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国内はすでに1900店舗以上!chocoZAPが海外出店を進める理由

2026.07.14

コンビニジム「chocoZAP」を運営するRIZAPグループは、2025年度の営業利益が110億円となり、前年のおよそ6倍に急拡大しました。要因の一つがchocoZAPの収益改善で、52億5500万円の営業利益押し上げ効果が働いています。

やや足踏み状態が続いていたchocoZAPですが、国内外で大量出店を計画するなど再び勢いを強めています。

2期連続の赤字で急ブレーキをかけることに

ライザップは2022年度に50億円近い営業赤字を出しました。猛烈な勢いでchocoZAPを出店していた時期。2021年12月はわずか4店舗でしたが、2023年3月には1330店舗にまで拡大していました。1年と3か月で1300以上も増えていたのです。

ライザップは2023年度も6億円を超える赤字を出しました。

そこで、2024年度から2025年度にかけて新規出店と広告宣伝の抑制を図ります。それもあり、2024年3月末時点の通常会員数は120万人でしたが、2025年3月末には109万人まで減少しました。急増していた店舗数も足踏み状態が続きます。

しかし、守りの経営は2025年夏ごろに終わりを迎え、攻めへと転じました。通常会員数は2025年9月末の108万人で底を打ち、2026年3月末には112万人まで増加しています。法人トライアル会員や株主優待無料会員を含むと116万人となりました。

店舗数は2025年6月から12月までは1800店舗台で推移していましたが、2026年3月に1900店舗を突破。ライザップは全国に8000店舗以上の出店ポテンシャルがあるとみており、将来的な伸びしろに期待感を持たせています。

大幅増益でも減収だったchocoZAP

反転攻勢に出たライザップですが、不安材料もあります。退会率の上昇です。

chocoZAPは2か月目まで無料という大々的なキャンペーンを実施しました。通常会員を獲得した要因の一つになっていますが、2026年3月は退会指数が1.64となりました。2025年12月は1.19。退会指数は各月の退会者数を前月末のアクティブ会員数で割ったもの。2022年7月の値を1.00とした指数で表しています。ライザップは会員増の反動による一過性のものであり、想定内であるとしています。

ライザップは2か月無料キャンペーンを実施した2026年度に、広告宣伝費を前年比で53.8%も削減することに成功しています。大幅な増益になっているのはそのため。一方、chocoZAPの売上高は7.7%減少しました。通常会員数は2024年度よりも2025年度の方が増えているにも関わらずです。

無料キャンペーンによって売上を犠牲にし、広告宣伝費を抑えて利益を出したと見ることができます。

ここでポイントとなるのは、chocoZAPが再び拡大路線を歩もうとしていること。無料キャンペーンによって会員を獲得することが長期化すれば、新規出店による増収効果は薄まります。出店コストを埋めるためには、キャンペーンに依存しない通常会員の獲得が必要。そのためには広告宣伝費をかける必要があるのではないでしょうか。損益バランスが再び崩れかねません。

ジムというビジネスの難しさ

フィットネスジムを成功に導くカギは、会員が持つ「最初のやる気」を獲得することだと言われています。「夏までに痩せたい」「中年太りが気になる」「健康診断で肥満気味だと言われた」など、運動しなければならない理由は無数にあります。

それがジムに通う要因の一つになるわけですが、いざ通い始めると長く続けるのは困難。しばらくすると休眠会員となり、幽霊会員となるケースはよく見られます。

実はフィットネスジム側にとって、この休眠化こそが旨み。会員すべてが毎日のようにジムに押しかけて運動に励めばマシンの待ち時間が増え、クレームのもとになります。マシンが故障する率も上がり、清掃やメンテナンスも容易ではありません。

chocoZAPの2か月無料キャンペーンは、ジムのライト層を誘引する有効な手段だと言えます。しかし、それを繰り返すことになれば、人々の貴重な「やる気」を刈り取ってしまうことにもなるでしょう。

出店攻勢に出ようとするライザップがいかなる集客施策を打ち出すのか、注目すべきポイントだと言えます。

海外にも活路を見出す

chocoZAPは海外展開も進めています。香港ですでに19店舗を出店済み。香港に出店した店と日本の店を比べたところ、会員数は日本の1.4倍、客単価は1.8倍で、日本比で2.5倍の収益力があったといいます。

ライザップは香港に最大100店舗を出店する計画を立てました。このモデルを他のエリアにも横展開し、マレーシアやシンガポール、ベトナム、台湾、韓国などにも広げようとしているのです。

海外展開には期待が持てる一方、現地企業との差別化が図りづらいという難しさもあります。chocoZAPはカラオケやマッサージチェア、エステなどを充実させてサービス力を高めています。しかし、一店舗あたりの投資額やサイズが大きくなると、その分多くの会員を集めなければならないことにもなります。chocoZAPが得意とする、小額投資の小回りを利かせたジム経営から遠ざかることになり、人件費などの運営費負担も高まるでしょう。

一方で、海外展開に成功すればchocoZAPは新たな方向性を見出すことにもなります。chocoZAPは急成長するか再び収益性を失うかの瀬戸際に立っているようにも見えます。

文/不破聡

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大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融、経営戦略を中心とした記事を執筆中。得意分野は外食、ホテル、映画・ゲーム、エンターテインメント業界など。

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