小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

PayPayはなぜ100円でSpace Xなどの米国株を買えるのか?

2026.08.28

PayPay証券の少額取引はなぜはじまった?

−−ところで、PayPay証券で提供されてる少額取引はどういう発想から生まれてきて、こういう形に結び付いたんでしょうか?

佐藤氏:元々、PayPay証券の前身の会社がありまして、その時から「1000円で株主になれる!」といったユーザーアプローチを始めていました。その後、PayPayグループになったことで、ユーザー体験として、いかに日常のお金遣いに近づけるかがより重要になってきています。

ただし、投資をあまりご存じない方からすると、株や投資の世界って、異質だと思うんですよ。コンビニエンスストアで100円や200円で何かを買うのと違い、「1株」単位を基にして購入するわけですが、「じゃあ、1株って、いくらなの?」となってしまいます。

そこをいかに日常のお買い物や決済感覚に近づけるかという観点で、100円から200円、300円分を買うという形にした方が投資未経験の人でもわかりやすいですし、なおかつ自分がいくら使うのか、支払うのかということもすぐにわかります。普段の決済から延長されたつながりという観点で、100円から金額指定で株を買えるようにしているわけです。

−−なるほど。ということは、今日、PayPayポイントがこれだけ貯まってるから、それを使おうかという考えの延長線上で、「じゃあ、株を買おうか」という動きにつながる感じなんですね。

佐藤氏:そうですね。PayPayと同じ体験と考えると、PayPayでもらったポイントでお買い物ができるわけですから、それと同じように株も100ポイント分使って、100円分の株を買うという発想につながるわけです。

−−元々、証券をはじめとした金融取引には、いろいろなルールがありますよね。それに金融庁のような監督官庁もあり、実際に取引をする証券取引所もあります。少額取引をはじめ、御社の特徴的なサービスは、これら関係各所と調整されたものなんですか?

佐藤氏:そうですね。まず、取引の単位については、確かに東証(東京証券取引所)では上場する国内企業の普通株式は100株単位で売買されています。一方で、証券会社がお客さまに提供する取引の仕組みは、必ずしも取引所での売買だけではありません。当社では、関係する法令やルールを踏まえたうえで、当社がお客さまの取引相手となる「相対取引」という仕組みを採用しています。そのため、100株単位に限らず、100円から金額を指定して投資いただけます。

−−IPOについても同様なのでしょうか?

佐藤氏:IPOについては少し事情が違いまして、これまで米国で上場する企業(日本市場に未上場)の株を日本の個人投資家に販売するというスキームがほとんどなかったため、日本の個人投資家にも参加いただけるよう、日本の法令や実務に沿って関係各所とスキームを整理しました。そもそもの話として、どこの国に株を売り出すかは上場する企業が決めているので、米国に上場するような企業が日本の個人投資家に株を売りたいというニーズが今まであまりなかったと思われます。

ところが、日本の企業であるPayPayが米国に上場する場合、メインのお客さまは日本の市場ですから、やはり、日本の個人投資家のみなさまにも株を売り出すことが重要となります。その結果、米国市場でIPOを行うPayPay株式をPayPay証券で購入するという取り組みに至ったわけです。

Space Xについては当社でIPOを扱いませんでしたが、Space Xはソフトバンクをはじめ、日本の携帯電話会社との結び付きが強いですし、イーロン・マスク氏がCEOを務める「X」も日本でも注目度の高いサービスです。そのため、今回のSpace XのIPOでは、日本の個人投資家にも売り出されたという流れだと推測しています。

−−なるほど。日本の個人投資家のニーズを踏まえて、米国市場でIPOする株式を売り出せたということですか?

佐藤氏:これまでは企業側にも米国市場で日本向けに株式を販売するというニーズもなかったと思われ、日本の個人投資家にどうやったらご参加いただけるか、日本の法令や実務に沿って関係各所とスキームを整理しました。

もうひとつ重要なのは、米国市場と日本市場ではIPOのしくみというか、慣習が若干異なります。日本市場でIPOをする場合は、証券会社がIPOの募集を受け付け、投資家は各証券会社に購入する意向を申し出て、応募多数の場合は抽選をするというのが主流です。上場する企業が公開価格をいくらにするのか決定した後に抽選が行われるため、実際に上場する日(売買を開始する日)まで、数営業日の猶予があるケースが一般的です。

これに対し、米国IPOは公開価格決定から上場・取引開始までの時間が短いことが多いです。なので、投資家に対し、IPO購入の申し込みを受け付けて、「当たりました」「外れました」みたいなことを行っているタイミングで、もう上場後の取引がはじまってしまう。募集をかけて、当選者に「当たりました」「買いますか?」という打診をする猶予がほとんどありません。しかも、日本と米国には時差があるため、短時間で、アプリ上で購入の可否を判断してもらうのは難しいだろうと考えました。

そこで、PayPayのIPOでは、抽選結果発表後にキャンセル可能な時間を設け、期限までにキャンセルがなければ当選分を自動購入する仕組みとしました。細かいスケジュールやオペレーションの調整をしたうえで、米国でのIPOの販売をはじめることができました。Space XのIPO株をも似たような方法で対応されていたと思われます。

−−なるほど。私は今回のSpace Xについては、楽天証券のIPO募集に申し込んで、幸い、当選したんですが、楽天銀行のマネーブリッジを設定していたので、自動的に購入金額が引き落とされていたんですが、そのベースは米国市場でPayPayが上場する時のスキームだったわけですね。

ところで、実際のところ、今年3月のPayPay上場、6月のSpace X上場の反響はどうだったんでしょうか?

佐藤氏:両社の上場とも反響は想定以上のものでした。PayPayの時はIPOの取り扱いを発表してから受付終了までに3週間くらいでしたが、その間に10万弱の新規口座の開設がありました。前年比で見ると、約5.1倍の新規申し込みなので、かなり反響は大きかったと思います。

それから先ほどご説明したように、当社は若い世代や投資初心者のみなさまが多いのですが、この時はちょっと顧客層が違って、投資経験の豊富なみなさまのご利用も増えました。これは他社で株取引の経験があって、当然、IPOにも興味をお持ちの方だと思いますが、「PayPayのIPOはどこで購入できるんだろう」って調べて見たら、みずほ証券とPayPay証券が扱うということがわかり、それをきっかけに申し込んでいただいたという動きがあったと考えています。

−−PayPayのIPOの申し込みは新規で口座を開設された方と、既存の口座をお持ちの方では、どちらが多かったんでしょうか?

佐藤氏:申し込み数で言うと、既存の口座をお持ちの方がやや多かったですが、新規の方のお申し込みも多くそんなに大差はなかったです。顧客層については投資経験がすでにあるベテランの方が一定数増えたという印象ですね。

一方、Space Xは我々がIPOの取り扱いをしていなかったのですが、「上場初日から販売します」「100円から買えます」という、元々、当社が持っていた特徴を活かす形で告知しました。Space Xという銘柄の知名度に加え、「あ、100円から買えるんだ」という手軽さがかけ合わさって、結構な反響をいただきました。

口座開設も増えましたし、取引自体も増えたという印象です。Space Xの場合、他社で購入すると、1株で1~2万円の負担がありましたが、当社の場合は「100円から買える。それなら……」という感覚で、買っていただいた方が増えたんだと思います。

口座開設は[PayPay]アプリから

−−決済サービスのPayPayのみを利用している方が「じゃあ、やってみようかな」と考えた時、必要なことを教えてください。まず、PayPay証券の口座開設が必要ですよね?

佐藤氏:そうですね。[PayPay]アプリから手続きが可能です。PayPayアプリを起動すると、「PayPay証券」というアイコンがあるので、そこから申し込んでいただければ、最短3分で口座開設の申し込みができます。

−−口座開設には名前や住所などが必要ですけど、本人確認も必要ですよね?

佐藤氏:PayPayアプリで本人確認がお済みの方は、証券口座開設時の本人確認がスムーズに手続きできます。あとはマイナンバーも必要ですけれど、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取っていただければ、簡単です。

−−申し込みをして、口座が開設されるまではどれくらいの時間がかかりますか?

佐藤氏:取引ができるまでは、審査もあるので、2~3営業日がかかります。これは金融資産の確認や投資経験の有無などの確認ですが、基本情報は先ほども説明したように、PayPayアプリで本人確認ができていれば、その情報が引き継がれます。

−−まったくの初心者からすると、証券口座を開設して取引をはじめるとなると、「いくらかお金は用意した方がいいんでしょうか?」と考えると思うんですけど、「なくてもいいです」とはちょっと言いにくいような……(笑)。

佐藤氏:いいえ、ポイントだけでも結構です。PayPayポイントが100ポイントあれば、100円分の株を購入できますから。PayPayポイント以外にもPayPayでお買い物する時にPayPay残高をお使いであれば、その残高(PayPayマネー)での購入も可能です。

ただし、PayPayでお支払いをする時、普段はPayPayカードで支払う設定にされている方もいらっしゃると思いますが、株の購入はクレジットカードの決済ではなく、PayPay残高(PayPayマネー)からのお支払いになります。一方、投資信託の積立については、PayPayカードを登録したPayPayの『クレジット』を利用することもできます。

−−実際に使ってみたうえでのお話になりますが、スマートフォン上のアプリとしては、従来の「PayPay証券アプリ」とPayPayアプリ内の「PayPay証券ミニアプリ」が存在します。当初はそれぞれが別々のメニューとして、提供されていましたが、徐々に双方のメニューが利用できるように統合されつつある印象です。これは今後、全体的に統合される方向性なのでしょうか?

佐藤氏:そうですね。今まさに統合に向けて、一気には進めてはいませんが、機能を徐々にまとめています。たとえば、以前は「PayPay証券アプリ」で買った銘柄が「PayPay証券ミニアプリ」で表示されていませんでしたが、今はどちらで購入した銘柄も表示できます。

細かい部分でも修正が進められていて、以前はPayPaアプリ内のミニアプリは「PayPay資産運用]という名称だったのですが、現在は「PayPay証券ミニアプリ]になりました。また、「PayPay証券ミニアプリ」は株式を購入する時、PayPay残高(PayPayマネー)、PayPayポイント、PayPay銀行の残高のみでしたが、現在は証券口座に他の金融機関から入金して、取引できるようにしています。どちらのアプリでも同じような体験ができるように、徐々に統合に向けて機能開発を進めています。

−−ということは、「PayPay証券アプリ」は何らかの形で残るかもしれないけど、将来的にPayPayアプリ内の「PayPay証券ミニアプリ」にすべて統合して、管理ができるようになるわけですか?

佐藤氏:現在は、「PayPay証券ミニアプリ」と「PayPay証券アプリ」の双方で利便性の向上を進めています。「PayPay証券ミニアプリ」単体でもすべての機能を揃えますし、「PayPay証券アプリ」から入ってもまったく同じようにお使いいただけるようにするのが今後の目指すところになります。

オンラインでも大丈夫?

−−すでにネット証券で取引をしたことのある方はあまり気にならないでしょうけれど、はじめてオンラインで投資をスタートさせる人の中には、ちょっと不安を覚えるかもしれません。そんな方々にはどのように「大丈夫ですよ」とお伝えできますか?

佐藤氏:やっぱり、初心者の方にとっては、損をするかもしれないというのが一番怖いところだと思うんです。その点については先ほどの説明したように、100円から、ジュース一杯分からでも投資ができますし、あまり予算がなくても、もらったPayPayポイントがあれば、それを投資するところからはじめられるので、心理的なハードルは大きく下がるかなと思っています。

それから、PayPayアプリ内に「ポイント運用]というメニューがあるのですが、これは証券口座を開設する必要もなく、PayPayで獲得したPayPayポイントを疑似運用することができます。12のコースが用意されているので、まずはここからはじめてみて、証券取引って、こういうもんなのかということをわかっていただけたら、証券口座を開設して、少額から自分のお金を投資してみてはどうでしょう? そのうえで、人気の株を買ったり、話題の株を買うのを試してもらうといいかなって思います。

佐藤氏:実際のところ、「PayPay証券ミニアプリ」を経由して証券口座を開設した方の8割が「ポイント運用」を利用されています。「ポイント運用」の12コースはいずれも実際のETF(上場投資信託)や暗号資産の価格への連動を目指すものですので、まずは「ポイント運用」で感覚をつかみ、次のステップとして、証券口座を開設し、実際の投資に進む方が多いようです。

−−これから投資をしてみようという初心者は、金融の情報を知るために、何から勉強していけばいいのでしょうか?

佐藤氏:投資って、いくら事前に勉強しても実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。ですから、100円とか、ポイントとか、これだったら無理がないなと思える範囲のところで、まずはじめてみるのが一番の勉強になると思います。

実践に適しているのが「ポイント運用」で、ゴールドコース、ビットコインコースなど、いろんなコースがあるので、そこに100ポイントでも入れてみて、翌日に110ポイントになってたりすると、「なんでだろう?」って思って、ニュースをチェックして、「あ、こういうことが起きたからか」「有事で金が上がってるのか」といったことがわかってきます。そういった世の中で起きているニュースに興味を持つことがエントリーに適していると思います。

−−3月のPayPayのIPO、今回のSpace XのIPOで、IPOに興味を持った方も多いと思います。これからも注目企業がIPOを実施するという報道がありますけれど、こうした情報をどうすれば、入手できるのでしょうか?

佐藤氏:たとえば、Space Xのような大きなIPOはテレビやネットのニュースにも出ますし、どこの証券会社で取り扱うかも報道されたので、情報を入手しやすかったと思います。PayPay証券で扱う場合は、「PayPay証券ミニアプリ」や「PayPay証券アプリ」の中でお知らせを出します。PayPayのIPOの時は専用のアイコンを出しましたし、その他にもバナーなども掲示しますので、普段からPayPayをご利用されている方は、見つけやすいと思います。

−−本日はありがとうございました。

「スマホ」ネイティブなPayPay証券

国内でもっとも普及したキャッシュレス決済サービスの「PayPay」。お店での支払いだけでなく、若い世代では飲食費のワリカンなどにも使われ、広く活用されている。その決済で得られたPayPayポイントを活かす方法のひとつが投資だ。

「投資」や「資産運用」などと書くと、多くの人が「自分にはあまり関係ないかも……」「投資するほどのお金が……」と考えてしまうかもしれないが、今回のインタビューでも説明されたように、PayPayは決済サービスがそうであるように、「スマホネイティブ」に作り込まれている点が魅力のひとつだ。PayPayアプリ内の「ポイント運用」で12のコースを選べば、PayPayポイントを使って、運用をはじめることができ、そこで感覚がつかめれば、同じくPayPayアプリ内からPayPay証券の口座開設もできる。PayPayアプリ内だけで、ほとんどのことが完結できるのは、普段からPayPayを利用しているユーザーにとって、大きな魅力だろう。

PayPay証券に口座を開設すれば、100円から、あるいは貯まったPayPayポイントを使って、国内外の株式を購入することができる。トヨタやキオクシアといった日本を代表する銘柄も100円から買えるし、iPhoneの新製品が出る際にAppleを買ったり、AIデータセンターを支えるNVIDIAを狙うことも可能だ。

そして、米国市場でIPOする株式を買うこともできる。PayPay証券は今年3月のPayPay上場時にIPOを扱ったが、他社がIPOを担当した今年6月のSpace Xの上場でも、上場直後から100円で、あるいはPayPayポイントで購入することができた。もちろん、株は株価が上がることもあれば、下がることもあり、米国株式は為替レートも絡むため、投資してプラスになるか、マイナスになるかはわからないが、それでも少額やポイントで試すことができるのは、他社サービスにはないメリットと言えそうだ。

取材・文/法林岳之

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年7月16日(木) 発売

DIME最新号は、世界の模型・プラモデルメーカーを大解剖する「ボクラのタミヤ」特集!『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』こしたてつひろ先生インタビュー&描き下ろしピンナップ、特別付録にはスチールギアケースも!さらに2026年上半期トレンド特集では、「売れる」より「育てる」をキーワードに、ファンを育てる新時代のヒット戦略を徹底分析!話題のモナキ独占インタビューも掲載した見逃せない一冊!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。