Appleは、日本では各種製品が値上げされた影響も懸念されるが、グローバルに目を向ければ好調を維持している。グローバル市場調査会社のカウンターポイントリサーチは、Appleがスマートフォン、PC、タブレット、スマートウォッチの各セグメントで前年⽐の市場シェアを拡⼤する⾒通しという調査に基づく予測を含む「Apple 360 Service」最新調査を発表した。
Appleエコシステムの成功がシェア拡大に影響
■Appleの製品セグメント別グローバル出荷シェア
「Apple 360 Service」によれば、Appleはスマートフォン、PC、タブレットで過去最⾼の市場シェアを記録するとみられる。メモリ価格の急騰で多くのOEMが苦戦している状況で、Appleは逆⾵を乗り切るうえで有利なポジションにある数少ないOEMの⼀社になっているという。このトレンドに関してカウンターポイントリサーチのリサーチディレクターのTarun Pathak氏は次のようにコメントしている。「今年は、業界におけるAppleの独⾃の底堅さを⽰す年となります。複数セグメントで市場シェアが拡⼤することは、同社のエコシステムの強さに複合的な効果をもたらすことも意味します。Appleは依然として各カテゴリーで新規ユーザーを獲得しており、競合他社にとってAppleユーザーを⾃社のOSへ乗り換えさせることはますます難しくなることでしょう」
Appleの『iPhone』出荷台数は2026年に横ばいを維持する⾒込みだが、ほかの主要OEMの多くは二桁減となる⾒通しだ。そのためOEM各社は利益率維持のために値上げせざるを得ない状況だが、Appleは現時点でグローバルの『iPhone』の価格を引き上げていない。『iPhone 18 Pro』シリーズは『iPhone 17 Pro』シリーズを上回る販売実績を上げると予想されており、2026年には『iPhone 18』が投⼊されないため、『iPhone 17』モデルが好調を維持する可能性が⾼いという。これらの要因からAppleは、2026年にスマートフォン市場で過去最⾼となる約25%のシェアを獲得する見込みだという。
タブレット、ノートPC、スマートウォッチも好調を維持
2026年のタブレット市場は、在庫調整とメモリ不⾜の影響で縮⼩する⾒込みだが、Appleは『iPad』ポートフォリオ全体で進む買い替えサイクルと新興市場からの継続的な需要で成⻑予想だという。2025年後半にM5搭載の『iPad Pro』を投⼊して2026年前半は『iPad Air』を刷新したが、2026年後半は新しいベースモデルの『iPad』と『iPad mini』の投⼊でラインアップを強化すると予想されている。幅広い刷新サイクルで複数の価格帯で消費者の関⼼を維持できれば、タブレット市場全体にある需要圧⼒に耐えることも可能で、市場シェアの拡⼤も可能だろう。
ノートPCセグメントは、『MacBook Neo』の発売が成長のカギになりそうだ。2026年のAppleのMac出荷台数は前年⽐23%増だったが、ノートPC市場全体は11%減の⾒込みだ。そんな中でAppleは2026年のノートPCセグメントでもっとも⼤きく市場シェアを拡⼤する⾒通しだという。『iPad』と『Mac』のシェアは、2026年に過去最⾼になる見込みだ。
スマートウォッチは、メモリ危機の影響を⽐較的受けにくく、2026年は1%成⻑が⾒込まれており、Appleは『SE3』と『Watch Ultra3』の通年販売効果で、市場全体を上回る成⻑⾒通しだ。2025年は、Appleにとって2022年以来初となる包括的な製品ポートフォリオ刷新の年といえそうだ。
Appleの低価格化とAIが今後のカギ
Appleエコシステムへの⼊⼝が低価格化していることも注目だ。Appleはすでに⼿頃な価格の『iPhone』である『iPhone (e)』、『Apple Watch(SE 3)』、『MacBook Neo』など低価格帯の選択肢を導⼊しており、幅広い消費者層が⾃社製品にアクセスできることを⽬指していることが推察できる。将来的には各製品カテゴリーで、プレミアムモデルへの買い替えサイクルにもつながりそうだ。さらにAppleは『WWDC 2026』で「Apple Intelligence」を活⽤した「Siri AI」に関するユースケースを披露した。「Apple Intelligence」の役割に関しては、カウンターポイントリサーチのプリンシパルアナリストのVarun Mishra氏は「Appleは、地球上でもっとも利⽤されているデバイス群を通じてユーザー接点を持つという、もっとも重要な鍵を握っています。パーソナライズされた「Apple Intelligence」を実現できれば、それはAppleにとって強⼒なエコシステム上の差別化要因となり、複数デバイスにまたがる新たな買い替えサイクルを⽣み出すことでしょう」とコメントしている。手頃な価格のモデルを入り口に、AI領域でAppleエコシステムを進化させることができれば、エコシステム全体の強⼒な囲い込み要因になり、より高度な機能を求める人のプレミアムモデルへの買い替えにも効果を生みそうだ。
https://japan.counterpointresearch.com/coverage/smartphone-tracker-forecast-report/
構成/KUMU




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