金銭と商品の流れにまつわる「販売管理」「在庫管理」「受発注管理」などの業務は、人手不足問題やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進課題が取りざたされる現代において、より重要性が高まっている。
一方で、企業活動を支えるバックオフィス担当者が、実際に日常業務をどのように行っていて、どのような課題感を抱えているのかは十分に可視化されていない。
そこでアイルは、販売・在庫管理など売上に関わるバックオフィス業務従事者587名を対象に「バックオフィス業務実態調査」を実施したので、詳細をお伝えしよう。
就業者の約6人に1人が、売上管理・在庫管理・発注管理などの「バックオフィス業務」を担う
全国の就業者4,404名を対象にスクリーニング調査を実施したところ、722名(16.4%)が売上管理・在庫管理・発注管理などの「バックオフィス業務」に従事していると回答。
企業のフロント部門を支える存在として認識されることが多いバックオフィスだが、今回の調査から、就業者のおよそ6人に1人がバックオフィス業務を担っていることが明らかになった。
バックオフィス業務について、「データ入力(38.5%)」が最も多く、次いで「営業事務(33.6%)」「在庫管理(32.2%)」「売上管理(30.3%)」「請求管理(30.2%)」「受発注管理(28.8%)」という結果に。
また、78.7%が複数業務を兼務していることが明らかになった。データ入力にとどまらず、受発注や在庫管理、売上管理、請求管理など、企業活動を支える幅広い業務を一人で担う担当者が多く、バックオフィス担当者は複数の役割を担いながら企業活動を支える存在であることが判明。
バックオフィス担当人数では、「11名以上」が26.1%で最も多く、「2~3名(20.1%)」「6~10名(15.5%)」「4~5名(15.0%)」が続いた。一方、「1名で担当している」と回答した人も6.8%となった。
企業規模によって体制は異なるものの、少人数で企業活動を支えるケースも少なくなく、一人あたりが担う業務範囲は広いことが想定される。
日常業務の8割以上が社内対応であると回答した人は半数以上。日常で一番多い作業は電話やメール。紙やFAXも依然として多く利用
自身の業務の中で社内対応が10割と答えた人は18.4%、次いで9割が17.7%、8割が16.5%となり、半数以上の52.6%の人が業務時間の8割以上を社内対応に充てていることが分かった。
日常的な業務のなかでは、「電話・メール対応(58.9%)」「書類作成(50.1%)」「Officeソフトへのデータ入力(47.4%)」が上位に。
一日で最も時間をつかう業務は、「専用システムへのデータ入力(16.2%)」「Officeソフトへのデータ入力(13.8%)」「Excel・CSV加工(12.1%)」と、データ入力・データ加工業務が中心となっていることが判明。
また、利用ツールでは「メール(61.3%)」「表計算ソフト(60.5%)」に加え、「紙(48.0%)」「FAX(35.4%)」も依然として多く利用されていた。
業務が集中するタイミングでは、「月末・月初(48.9%)」が最も多く、「繁忙期(39.7%)」「決算期(36.6%)」「棚卸時(24.9%)」が続いた。
また、70.2%が「業務量の波は大きい」と回答しており、バックオフィス業務は特定の時期に業務が集中しやすいことが明らかに。
87.2%が属人化を実感。担当者不在時には「顧客対応の遅延」「データの保管場所が分からない」「在庫状況が分からない」などの影響が
「特定の担当者しか分からない業務がある」と回答した人は87.2%となった。また、59.4%が「現在担当している業務の引き継ぎは難しい」と回答しており、バックオフィス業務の属人化が進んでいることが分かる。
担当者が不在になった場合には、「顧客対応の遅延(33.6%)」「データの保管場所が分からない(29.8%)」「在庫状況が分からない(27.9%)」などの影響が出るという回答があった。
さらに、75.0%が「バックオフィス業務が停止すると企業活動に影響がある」と回答しており、バックオフィス業務が企業活動を支える重要な基盤であることが明らかに。
バックオフィス業務は「売上を支える仕事」だと思うか聞いたところ、86.0%が「思う」と回答。
また、業務のやりがいでは、「ミスなく回せた時(40.0%)」が最も多く、次いで「感謝された時(30.3%)」「現場に頼られること(28.4%)」「業務改善できた時(27.4%)」「売上を止めないこと(26.1%)」が続いた。
多くのバックオフィス担当者が、企業活動を支える重要な役割に責任とやりがいを感じながら業務に取り組んでいることが分かる。
株式会社アイル システムソリューション事業部 部長 坂東哲也氏のコメント
販売・在庫管理など売上に関わるバックオフィス業務は、企業を下支えする裏方の印象を持たれがちです。
しかし、「約6人に1人」が何かしらのバックオフィス業務に従事し、さらにその「約8割」が複数業務を兼務していることから、働く多くの方が表からは見えにくい多数の業務で経営を支えていることが分かります。
そのため経営層にとっても、現場のリアルを知るために注目すべき調査結果なのではないでしょうか。
また、バックオフィス業務に従事する方は9割に上る勢いで、「属人化」に悩まれており、経営に重要な情報や管理体制がブラックボックス化されていることが分かります。
負荷の集中や習熟度による業務レベルの差を生み、組織全体の停滞につながりかねないことは理解しながらも、常態化している業務フローに社内のみでメスを入れるのは容易ではないという葛藤もうかがえます。
客観的に現状の課題を判断できるコンサルタントやシステムベンダーに相談することで、その一歩が開けることもあるかと思います。
最後に、課題は実感しながらも86%もの方が「売上を支える仕事」と誇りをもって取り組まれているという結果に、希望を感じます。
表からは見えにくくとも会社のために奮闘するバックオフィスの方々の思いが、経営層や組織全体に伝搬することで、目先のコスト以上に業務改革の価値が伝わり、1人ひとりの可能性をより広げる業務の形を目指せるのではないでしょうか。
調査概要
調査名:バックオフィス業務実態調査
調査方法:インターネット調査
本調査対象:下記業務の担当587名
調査期間:2026年6月
対象業務(複数回答可):売上管理・在庫管理・受発注管理・出荷管理・納期管理・請求管理・仕入管理・営業事務・商品管理・店舗運営管理・EC運営・マスタ管理・データ入力・伝票処理
関連情報
https://www.ill.co.jp/info/260818/
構成/Ara




DIME MAGAZINE























