メルカリは「メルカリ」の越境取引データ、および業務提携している駿河屋の一部データをもとに、日本から世界へと広がっているポップカルチャーに関連する商品の取引傾向をまとめた「メルカリ ポップカルチャー越境トレンドレポート 2026」を公開した。
ポップカルチャーに特化したトレンドレポートの発表は、同社初の試みとなる。
本稿では同社発表リリースをベースに、その概要をお伝えする。
レポート発表の経緯と背景
メルカリは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」という創業時のミッションの実現に向けて、グローバル展開を推進。
事業開始から7年目を迎えた2026年6月期の越境事業の流通総額(GMV)は1122億円となり、過去4年で約19倍と大幅に伸長した。これは「メルカリ」全体のGMVの約9%を占めるまでに拡大したことになり(※6)、海外ユーザーの潜在的な購買ニーズを掘り起こしている。
特に、日本が世界に誇るアニメやゲームなどのポップカルチャー は、越境取引事業の開始当初から最も人気の高いカテゴリ-だ。世界的な注目の高さに加え、日本の「モノを大切にする文化」による状態の良いリユース品が豊富に揃う「メルカリ」との相性が非常に良く、現在では「メルカリ」の越境取引件数の過半数(56.9%)を占めるまでに成長している(※7)。

こうした背景を受け、単なる「売れ筋ランキング」にとどまらず、メルカリを通じてどのようなポップカルチャーが世界で受け入れられているのかを分析した「メルカリ ポップカルチャー越境トレンドレポート 2026」 の公開に至った。
メルカリ初となる本レポートでは、多様なポップカルチャーを起点に「どの国で」「どの作品やアーティストの」「何が」求められているのか、世界の需要を分析している。なお、本レポートには、メルカリのデータに加え、資本業務提携(※8)を行っている駿河屋のデータも一部活用されている。
※6:株式会社メルカリ 2026年6月期決算説明資料
https://pdf.irpocket.com/C4385/xoA3/ieAo/Ip3B/oYI9.pdf
※7:2025年6月1日〜2026年5月31日
※8:メルカリ、駿河屋と資本業務提携契約を締結(2025年12月)
https://about.mercari.com/press/news/articles/20251217_surugaya/
越境取引コンテンツ:取引件数ランキング
「メルカリ」における越境取引のコンテンツ別の取引件数について、「ゲーム・おもちゃ・グッズ」と「トレーディングカード」の2カテゴリーの取引件数を調査したところ、以下の結果となった。
■「ゲーム・おもちゃ・グッズ」カテゴリーの取引件数ランキング 1位は「鬼滅の刃」

「ゲーム・おもちゃ・グッズ」カテゴリー(※9)では、「鬼滅の刃」が首位を獲得。また、「呪術廻戦」や「ワンピース」など、「週刊少年ジャンプ」関連作品がトップ10の中に5作品ランクインしており、世界的な需要の高さと影響力の大きさが推察できる。
※9:「ゲーム・おもちゃ・グッズ」カテゴリーでは、「トレーディングカード」を除外して集計している。なお、トレーディングカードのランキングについては次項にて紹介している。
さらに、アニメやコミック作品に限らず、「サンリオ」や「プロジェクトセカイ(プロセカ)」といった幅広いジャンルのコンテンツが上位に入っているのも特徴だ。
各コンテンツで実際に取引されているグッズの傾向を見ると、主に缶バッジ、フィギュア、アクリルスタンド(アクスタ)、ぬいぐるみなどが多く求められており、それぞれの作品特性に応じたグッズがグローバルで活発に取引されていることがわかった。
■「トレーディングカード」カテゴリーの取引件数ランキング圧倒的首位は「ポケットモンスター」

トレーディングカードでは、「ポケットモンスター」が2位に5倍近い取引件数差をつけて、圧倒的な首位となった。
上位には「ONE PIECE」や「遊戯王」などの日本の人気作品と並び、2位の「Stray Kids」や4位の「SEVENTEEN」をはじめとするK-POPアーティストが5組ランクインしており、タレントのフォトカード等もグローバルで活発に取引されているようだ。
対戦・コレクション双方の需要があるトレーディングカードゲームと、推し活におけるファンアイテムとしてのフォトカードという、性質の異なる2大需要が市場で共存していることが考えられる。
No.1 コンテンツ グローバルマップ
■アメリカ・香港・フランスでは「ポケモン」、台湾では「ベイブレード」が1位に

「No.1 コンテンツ グローバルマップ」は、「メルカリ」における国・地域別の越境取引データを分析してまとめたもの。エリアによって人気の傾向が大きく異なることが明らかになった。
例えば「アメリカ」「香港」「フランス」では「ポケットモンスター」が1位、「台湾」では「ベイブレード」、「中国」では「鬼滅の刃」、「韓国」では「サンリオ」が1位を獲得しており、それぞれの国・地域で独自の需要が形成されている。
なぜ、そこで売れるのか?不思議な人気コンテンツ
世界的に需要の高い定番のコンテンツにとどまらず、一部の国や地域において、特定のコンテンツが爆発的なブームを巻き起こす現象も起きている。台湾のランキングにおいて、「ポケットモンスター」や「鬼滅の刃」を抑えて堂々の1位に浮上した「ベイブレード」もその一つだ。
実際に「メルカリ」の越境取引動向を詳しくみると、各地域で現地の文化やコミュニティを背景とした独自の需要が形成されていることがわかる。各地域における特徴的な動向として、次のような事例が挙げられる。
■台湾:大人が熱狂する「ベイブレード」
台湾では「親戚の子どもに勝つために、予算無制限で強いベイブレードを教えてほしい」という大人のSNS投稿がミーム化して拡散され、124万ビューを超える話題となった。
このSNSでの盛り上がりをきっかけに25〜35歳の「昔遊んだ世代」を巻き込んだブームに発展している。さらに現地で正規品の品薄状態が続いたことで「メルカリ」へ需要が殺到。直近5か月間で台湾からの越境取引件数が約44倍に急増した。
※ベイブレードの台湾からの購入については、台湾税関の定める輸入規定に準じる。
■北米:格闘ゲームファンが指名買いする「日本のレトロゲーム」
北米では、日本のレトロゲームの希少品が指名買いされている。特に「NEOGEO」のソフトは取引の半数近く(46.3%)が越境取引だ。また、「サムライスピリッツ」や「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」といったSNKの格闘ゲームは、世界の格闘ゲームコミュニティ(FGC)からの強い需要に支えられ、海外比率が52.3%に達している。
■香港:文化的資産として高値で取引される「週刊少年ジャンプ」
香港では、当時の漫画雑誌が「文化的資産としての価値」を持ち、高値で取引されている。実際に「週刊少年ジャンプ 1984年51号(ドラゴンボール初掲載号)」を約199万円で購入する事例が発生しており、この1件だけでその日の香港における越境流通額の13%を占めるほどの規模となった。
2026年にグローバルでキテるコンテンツ:上半期ランキング

2025年下半期対比における2026年上半期(※10)の各コンテンツの越境取引件数の伸び率を見ると、台湾の「No.1 コンテンツ」にも輝いた 「ベイブレード」が首位で、+342.5%(前年同期の約4.4倍)という爆発的な成長を記録した。
※10:2025年下半期(2025年7月1日〜2025年12月31日)と2026年上半期(2026年1月1日〜2026年6月30日)の数値を比較。
「BEYBLADE X」シリーズ初の世界大会「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」が2025年10月に東京で開催されたことに加え、2026年5月には没入型プラットフォーム「Roblox」上でバーチャル世界大会が開催され、同年12月にもタイ・バンコクで国際規模のリアル大会が予定されるなど、世界的な大会の盛り上がりが需要拡大を力強く牽引したものとみられる。
続く2位の「僕のヒーローアカデミア(+102.6%)」は、アニメシリーズの完結や特別エピソードの放送などが需要拡大の要因になったと考えられる。
3位の「呪術廻戦(+89.7%)」は、劇場版の特別上映や新章となるテレビアニメの放送などが、グローバルでの熱狂を再燃させたのだろう。
このように、アニメや漫画作品の新たな展開に加え、世界規模での大会開催などファンを巻き込むグローバルな熱狂が、そのまま越境需要の急伸につながっているようだ。
「Used in Japan」が海外ファンを惹きつける理由
海外の購入者が日本のポップカルチャー関連商品を購入する主な動機として、以下の3点が挙げられる。
■希少性・限定品へのアクセス
日本限定品や先行発売品へのアクセスは、越境購買の最大の動機だ。人気トレーディングカードの新作がいち早く入手できる点や、日本限定仕様の存在が海外ファンを惹きつける大きな要因となっている。
実際の購入者からも「日本から買うなら、ここでしか手に入らない希少なものが欲しい(米国)」「超レアなものを見つけたら100点満点!すごく興奮する(台湾)」といった声が寄せられており、「希少な商品を発掘する体験」そのものが価値となっていることが考えられる。
■品質・正規品への信頼
日本版のトレーディングカード等は、印刷やホログラムの美しさ、生産エラーの少なさといった品質面で世界的に高く評価されている。
また、「特定のレアリティが確定で封入されている商品パッケージが多い」といった日本の商品特有の仕様も、海外版に比べて安心感があると認知され、信頼に繋がっている。
■価格優位性
近年の円安傾向や日本国内の定価設定により、国際送料を含めても各国の二次流通市場や小売店で購入するより安く手に入るケースが多く存在する。
香港の購入者からも「現地の市場より選択肢が多く、予想以上に安かった」「送料単体ではなく、常にトータル価格で判断している」といった声が挙がっており、トータルコストの観点から日本からの直接購入が選ばれている。

レポート概要
名称/メルカリ ポップカルチャー越境トレンドレポート 2026
対象期間/2025年6月1日〜2026年5月31日
対象地域/「メルカリ」で越境取引が行われた海外の国・地域(台湾、香港、米国、フランス、英国、韓国、中国 他)
条件/「メルカリ」の越境取引(自社プラットフォームおよび購入代行サービス経由の完了取引)および一部駿河屋のデータの集計・分析
関連情報
https://about.mercari.com/
構成/清水眞希
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