野菜たっぷり、自然派、やさしい味わい、などなど、どちらかというとソフトな印象があるモスバーガーから、敢えての「肉肉肉」! しかもモス初採用となるブラックアンガス牛パティというのだから、『@DIME』読者にとって見逃すことの……、いや食べ逃すことのできないバーガーであること必定だ!
ステーキ級の豪州牛をパティに!
「今回素材として選んだのはイギリス・スコットランド原産のアバディーン・アンガス種を改良した小型の肉専用種で、「豪州アンガス協会」の認証を得た、本来であればステーキ用として提供される最高品質の肉になります」。
と、試食前から肉汁たっぷりなトークを繰り広げるのが、モスバーガー商品本部部長の大久保歌寿さん。そしてこの「ブラックアンガスバーガー」の、モスの中での位置づけは? というと、
「モスではユーザーのみなさんの気分やシチュエーションに合わせて最適な商品を選択できるよう、価格帯に幅をもたせる「価格グラデーション戦略」を進めています。グラデーションは、
(1)定番帯(通常価格):日常的に親しまれている定番の「モスバーガー」など。
(2)プレミアム帯(中高価格):「ちょっと今日は頑張ったから贅沢したい」という気分に寄り添う商品。
(3)超プレミアム帯(高価格):「最高に頑張った自分へのご褒美」として選ばれる、付加価値を極限まで高めた最高級の商品。
の3つに分かれますが、今回の「ブラックアンガスバーガー」は(3)の超プレミアム帯となります」とは、同プロモーション部部長の大楽泰督さん。そうか! 「ブラックアンガスバーガー」は、プレミアム価格帯だからこそ挑戦できた贅沢系バーガーなのだ。
「パティ肉へのこだわりという意味では、直近では「『モスの匠味(たくみ)』黒毛和牛のダブルチーズバーガー」(2025年11月発売)など取り組んできましたが、今回最大のトピックは、ブラックアンガス牛がモスにとって初採用であるということ。730円という価格も含め、いい意味でモスのイメージを覆すこのメニューがどう受け入れられるか、大きなチャレンジだと捉えています」。
アンガス牛というと本格バーガーの定番と言うべき存在だが、モスにとって初採用とはちょっと意外。昨今のバーガートレンドである「がっつり肉!」に対するモス流の返答と見ることもできるし、「シェイクシャック」、「バーガーキング」もガツガツ・ニクニク系で大いにファンたちを喜ばせている中ではなおさらだ。
モスはブラックアンガス牛をどう料理したのか?
肉の味、食感に次いで大切な要素がソースだ。「ブラックアンガスバーガー」では2種類のソースを採用。肉のシンプルさに好一対の存在として、ソースが複雑さや深みを演出している。
「ブラックアンガスバーガー」開発担当の上田洋輔さんは、
「パティの上には3種類のマスタードをブレンドした特別な「にんにくマスタードソース」を。下には、通常は生野菜にかける特製の「オーロラソース」を置きました。2種類のソースが融合することでお肉の旨味を引き立てつつ、モス自慢の生野菜も美味しく食べられる、上品かつインパクトのある仕上がりになったと思います」と、自信満々のご様子。
パティ素材として初めて扱うブラックアンガス牛の個性や、和牛との相違点を尋ねると、
「かなり違います。和牛は良質な脂質が多く含まれるため、脂の旨味をどうコントロールするかが開発の焦点になります。一方で、今回のブラックアンガス牛は脂が過剰に出ず、赤身そのものの強烈な旨味としっかりとした肉質が特徴になってきます」。
肉の“練り時間”にこだわる
赤身の旨味を活かすのは当然だが、牛100%ということになると、パティとして成形しづらい部分もあるのでは?
「おっしゃる通りです! アンガス牛の赤身の旨味と“肉肉しい食感”を限界まで引き出すため何を工夫したかと言うと、時間です。パティを製造する際の肉の練り時間を、定番パティの約半分程度にまで短縮しました。練り時間を短くすれば肉の粒子が残って圧倒的な肉感が生まれる半面、肉同士の結合力が弱まり、パティとして成形を維持するのが非常に難しくなります。この「バラバラになりやすい弱さ」と「肉肉しい食感」のトレードオフを、食肉メーカーの技術協力によって克服。絶妙なバランスのパティに仕上げることができました」。
もう待てない! 実食あるのみ。
目の前に運ばれた「ブラックアンガスバーガー」を持つと、手ごたえがある。バーガーとしての構成要素はシンプルで、あくまで主役=ブラックアンガス牛パティを引き立たせる狙いなのだと想像できる。バンズは定番「モスバーガー」と同じだが、どうせなら、焼き目がついてパリっと食感のある特製バンズをおごれば「超プレミアム」商品らしい差別化が計れたのではないかと、これは大きなお世話か(笑)
口を大きく開いて、パクつくべし、パクつくべし! まず感じるのはもちろん肉の旨味、そして肉肉しさである。しかし案外と言っては失礼だが、2種類のソースが引き立て役として非常に重要なポジションにいると感じる。
「はい。にんにくマスタードソースとオーロラソース、それぞれの味わいももちろん大事なのですが、それと同等にこだわったのが、位置なのです」。
位置……ですか?
「ソースの位置についてはかなり検討を重ねました。バーガーを噛んだ時、舌が最初に触れるのが下側です。その下側にマスタードソースを置くと、いきなりソースの味が主張してしまうのです。そこで下側にはむしろ野菜と相性の良いオーロラソースを配置して、嚙むうちに肉の旨味と粒状感、マスタードソースと野菜が混然一体となるデザインにしたのです」。
なるほど。ソースが逆だったらと試すことはできないが、理屈だけ聞いても得心がいく。肉はソースをディップするためのスティックでは、決してない、肉を引き立てる名脇役であるべきなのだ。
「ブラックアンガスバーガー」は税込730円。数量限定品、売り切れ御免あしからずで絶賛発売中。ハラペコ自慢の『@DIME』の読者諸君よ、急げ! 「ブラックアンガスバーガー」は、君の挑戦を待っている!
文/前田賢紀
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