CONTENTS
台風の接近が報じられても、「自分は大丈夫」「まだ避難するほどではない」と判断を先延ばしにしてしまった経験はないでしょうか。危険が迫っている場面で適切な対応をとるためには、無意識に危険を軽視してしまう心理的なメカニズムを知り、あらかじめ行動をルール化しておくことが重要です。
本記事では、避難や備えを遅らせる心理的要因を整理し、いざというときに迷わず最善の行動を選択するための防災思考と準備のポイントを解説します。
「まだ大丈夫」という思い込みの正体とは
台風の進路や警戒情報が発表されていても、心のどこかで危機感を薄めようとする働きが存在します。危機が迫った場面で避難を遅らせる要因となる、心の動き、判断を先延ばしにすることで生じる危険性について見ていきます。
■冷静さを保とうとする心の働きにより、危険を軽視してしまう
台風の接近が報じられ、自治体から避難の呼びかけが出されているにもかかわらず、目の前に迫る脅威を日常の延長線上として捉え、差し迫った問題はないと思い込もうとする傾向があります。
こうした心の働きは、決して単なる怠慢や油断ではなく、予期せぬ事態に直面した際に心がパニックに陥るのを防ぎ、冷静さを保つために備わっている自己防衛機能の1つなのです。心理学ではこの心の機能を「正常性バイアス」と呼び、心の平静を守るという意味では悪いものではありません。
しかし、台風のような自然災害においては、この心の働きが裏目に出てしまい、避難行動や事前準備の遅れに直結します。
■「みんなも避難していないから」と周囲に同調してしまう
周囲の行動も判断に大きな影響を与えます。近隣の住民や周囲の人が避難していない様子を見ると、「みんなも動いていないからまだ安全だ」と感じ、周囲の人の行動に合わせて自分の判断を妥当だと認識しようとする「同調バイアス」が生じます。
この「同調バイアス」は災害時に限らず、日常のさまざまな場面で見られます。例えば、横断歩道で赤信号にもかかわらず誰かが渡り始めるとつられて渡ってしまったり、会議で本当は反対の意見を持っているのに周囲が賛成多数だと異論を唱えにくくなったりするケースです。周囲と同じ行動をとることで「間違いではない」「浮かないで済む」と安心感を得ようとする働きが、この心理の根底にあります。
先ほどの「正常性バイアス」と「同調バイアス」の2つの心理が重なることで、根拠のない安心感を得てしまい、避難の決断をさらに遅らせる要因となります。
迷わず動くための防災思考と準備のポイント
いざというときに躊躇なく避難や対策を実行できるよう、客観的な基準をもとに行動を仕組み化し、迷いを減らすための考え方を整理します。
1.客観的な数値や指標と連動した計画を決めておく
個人の直感や「まだ平気だろう」という感覚に頼るのではなく、自治体が出す警戒レベルや河川の水位といった明確な情報をもとに、避難開始のタイミングをあらかじめ決めておくことが重要です。
例えば、「警戒レベル3で高齢者や避難に時間がかかる人が移動を始める」「警戒レベル4で全員避難を完了する」といったように、自分自身の避難計画を事前に立てておきます。あわせて、指定避難所だけでなく、安全な親族の家や頑丈な建物の高層階など、複数の避難先を設定しておくことで、直前の迷いや判断の遅れを防ぐことができます。
2.準備を日常化し、迷いを減らす
非常持出袋の準備や備蓄品の点検は、大がかりで特別な作業と捉えるのではなく、日常の習慣に組み込んでおくことが大切です。普段から準備を習慣化しておくと、いざというときにも「準備が面倒」「何から手をつければいいかわからない」といった心理的な負担を感じにくくなります。
また、災害が発生してから家族の安否確認や集合場所を考え始めると、焦りや不安から正常な思考が難しくなってしまう可能性があります。そうならないためにも、事前に連絡方法や待ち合わせのルールを決めておいてください。こうした備えをしておくことで、非常時にもパニックを防ぎ、迷わずスムーズな行動へつなげることができます。
「自分は大丈夫」は思い込みにすぎない
自然災害が迫った際、避難や準備の遅れを引き起こす背景には、「自分は大丈夫」という思い込みや、「周りの人も動いていないから大丈夫」と感じる意識が存在します。これらは特別なものではなく、誰もが日常的に抱く感覚です。
だからこそ、災害時には自分の直感や周囲の様子に頼るのではなく、明確な情報をもとに行動基準をあらかじめ決めておくことが欠かせません。
「自分は大丈夫」という思い込みが働くことを意識したうえで事前の備えを進め、万が一の事態にも落ち着いて行動できるようにしておきましょう。
文・構成/藤野綾子
「私は大丈夫」が一番危ない!詐欺師が狙う心理的な盲点と思考の癖
デジタル社会において、巧妙化する詐欺が標的にしているのは、個人のITリテラシーの低さや知識の欠如ではありません。むしろ、自らの判断力に自信を持つ層ほど無意識に抱…
「タイパ」を追求するほど脳が壊れやすい!?1分1秒を惜しむビジネスパーソンのための〝あえて無駄を作る〟脳科学メソッド
ビジネスパーソンにとって、タイムパフォーマンス(以下タイパ)の追求は業務の生産性を上げる強力な武器になります。 しかし、1分1秒を惜しんでスケジュールを埋め尽く…
@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!
あわせて読みたい
-

ルイ・ヴィトンのショッピングバッグを想起させる人気作「ショッパー・トート」に新作が登場
-

知らないと損するお盆後半の渋滞回避術!Uターンラッシュ渋滞予測の正しい読み方
-

AIと精密温度制御を融合した台湾ブランドVIVANTのポータブル電動ワインチラー「Venus G2」
-

今さら聞けないマネー術のこと、PDFスペースで聞いてみよう。【PR】
-

ホンダの8車種がランクイン!バイクの「リセール・プライス」ランキングTOP10
-

乳児の言語学習に「アイコンタクト」が重要とされる理由
-

【図解付き】GoogleスプレッドシートでIMPORTXML関数の使い方を徹底解説!Webサイトの情報を自動取得するには?
-

患者のイライラが〝医療の質〟を下げる?いま救急医が疲弊している理由
-

猛暑はお腹の赤ちゃんにも影響する?覚えておきたい妊娠期の高温環境と脳発達の関連性
-

店頭在庫もあとわずか!DIME最新号は親子で楽しめる「タミヤ」の大特集、豪華付録「レッツ&ゴー!!」のスチールギアケース付き!!




DIME MAGAZINE
















