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中小企業でのAI・自動化ツールの導入割合は約半数、しかし6割超が個人利用にとどまる

2026.07.31

人手不足や多様な働き方への対応が求められるなか、多くの企業でDXやAIの活用、業務改善への取り組みが進んでいる。一方で、改善施策を実施しても期待した成果につながらなかったり、改善活動そのものに十分な時間を確保できないケースも少なくない。

そこでスタディストはこのほど、従業員300名未満の企業に勤務し、業務改善に携わった経験のある担当者200名を対象に「300名未満の中小企業における業務改善実態調査」を実施し、その結果を発表した。

約半数がコア業務に集中できていない

業務改善に取り組む以前に、担当者がどれだけコア業務に時間を割けているかを尋ねたところ、「あまり集中できていない」(43.0%)「ほとんど集中できていない」(4.0%)を合わせ、47.0%が十分に集中できていないと回答した。約半数の担当者が、日々の業務の中でコア業務以外に多くの時間を取られている実態がうかがえる。

具体的にどのような業務に時間を取られているかを聞いたところ、「社内報告・資料作成」(56.5%)が最多となり、「メール・チャット対応」(43.0%)、「請求・経費処理などの事務作業」(40.0%)が続いた。日常的な周辺業務の積み重ねが、コア業務に充てられる時間を圧迫している構図が見えてくる。

業務改善は約8割が「成果不十分」

業務改善に取り組んだ結果を当初の目標と比較したところ、「おおむね目標通り」または「目標以上」の成果を得られた企業はわずか19.5%にとどまった。残る80.5%は「目標の半分程度の成果」(46.0%)「ほとんど成果が出なかった」(26.5%)「取り組み自体が途中で止まった」(8.0%)のいずれかに該当し、多くの企業が業務改善で期待した成果を得られていない実態が明らかになった。

期待した成果に届かなかった理由(成果不十分と回答した161名)を尋ねたところ、「担当者が他業務と兼任で手が回らなかった」(28.6%)が最多となり、「時間が足りなかった」(23.0%)、「何から手をつければよいかわからなかった」(22.4%)が続いた。時間の確保と同時に、進め方そのものの整理が課題になっていることがうかがえる。

「整理」を改善と明確に分けて進めた人はわずか9%

「業務の棚卸し・整理」と「改善」を明確に分けて進めた人はわずか9.0%にとどまった。業務改善全体に占める整理時間も「1割未満」「1~2割」の合計が71.0%を占め、多くの担当者が着手前の整理に十分な時間を割けていない実態が明らかになった。

業務改善全体に占める「業務の棚卸し・整理」の時間の割合別に成果達成率を分析したところ、整理に割く時間が長いほど、成果達成率が高くなる傾向が見られた(1割未満:n=31/1~2割:n=111/3~4割:n=47/5割以上:n=11)。特に整理に5割以上の時間をかけた企業では63.6%が目標を達成しており、「整理」を改善プロセスの一つとして明確に位置付けることが、成果につながる可能性を示唆している。

AI導入は47%まで拡大するも、6割超が個人利用にとどまる

AI・自動化ツールを会社で導入したことがある人は47.0%となり、AI活用が広がり始めていることがうかがえる。一方、活用方法としては「個人的な作業補助として利用」が61.7%を占め、「業務フローへ組み込んでいる」(28.7%)、「複数業務を自動化している」(2.1%)は限定的で、約6割が個人レベルの活用にとどまっている。

導入者のうち66.0%が何らかの効果を実感している一方、効果が出ていない理由としては「使いこなせる人材がいない」(65.6%)が最多、次いで「どの業務に適用すればいいか分からない」(40.6%)となり、人材育成と適用業務の整理の両方が課題であることがうかがえる。

外部リソース活用を「有効」と考える人は約8割

周辺業務が効率化できない背景には、「誰かに任せたいが任せられる人がいない」(49.0%)という属人化があると推測できる。一方、「業務の棚卸し・整理」だけを外部に任せる選択肢について56.5%が「検討したことがない」と回答し、理由は「自社でできると思っていた」(45.1%)、「そういったサービスがあることを知らなかった」(37.2%)が続いた。整理を外部に任せるという選択肢自体が十分に認知されておらず、自社だけで進めることを前提としている企業が多いことがうかがえる。

一方、外部に任せたい業務としては「AI・自動化ツールの設計・実装」(44.0%)へのニーズが高く、「費用がかかる」(57.5%)が主なハードルとなっている。

また、「コア業務に集中できていない」人では79.8%が外部リソース活用を「有効」と回答し、集中できている人(65.1%)との差は14pt以上に達した。

考察

本調査では、多くの担当者がコア業務以外の業務に時間を取られ、業務改善に取り組みながらも十分な成果につなげることに苦労している実態が明らかになった。また、成果につながった人ほど「業務の棚卸し・整理」に時間をかけており、AI活用においても人材や業務整理が重要な要素であることが示された。

帝国データバンクの調査によると、2026年上半期の「人手不足倒産」は227件発生し、過去最多を更新している(※1)。人手不足が一段と深刻化するなか、限られた人員で日々の業務を回しながら、業務の整理やAI活用、人材育成までをすべて自社だけで担うことは、特に300名未満の企業にとって容易ではない。だからこそ、「すべてを自社でやる」という前提にとらわれず、必要に応じて外部の知見やリソースを活用することも、これからの業務改善における有効な選択肢の一つと言える。

※1:株式会社帝国データバンク「全国企業倒産集計 2026年上半期報」(2026年7月8日発表)

<調査概要>
調査名:300名未満の中小企業における業務改善実態調査
調査期間:2026年6月24日~6月25日
調査対象:従業員300名未満の企業に勤務し、業務改善に携わった経験のある担当者200名
調査方法:インターネット調査
※グラフの数値は小数点第1位までを表示している。四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある。

出典元:スタディスト調べ

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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