仕事や学業に取り組んでいた人が、慢性的なストレスなどで意欲や情熱を失ってしまう「バーンアウト(燃え尽き症候群)」は、極度の精神的な消耗によって発生しやすくなるという。マイナビは、20代から50代の正社員に『正社員の“バーンアウト(燃え尽き症候群)”に関する実態調査』を実施して結果を発表した。
なお、この調査の「バーンアウト」とは、これまで熱心に仕事や目標に取り組んでいたにもかかわらず、過度なストレスなどにより心身が疲弊して意欲や活力が低下している状態にあることを指している。
正社員の17.3%が「バーンアウト」と回答
調査に参加した正社員のうち、17.3%が現在「バーンアウト(燃え尽き症候群)」であると回答。過去に「バーンアウト」だったことがある割合も12.0%で、回答者全体で約3割が「バーンアウト」か「バーンアウト」経験者だった。20代から30代の若年層と40代から50代の中高年層の比較では、「現在、バーンアウトである」割合は若年層が18.4%で中高年層が16.4%だった。
役職別では、「現在、バーンアウトである」と回答した割合は若年層の管理職で36.3%、中高年層の管理職で18.7%だった。いずれの年代でも管理職は、非管理職と比較して「バーンアウト」を経験した割合が高かった。
「バーンアウト」のきっかけは「業務過剰」、「対人関係」、「承認不足」など
現在「バーンアウト」であると回答した人に「バーンアウトのきっかけとなった過度なストレスを感じた理由」を質問すると、「業務負荷型」と「非業務負荷型」の2つに分類できることがわかった。「業務負荷型」は、「仕事量が多すぎる」や「仕事量が急増したタイミングと私生活の不調が重なった」など、業務量の過剰さに関することが多かった。
さらに「単調な仕事が続く」や「これまで過度な業務に従事していたが、人員増などにより業務量が減少したことで意欲が低下した」など、成長機会の停滞や過剰な負荷から一転して業務量が減少したことの反動と思われる回答もあった。「非業務負荷型」では、「上司や部下との関係性にストレスを感じた」や「職場の人間関係が悪化し、精神的に耐えられなくなった」など対人関係に起因するストレス、「努力に対して十分な評価が得られない」や「会社に必要とされていないと感じた」など貢献に見合う承認や評価が得られないことがきっかけになるケースもあるようだ。やはり「バーンアウト」のきっかけは、多様なストレス要因から生じているようだ。
「バーンアウト」の人は、勤務時間が長く休憩時間が短いと感じている
「バーンアウト」であると回答した人に勤務時間を質問すると、35.1%が「勤務時間が長すぎると感じている」と回答した。「バーンアウト」ではないと回答した人の27.2%と比較して7.9ptも高かった。休憩時間では42.7%が「短すぎる」と感じており、「バーンアウト」ではない人の31.8%より10.9ptも高かった。
「仕事や職場において孤独感・孤立感を感じている」割合は38.0%で、「バーンアウト」ではない人の16.1%と比較して21.9ptも高かった。「バーンアウト」の人は、時間的な負荷に加えて、職場の孤立感も感じている人が多いようだ。
「バーンアウト」を乗り越えるための行動の最多は「休息を取った」
過去に「バーンアウト」だったが、現在はそうではない人に「バーンアウトを乗り越えるために行った行動」を質問すると、「休息を取った」(53.8%)が最多で、それに「仕事以外の時間・活動を大切にした」(35.0%)、「ストレス発散に努めた」(32.4%)が続いた。回復のためのセルフケアなど行動のハードルが比較的低いものが上位だった。ほかの回答では「転職した」が23.2%で、ストレスの要因と考えられる職場環境を物理的に離脱した人も存在していた。
調査を担当したマイナビキャリアリサーチLab研究員の嘉嶋麻友氏は次のようにコメントしている。「今回の調査では、正社員の17.3%が「バーンアウト」であることが明らかとなりました。バーンアウトの要因は、業務量や周囲との人間関係、仕事に対する評価・承認といった要素が確認されました。
また「バーンアウト」である人ほど、ひとりで進める業務が多い傾向もみられており、業務量だけでなく、周囲に頼りにくい環境や業務の孤立感も影響している可能性が考えられます。さらに「バーンアウト」を乗り越えるために転職したという層も一定数みられ、「バーンアウト」が転職のきっかけのひとつとなっている実態もうかがえました。
企業にとっては、意欲的に業務に取り組んできた人ほど影響を受けやすい点を踏まえ、こうした人材の離脱は見過ごせない課題といえます。「バーンアウト」は、個人だけの課題ではなく、組織の構造的な課題として捉える必要があると考えます。
業務量の適正化に加え、周囲との関係性や評価・承認のあり方、さらには業務の進め方が個人に偏っていないかといった観点から、働き方そのものを見直していくことが必要なのではないでしょうか」
「バーンアウト」だと認識した人がきっかけに挙げているのが、仕事量の多さや負荷の高い作業だけでなく、成長が停滞していると感じる仕事や職場環境や評価の低さなどさまざまな角度の要因があった。
一方で「バーンアウト」を乗り越えるためにしたことでは、休息や仕事以外の時間の充実でストレスを解消することが有効で、自分自身の取り組みで解決した人が多かった。さらに転職して職場環境を刷新して乗り越えたと回答している人も2割以上も存在した。調査では、仕事のやりがいや評価が影響を与えていることも浮き彫りになったので、企業側としても対応できることはありそうだ。
『正社員の“バーンアウト(燃え尽き症候群)”に関する実態調査』概要
調査対象:20代~50代の正社員4096名(休職者・代表取締役・役員・顧問を除く)
調査期間:2026年4月8日~2026年4月20日
調査方法:外部パネルによるインターネット調査有効回答数
※「就業状態」は2026年3月時点のものを使用。性×年齢×就業状態×従業上の地位・雇用形態・エリア(「北海道・東北」「北関東・甲信」「南関東」「東海・北陸」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の7エリア)の構成が母集団を反映するように、総務省統計局『労働力調査 2025年(令和7年)平均』を基にウェイトバックを行っている。調査結果は端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260622_109640/
構成/KUMU




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