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玉川徹さんが体験!江戸時代に没入できる〝大人のテーマパーク〟太秦映画村の新しい魅力

2026.08.23

2026年3月、第1期の大規模リニューアルを済ませてオープンした、東映の太秦映画村。

「江戸時代の京都に没入する」をコンセプトに、大人のテーマパークとして変身した様子を、高橋剣さんの案内で玉川徹さんが体験取材を行なった。

高橋 剣さん

東映太秦映画村 高橋 剣さん
1964年生まれ。大学在学中は年間400本以上の映画を観賞。1987年から東映京都撮影所に勤務。京都ヒストリカ国際映画祭実行委員会のプログラム・ディレクターとしても活躍中。

大人向けの施設としてリニューアル!
太秦映画村の新しいビジネスモデルを取材

玉川 前回はオープンセットをリニューアルした撮影所や、そこで撮影されている時代劇についての話を聞きました。今回は、今年3月に新しくなった太秦映画村について伺います。最初にリニューアルのコンセプトから教えてください。

高橋 ひと言で言えば〝江戸時代の京都に没入してもらうこと〟。江戸時代の侍がいる村内を着物姿で散策し、お店で休憩しながら焼き鳥を食べていたら、チャンバラや人探しの芝居が突然始まる……といった体験ができるようにしました。

玉川 興味深いですね。僕がレギュラーを務める情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』の祝日企画「江戸の〝名残〟」では、江戸時代の寿司を寿司職人に再現してもらったことがあります。そのような〝食べ物の没入感〟は味わえますか?

高橋 残念ながら食については、あくまでも今風です(苦笑)。以前には、江戸時代に流行ったと言われる「金ぷら」(卵黄と小麦粉で揚げる天ぷら)を、太秦映画村で振る舞っていました。

玉川 それこそ〝没入感〟じゃないですか。僕としては『鬼平犯科帳』で主人公の長谷川平蔵が食べていた「しゃも鍋」を、ぜひ味わってみたいですね。今回のリニューアルでは、R-18指定の大人向けアトラクションが登場したそうですね。

高橋 はい。「丁半博打」では、時代劇に出演している俳優さんが賭場を仕切り、参加者はお金代わりの木札を賭けます。また「大人しか入れない拷問部屋」は、同じく俳優さんの拷問劇と、観覧者がそれに参加する寸劇を披露します。

玉川 ホームページの写真では、来場者の膝上に重そうな拷問の石が乗っていて、とても痛そうに見えますが……。

高橋 撮影所の美術スタッフが再現した軽い発泡スチロール製なので大丈夫です。観覧者は自分が拷問されている姿を、奉行や与力、罪人と一緒に撮影ができるようになっています。俳優さんは観覧者と対話しながら寸劇を進めるため、役者としての実力も試されるわけです。

まるで本物の石!小物の作りこみが見事

太秦

お金を賭けなくても十分楽しい!

太秦
太秦

「大人しか入れない拷問部屋」と「丁半博打」を体験した玉川さん。拷問の石抱きでは石の完成度に驚く。片肌脱ぎの壺振りと「張った張ったぁ」という威勢のいい声が江戸時代へ誘う賭博では、5回のうち4回勝つ引きの強さで会場を沸かせた。

大人向けアトラクションとして「遊郭」の施設もオープン予定

玉川 大人向けということなら、吉原のような遊郭を作ればいいのにと思っちゃいますね。撮影用の着物や小道具が揃っていて、役者さんもいるわけですから。

高橋 さすがは玉川さん! 実は来春のリニューアル第2期の際に、遊郭を再現した施設をオープンしようとしているところなのです。過去にも同様の施設を建てたことはありましたが、それよりもパワーアップさせて、通り道の両側に〝顔見世〟の建物をつくり、通りの中央には桜の木が並んでいた〝江戸時代の遊郭〟を再現しようとしています。できれば時代劇の撮影でも使えるようにしたいのですが、撮影用のセットを前提にしてしまうと、法律上、お客様を建物の中に入れてサービスを提供することができません。建物を耐震設計とするためには〝基礎を打つ〟必要があります。けれどそうすると映画のセットとしては使いにくくなる。快適性のためにはエアコンも必須ですが、撮影のセットとして考えると室外機を含めて設置できないことになりますし。接客施設と撮影施設の両立をどうすればよいのか、とても悩みどころですね。

玉川 確かに。時代劇で室外機が映ったら幻滅ですね。ただし、せっかく遊郭を設けるのであれば、吉原を模した建物の中で花魁と過ごせるようにしたほうがいい。1時間10万円以上の料金設定でも、体験したい人はきっといるはず。貴重な日本文化をリアルに体験できる場として、海外からも注目されると思いますよ。

高橋 そのような高付加価値な路線は、今後、必要になるでしょうね。今回リニューアルした背景のひとつには、修学旅行生の減少があります。昔は駐車場に観光バスが300台以上も並びました。最近は、修学旅行の行き先が分散され、4~5名単位の学生さんがタクシーでいらっしゃる状態です。一方で、平日に来場される高齢者や外国人観光客が増えています。そうした方々に向けて、昼間だけの営業を夜間にまで拡大し、大人向けにお酒が飲めるお店も用意しました。

玉川 来場者が少なくてもひとり当たりの売り上げ単価を上げる〝薄利多売からの脱却〟ですね。ターゲットを修学旅行生から目も舌も肥えた大人へシフトさせるのは、実に大変なことだと思います。

高橋 今回の取材で玉川さんから「江戸の味」や「遊郭」など〝没入感を高めるアイデア〟をいただいたので、高付加価値路線の試みをお見せできるようにしたいと思います。今後も太秦映画村のリニューアルを楽しみにしていてください!

リニューアルした太秦映画村には
日本や京都の文化に触れられる様々な体験を用意

太秦映画村

京都の老舗・澤井醤油による本格醤油スイーツ店(上写真)の営業をはじめ、目の肥えた大人を満足させてくれる店舗やサービスが充実。村内を歩いているだけで物語を体験できる360度リアルタイムドラマ「花嫁道中 桜の宴」や、華道と茶道の体験コーナーは、外国人観光客にも大人気!

太秦映画村
太秦映画村

今月の取材で理解を深めたテーマパークのリニューアル時に
不可欠な課題と解決策に向き合う視点

□ 薄利多売から高付加価値路線へと必要に応じて舵を切る
□ 今まで営業していない時間帯が新しいビジネスチャンスに
□ 没入感の追求と快適性の整備を両立するのは難しい
□ 俳優さんの高い演技力で没入感は高まる

今回のまとめ

 これまで取材してきた事例と同様、太秦映画村も時代に合わせて変化していました。修学旅行生中心の〝薄利多売〟なビジネス路線から脱却し、可処分所得の高い大人と円安の影響で来日する外国人観光客へターゲットのシフトを始めています。太秦映画村の強みを生かし、いかにして江戸時代の世界観に没入してもらえるのか。「江戸へのリアルなタイムスリップ」体験が、重要なポイントとなるでしょう。そのためには、俳優さんの本気の演技などの細部が重要なのですが、そうした点は十分にクリアされているように感じます。高橋さんは難しいと言われましたが、トレードオフの関係にある没入感と快適さの両立に挑戦した江戸時代の遊郭を、ぜひ再現してほしいです。

来春にオープン予定の遊郭の施設が楽しみです

玉川徹さん

玉川徹さん
テレビ朝日系、朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーターとしておなじみ。パーソナリティーを務めるレギュラー番組『ラジオのタマカワ』(TOKYO FM / 毎週木曜日11:30 ~13:00)が大好評オンエア中!

取材・文/柿川鮎子 撮影/佐藤信次 編集/田尻健二郎

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