近年、非エンジニアでも手軽にAIアプリを開発できるツールが生まれている。例えば「Claude Code」だ。社員はもちろん、社長も手軽に扱い、AIアプリを自作するケースもある。
今回は、生産性をデザインする会社であるGOURICA(ゴウリカ)の岡本賢祐社長による、Claude Codeを用いたAIアプリ開発の体験談を紹介する。
非エンジニアでもAIアプリが作れる「Claude Code」とは?
「Claude Code」とは、大規模言語モデル(LLM)である「Claude」を用いてプログラミング開発できるツールだ。
非エンジニアでも「○○ができるコードを書いて」などと指示するだけでコードを自動生成してくれるほか、修正や解説、レビューなど幅広く開発を支援してくれる。
つまり、AIエンジニア不在の企業でも手軽にAIアプリを開発できるようになるのだ。
非エンジニア社長が「Claude Code」を使いこなすまで
コニカミノルタ社の社内ベンチャーから始まったゴウリカの岡本社長がnote上でアプリ開発の体験談を綴っている。

https://note.com/agile_tern7305/n/n2712cabeb361
きっかけは、「Claude Codeでアプリを作りはじめたら、フリーランスのエンジニアに頼まなくなった」との話を知人の経営者から聞いたことだという。
2026年5月から朝3時半に起きて1日6時間以上没頭するなど、「Claude Code」を本格的に使いはじめた。
「Claude Codeがあれば、プロトタイプから社内運用レベルまでなら、確かに社内にエンジニアは不要だな」と岡本氏。「組織の責任者の仕事が激変するのではないかと感じた」とも。
社長の立場から役立ったアプリ・役立たないアプリ
岡本氏がたったひとりで1か月かけて開発したAIアプリは、HR系4本、営業・マーケ系4本、プロジェクト管理2本、経理1本、全社共通1本、個人用1本の計13本。
この開発を通じて、社長の立場から〝効くアプリ〟〝効かないアプリ〟がわかったそうだ。
多忙な中間管理職を「無駄な報告資料作り」から解放する〝見える化アプリ〟3選
岡本氏が開発した13本のアプリの中から、特に30~40代のマネージャー層(中間管理職)の業務効率化に直結する「使えるアプリ」を3本ピックアップしてもらった。
現代のマネージャー層が置かれている過酷な環境と、アプリによる解決へのアプローチを次のように岡本氏は分析する。
「30~40代のマネージャー層の方々は、日々自分の実務(コア業務)をこなしながら、部下のモチベーションを保ち、現場の状況をまとめ、上層部からのさまざまな報告要望に応える、多忙な日々を送っていると思われます。
中でも一番、不満に感じやすいのが、『これ、前にも報告したのに』『前に出した資料をまた送ってきた』といった無駄な報告ではないでしょうか。
大事な会議のための念のための資料作りも課題に感じがち。細かいデータがあちこちに散らばっていて、それを集計・分析し、上層部が望む形の資料に仕上げる手間が本業を圧迫します。
だからこそ、情報をひとつにまとめ、部下も上司も同じ画面を見られる『見える化アプリ』が効くのではないでしょうか」
(1)業務管理アプリ(目標・週報・労働時間の一元化)
「目標、週報、労働時間、会議報告書を集約したアプリです。情報が一箇所に集まることで、報告のための報告がなくなるのが一番のメリット。
上司も部下も、同じアプリの中で、日々の情報をすべて確認できます。
中間管理職が抱える『まとめて報告し直す』作業がほぼ不要になり、上司は見たいときに自分で最新の状況を見られます。
部下にとっても、自分の目標や週報が上司とつながっている安心感があり、モチベーションの維持にも役立ちます。
また、目標を達成するための業務に時間を使っているかどうかも一目瞭然。週報を出したかどうかも履歴で見られるため業務の品質を平準化できます」
(2)マーケティング施策管理アプリ(部署間の情報共有と予算管理)
「マーケティング施策の管理アプリです。年間の施策カレンダー、施策ごとのMQL・SQLの獲得目標値、金額や予算を入力して、結果を入れると自動で分析。
今どういう状況か、目標に対しての結果がひと目でわかります。営業側の入力も簡単にしてあるので、現場の負担が少ないのもメリット。
マーケ部門と営業部門が同じ数字を見られるので、『あの施策どうなった?』という確認のたびに資料を作り直す必要がなくなります。マーケだけでなく広く予算管理にも使えます」
(3)中途採用支援アプリ(多岐にわたる関係者の進捗を一元管理)
「中途採用の支援アプリです。採用にまつわる情報を一元管理でき、予算、エージェントごとの結果、選考の進捗、面接の質問表(質問プール)、合否の入力まで、すべてアプリ内で完結します。
いろいろな部署の担当者に個別に連絡して回る必要がなくなります。
週ごとのアクションや進捗も自動で表示されるため、週報会のための資料をわざわざ作らずに済みます。採用は関係者が多い分、一元化の効果が特に大きい領域です」
ちなみに逆にあまり役立たなかったのは、「社長秘書アプリ」や「営業資料作成アプリ」など、個人業務の効率化を狙ったものだという。
「個人のこだわりや状況で最適解が変わり、手間の割に効果が薄いと感じています。効くのは個人の効率化よりも〝みんなで同じ情報を見る〟方向だと感じています」
Claude Codeのおすすめの活用法は?
では、企業がこれからClaude Codeを導入し、社内で有効に活用していくためには、どのようなアプローチがおすすめなのだろうか。岡本氏は、次のように結論づける。
「社内アプリを成功させる最大の肝は、どこまでも『入力のしやすさ』にこだわることです。何でもかんでもデータを蓄積しようとして入力項目を増やしすぎると、現場の入力も管理側の分析も途端に面倒になり、システムは確実に使われなくなって三日坊主で終わってしまう。
本当に今、経営やマネジメントの判断に必要な最小限の項目だけに絞り込むこと。これこそが、社内で使われ続ける生きたアプリの絶対条件だと思います」
Claude Codeを使って社内アプリを自作するなら、まずは自分の手が届く範囲の〝共有したい情報の見える化〟からスモールステップではじめるのが賢明だ。
現場がストレスなく入力できるインターフェースの簡潔さにこだわり、AI時代の爆速な組織変革を体感してみてはいかがだろうか。
取材・文/石原亜香利
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