小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

PayPayはなぜ100円でSpace Xなどの米国株を買えるのか?

2026.08.28

今年6月、衛星コンステレーションサービス「Starlink」でおなじみのSpace Xが米国市場に上場した。さまざまなメディアで報道され、注目を集めたが、国内ではコード決済サービス「PayPay」傘下のPayPay証券が「100円から買える」と告知して、話題となった。なぜ、PayPay証券では米国市場の株式を100円から買えるのだろうか。そのカラクリをPayPay証券 執行役員 事業戦略室 室長の佐藤康介氏にお話をうかがってみた。

PayPay証券株式会社 執行役員 事業戦略室 室長 佐藤康介氏

100円でSpace Xの株が買える?

−−先日のSpace Xの米国市場でのIPO(株式公開)をはじめ、今年3月のPayPayの米国市場での上場の際も「100円から買える」というバナー広告や告知が注目を集めました。これはどういうしくみで提供されているのでしょうか。

佐藤康介氏(以下、佐藤氏):株式などを購入する場合、通常は一定の単元株で購入します。国内であれば、多くの場合、100株単位などで購入します。お客さまがいずれかの株式を購入する時は原則、証券会社を通じて注文しますが、証券会社はお客様の注文を取引所に取り次いで、株式を購入するというスキームになっています。これに対し、PayPay証券が少し違うのは、当社がお客さまの売買相手となる仕組みを採用しています。

当社が株の在庫を持っていて、それをお客さまに販売する形になるため、取引所の売買単位にとらわれず、お客さまの注文に応じて、細切れにして販売するわけです。

−−なるほど。ということは、その細切れの単位が1株や2株ではなく、100円分といった単位でも購入できるというわけなんですね。

佐藤氏:そういうことになります。こうした1株未満の少額の証券取引は海外では「フラクショナルストック」と呼ばれ、単元株の購入時は高額となりがちな株式に対して、少額で投資ができるため、幅広い利用者に普及しています。

−−どうして、そういった取引ができるのでしょうか? ほかの証券会社でもできそうなものですが……。

佐藤氏:各証券会社ごとにいろいろな事情があるので、何とも言えませんが、PayPay証券は内製でシステムを構築しているので、柔軟な販売方法に対応できるというのが特徴のひとつです。

−−少し話は脱線しますが、そういった証券取引などのサービスを提供するうえで、システム構築は重要な鍵だったりするのでしょうか?

佐藤氏:そうですね。証券サービスを提供していくうえで、どういうシステムを構築するのかはとても重要です。パッケージ化されたシステムをベースにサービスが構築されてしまうと、柔軟な販売方法やサービスを提供しにくくなってしまうというのが背景にあります。

−−そういったシステムの違いは、ここ数年、各携帯電話会社が取り組んできた「仮想化ネットワーク」の話に通じるところがありますね。専用システムで運用していたものを徐々に汎用的なサーバーでソフトウエアとして実装していく流れがありました。

佐藤氏:そうですね。専用パッケージとオープンなシステムではだいぶ違うと思います。それぞれの業界に違いはあるでしょうけれど、パッケージ化されたシステムを採用していると、どうしても各社とも内容が横並びになってしまい、提供するサービスで差別化を図りにくくなってしまいます。

−−今回のSpace XやPayPayが米国市場で株式を公開した際、どうして日本の個人投資家がすぐに購入できたのでしょうか? これもシステムの関係ですか?

佐藤氏:IPO(株式公開)については、少し事情が異なります。IPOは国内市場も同じですが、公募価格(公開価格)で購入できる証券会社が限られています。今回のSpace Xで言えば、ネット証券2社と対面証券1社が公開前にIPOの応募を受け付けて、抽選で当選した方が購入できました。一方、PayPay証券は今回、IPOの募集への参加はなかったので、Space Xが上場してから100円での販売をはじめたということになります。

−−これまではそういったしくみで、米国市場でのIPO直後の株式を購入できなかったですよね?

佐藤氏:いいえ、実は今回のSpace XのIPO前に、PayPayが今年3月、米国市場に上場する際に、オンラインではPayPay証券が国内では唯一、個人投資家のみなさんを対象にIPO株式を販売しました。当時は1万円からの金額指定で販売しました。今回のSpace XのIPOについては、PayPay証券では、上場直後からほかの米国株と同様に100円から金額指定で購入いただけるよう取り扱いを開始しました。

−−ところで、100円での取引をした場合、手数料や配当、株主優待、売却益の扱いはどうなっているのでしょうか?

佐藤氏:1株で購入した場合と単元株の100株で購入した場合、あるいは100円などの金額指定で買った場合ですが、手数料や配当、株主優待、売却益の扱いについて、基本的な構造は同じです。まず、手数料に関しては各証券会社が値決めをしているので、例えば、日本株の取引の手数料を0円に設定されていて、米国株の取引は約定代金の約0.5%の手数料がかかる証券会社もあります。これに対し、PayPay証券の金額指定取引で言うと、日本株は東証の取引時間内で0.5%、米国株も米国市場の取引時間内で0.5%、それ以外の時間帯は0.7%で手数料をいただいています。(各社、諸条件により変動)

それから配当については、他社は単元株を持っていれば、それに応じた配当が得られます。当社も同様で、金額指定で購入した銘柄が0.05株であれば、0.05株分の配当をちゃんと受け取ることができます。たとえば、Apple株を1000円分買っていれば、配当が出る月に数円とか、保有分に応じた配当が入ります。

株主優待も基本的には同じですけど、100株などの単元株で株主優待が付与される場合は、お客さまが100株分の金額を買っていれば、ちゃんと受け取れるしくみになっています。

売却益についても基本的には同じですね。たとえば、他社の株取引で1万円の株を1株買って、売却する時に1万5000円になれば、5000円分の売却益が得られます。PayPay証券の少額の取引も同じで、100円分の株式を買って、150円で売却すれば、50円分の利益が得られます。そこの考え方は変わりません。

PayPay証券はどんな人が使っているの?

−−こうしたPayPay証券の手軽な取引のしくみは、どういった人が利用されているのでしょうか? おそらく金融にはあまりなじみのない方や若い世代の方が利用されているのではないかと見ているのですが……。

佐藤氏:そうですね。やはり、メインは投資初心者や若い方がたくさん使っていただいているというのはありますね。ただし、50代や60代といった年代の方、頻繁に取引をされている方も多くいらっしゃいます。

当社の場合、ユーザーの割合として、20~50代の働く世代の方が9割を占めているのが実状です。

こうした状況は他のネット証券や金融各社と少し違うところだと思います。そういったユーザーの方々に、100円からの少額ではじめられるという点を魅力的に受け入れていただけているのかなと思っています。

−−そういった若い世代の方々はどういった取引をされているのでしょうか?

佐藤氏:若い世代、特に20代のお客さまの取引については、当社では、1回あたり1万円以下で取引をする方が6~7割を占めています。たとえば、ファーストリテイリングのような人気銘柄の場合、1株を買うにしても何万円もかかりますし、株式にはそういう銘柄が数多くあります。そういう中、当社なら数千円~1万円程度で、「まずは試しに取引をしてみようかな」と思っていただく若年層の方が多いようです。

−−投資初心者からも興味を持たれているということで、口座数も伸びていると思うのですが、実際にはどれくらいまで増えてきたのでしょうか?

佐藤氏:6月末現在での証券口座数が182万、NISA口座数が62万になります。

−−他社と比較して、NISAの口座数は多い方なんでしょうか?

佐藤氏:おそらくPayPay証券は業界で3番手に迫る勢いだとみています。当社の場合、2024年1月の新NISA開始から、NISA口座での取引を提供しているので、競合他社と比較すると猛烈なスピードで口座数を伸ばしています。

−−やはり、現役世代のユーザーが多いので、NISAの口座数も多いということなんでしょうね。

佐藤氏:当社の場合、これから投資をはじめられる方が7割以上を占めているので、口座を開設する際に、同時にNISA口座も開設するという方も多いんじゃないかと思います。

−−NISA口座の開設はスマートフォンのアプリ内で完結する感じなのでしょうか?

佐藤氏:そうですね。すべてスマートフォンのPayPayアプリで手続きが進められるようにしています。

−−実際に使ってみると、スムーズというか、ユーザーインターフェイスがわかりやすく作られている印象を持ちました。

佐藤氏:ありがとうございます。当社のサービスがスマートフォンのユーザーのために作られているので、そのあたりがご支持いただけているのだと見ています。元々、証券サービスではパソコンベースの取引ツールとして提供されていたものをスマートフォン向けにカスタマイズしているケースが多く、初心者のユーザーにとっては、それでも結構、難しく感じられてしまうのかもしれません。

もちろん昨今では初心者向けのユーザーインターフェイスを意識した取引サービスやツールが多く出てきていますが、PayPay証券はPayPayユーザーのみなさまが決済の延長線上で資産運用をすることを想定したサービスなので、迷わずに操作できるように作り込んでいます。PayPayアプリひとつで操作できるのは、当社の強みだと思っています。

−−なるほど。確かに、他社さんは2000年代のネット証券からスタートされているケースが多く、「パソコンで高速取引!」みたいな訴求が多いイメージですけれど、スマートフォン向けのアプリを見てみると、ちょっと初心者には難しい感じもしますよね。

佐藤氏:佐藤氏:出発点の違いがありますよね。ネット証券をお使いのお客さまは、元々、投資の知識をお持ちの方も一定数いらっしゃいますし、なかにはかなりの頻度で取引をされる方もいらっしゃいますので、そういうハードユースに合った画面構成だったり、高速取引のサービスをスマートフォン向けのアプリに落とし込んでいくようなケースも多いかと思います。

一方で我々の場合、まず、PayPayというサービスがあって、それを使うためのアプリが非常に簡単に操作できるように作られています。そのアプリ内で証券サービスを使った場合でも、いかに違和感がなく、お使いいただけるかという発想からスタートしていますので、デザインやユーザーインターフェイスなどの違いに表われているんだと思います。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年7月16日(木) 発売

DIME最新号は、世界の模型・プラモデルメーカーを大解剖する「ボクラのタミヤ」特集!『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』こしたてつひろ先生インタビュー&描き下ろしピンナップ、特別付録にはスチールギアケースも!さらに2026年上半期トレンド特集では、「売れる」より「育てる」をキーワードに、ファンを育てる新時代のヒット戦略を徹底分析!話題のモナキ独占インタビューも掲載した見逃せない一冊!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。