7~8月にチームの成果が落ちる原因を「夏バテ」で片づけていませんか?
多くの場合、上半期に設定されている「目標や期限の曖昧さ」がこの時期に表面化しているのが真因です。本記事では、今すぐ取り組むべき「目標の見直し」「行動基準の明確化」「方向性を合わせる面談」の3ステップを解説し、下半期に向けた立て直し方をお伝えします。
目標の見直し
4月期首がスタートする会社の場合、上半期の終了が9月末になります。そうすると7~8月の時点で上半期の目標達成が可能かどうかの見込みが見えてきます。仮に7~8月を終えた時点で目標に対する進捗率が50%未満の場合、目標達成は難しいと考え、社員の集中力が低下する可能性があるため、目標の見直しをするか決断することが求められます。
・現状の事実確認
営業の場合は目標とする売上数字以外にも、KPIとして設定しているアポ獲得数、初回商談数、初回商談からの二回目商談数(提案数)、案件化数(契約するかの最終判断待ち)、契約件数、初回面談から契約に至るまでの期間など数値と確率も含めて事実確認が必要です。分析する数値を明確にして達成見込みのある社員と比べてどの数値ができていないかを事実確認します。
・分析
KPIで不足している事実が確認出来たら外部要因と内部要因両方の事実を整理します。
外部要因: 天災など予期せぬ環境の変化、突発的なタスクの発生、リソースの不足など。
内部要因: 業務の優先順位、スキルの不足、時間管理など
外部要因、内部要因の片方だけではなく、必ず両方の要因があるという前提で分析する必要があります。特に外的要因だけの分析になることは推奨しません。自らの不足を事実で認識するから成長があります。上半期目標が未達になったとしても、自らの不足を認識して行動を変えるからこそ次の目標につながるのです。また「自分は営業に向いていない、もっと一生懸命やればよかった」といった「曖昧に部下を責める」、「自分自身を責める」ことも避けるべきです。何の問題解決にもならないばかりか、より集中力を低下させて未達成の確率を上げるだけになってしまいます。
・目標の「再設定」
分析後、目標を「少し背伸びすれば届く」レベルに調整します。例えば、「初回商談数を1ヶ月20件→25件にする」「初回商談からの二回目商談数(提案数)に進む確率を20%→30%にする」などです。そのうえで「上半期に最低でも〇円の売上目標は達成する」といった目標を再設定しましょう。精神論で物理的に不可能な数字の設定をしても結局出来なければ意味がありません。
しかし、目標を再設定する上で、評価上の目標(給与UPにつながる目標)は変えないよう注意が必要です。あくまでも管理上の目標を再設定するという作業が重要となります。未達なら評価上の目標を下げてくれると錯覚した社員は目標を達成させるための行動をとらず、言い訳だけを上手に並べて目標を下げてこようとする可能性もあります。
行動の基準を明確にする
外部要因、内部要因を分析した際に、必要であれば目標の見直しだけでなくルール設定も行います。そして、ルールは「完全結果」で設定することが求められます。「完全結果」とは「期限と状態」が明確な設定のことです。逆に「できるだけ早く報告して」「困ったことがあったらすぐに相談するように」といったルールは「不完全結果」です。不完全結果のルール設定では誤解が生じてしまい、「すぐに相談しろと言っただろう、なんで相談しないのか?」といったロスタイムが生まれ、上司と部下双方に疑念が生じて集中力低下を招きます。もちろん自ら目標達成するためのルール設定として、行動基準を明確化してもかまいません。
完全結果のルール設定とは「毎週○曜日の●時までに○○の報告をする」「二回目商談の前日○時までに提案書を作成して上司合格をもらう」などです。目標を達成するためにどのような改善をするのかは部下自身に考えさせる必要がありますが、部下の考えた改善以外にも目標達成に必要なルール設定を行うのも上司の役割です。
チームの方向性を合わせる面談
チームの方向性を合わせる面談として、部下の困ったことを上司が聞いて部下のモチベーションを上げる面談は効果がありません。チームの方向性を合わせて、部下の目標達成や成長のために面談を実施することが推奨されます。成長とは「出来なかったことが出来るようになる」ことです。部下の成長を管理して達成する確率が上がる状態にする必要があります。
面談時のチェックポイント
● 面談が毎週定例で決められた時刻に開催されている。
● 面談が2階層間(上司部下間)で設定されている。さらに上の上司が入る3階層の面談では「どこに責任があるのか」が曖昧になります。
● 報告のフォーマットが明確になっている。必要な項目は先週の目標と結果、不足の理由、次の目標を達成する為の行動変化、次の目標、目標達成のために必要な権限(相談・上申したい事案)などです。また、目標に対して結果の〇×が判別できる状態(不足が明らかになるフォーマット)に整えます。
● 会話が事実で交わされている(感情や思いになっていない)。例えば、上司が目標未達の状況を感情的に責めている、部下が未達でも一生懸命頑張ったことを感情的にアピールしているような状況は避けるべきです。事実に対して論理的に、次の目標を達成するためにどうするかを決める必要があります。
● 上司からの確認は少なく、部下からの報告ベースになっている。上司から○○はどうなった?と確認は多い面談は、そもそも報告する内容が曖昧な時に起きる事象です。面談の時には何を報告するかをルール化しておき、部下から報告させるようにしましょう。
● 上司と部下の間で約束が明確になっている。曖昧に終わるのではなく、上司と部下の間で約束を明確にしたうえで面談を終えるようにしてください。
最後に
チームのパフォーマンスが下がる原因を「夏バテ」や「モチベーションの問題」など曖昧にしてはいけません。上司は自らのマネジメントに不足はないのかを考えて意思決定を行い、部下は自らの不足の事実と向き合って、目標達成するための行動変化を考えて上司に提案することが重要です。今回お伝えしたことが皆様の目標達成のきっかけになれば幸いです。
文/株式会社識学 城間弘二




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