズの展開があり、寝具・インテリアも比較的お買い求めしやすい値段で展開していますので、気軽に買える点が強いと思います。購買層を見てみると圧倒的に40代から60代、とりわけ40~50代が多い傾向にあります。汗や蒸れ、ベタつきが嫌で、おしゃれさよりも快適さを優先する層に支持されているのではないかと考えています。
「機能性×価格の安さ」でお客様の生活を豊かに
しまむらでは、今後もさらに「冷たさ」を追求していくと話す。
「今後、さらに冷感値を上げていきたいと考えています。実際、インナーではQ-max 0.5を実現できていて、今年の夏に発売しています。ただ、インナーも寝具も冷感だけを切り取って進化させるのは可能ですが、それだけにとらわれて快適性を損なうわけにはいきませんので、そこは慎重に取り組んでいきたいと考えています」
さらに、今後のトレンドとして「節電」と「ウェルビーイング」がキーワードになると、古瀨さんは分析する。
「節電対策とウェルビーイングの融合に注目しています。電気代の高騰などを背景に、エアコンの設定温度を少し高めに保ちつつ、衣類や寝具の機能を補って快適に過ごすというライフスタイルが定着しつつあると思います。単に暑さ対策にとどまらず、環境に配慮しながらも、心身のストレスを軽減するような賢い機能性アイテムが、今後のスタンダードになっていくと考えています」
最後に、クロッシープレミアムブランドが大切にしている価値についてこう語ってくれた。
「毎日の暮らしにちょっといいものをお求めやすい価格でご提供し続けることを大切にしています。どんなに優れた機能でも日常使いできない価格では意味がありません。 厳しい暑さの中で、誰も我慢することなく、心地よく過ごせること。しまむらだからこそ実現できる、確かな品質と価格で、お客様の毎日の生活に寄り添い少しでも豊かにしていく。これが、クロッシープレミアムとして最も大切にしている価値です」
取材/DIME編集部 文/久我裕紀




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