Nintendo Switch、スマートフォンで配信中の『Pokémon Champions(ポケモンチャンピオンズ)』が全世界1000万DLを突破した。本作を機にポケモンバトルの面白さ・奥深さ・戦略性に改めて気づかされたプレイヤーも多いだろう。全世界1000万DL突破を記念して実現した今回の特別対談では、『ポケモンチャンピオンズ』のプロデューサー・星野正昭さんと、大のポケモンバトル好きとして知られる日本将棋連盟所属の女流棋士・香川愛生さんが、ポケモンバトルの魅力について語り合った。
『ポケモンチャンピオンズ』では、ポケモンの「育成」が快適に
香川:まずは全世界1000万DLおめでとうございます! 私の周りにもポケモンバトルデビューをした方々がたくさんいて、本当に多くの方が遊んでいるなと実感しています。
星野:ありがとうございます。ユーザーの皆様からも非常に高い評価をいただいており開発チーム一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

香川:6月17日にスマートフォン版がリリースされて以降、私も自宅以外でも移動中やお仕事の合間にポケモンバトルを楽しんでいます。最近は「将棋」か「ポケモンバトル」かという生活を送っています。
星野:(笑)。
香川:ゲームをダウンロードしてすぐにポケモンバトルができて、感激しました。いつでもどこでも遊べる手軽さも良いですよね。
星野:はい。そこは私もこだわったところなんです。手軽さに加えてユーザーの快適性のために搭載した機能はたくさんあります。例えば、「バトルへの復帰機能」はスマートフォン版のために搭載したような機能です。外で遊んでいるときに一時的に電波が途切れてしまっても「負け」になるではなく、バトルを再開できるようにしています。
香川:技の選択中に通信が切れてしまっても、一番上の技が自動で選ばれるようになっていますよね。

快適さで言うと、私はポケモンの「育成」がすごく快適になったと感じます。スカウト機能のおかげで、ポケモンを捕まえたり、ポケモンのタマゴをかえす必要がなくなりました。「メガメタグロスを使ってみたい!」と思っても、もうダンバルのタマゴをかえさなくても良いんですよね……。感慨深いです。
星野:私も『Pokémon HOME』にはダンバルがたくさんいるので、その気持ちはよく分かりますよ。
香川:トレーニング機能も使いやすくて、今まで以上にバトルの準備がスムーズにできて助かってます。
こだわりは「テンポ感」と「エフェクトの豪華さ」のバランス
香川:せっかくですので、星野さんのこだわった点をぜひお伺いしたいです。
星野:バトルの「テンポ感」にはかなりこだわっています。マッチング時間もそうですが、特に力を入れたのがバトル中のエフェクトです。
例えば、ダブルバトルで「いかく」が発動した時、従来であれば1匹ごとにピロリロン、ピロリロンと2回エフェクトが発動していたところ、『ポケモンチャンピオンズ』では2匹同時にエフェクトが発動するようにしています。
他にもターンの合間の「すなあらし」や「どく」のダメージなど本当に細かいところで時間短縮をしています。

香川:言われてみれば! それでいてエフェクトが物足りないとは全く感じないのは流石です。
星野:エフェクトも私がすべて監修しているんですよ。ポケモンバトルは、「ポケモン」という生き物が活躍できる場所ですから、エフェクトはしっかりと豪華にしたかったんです。
SNSでも技のエフェクトは評判が良く、「はかいこうせんは史上最高!」とか見ると開発者冥利につきます。
香川:先日行なわれた「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2026(PJCS2026)」でもニンフィアが使っていて盛り上がりましたよね。
星野:私はポケモンバトルは見るだけでも楽しいものであってほしいと考えています。ポケモンの動きや技のエフェクトひとつで、ポケモンはさらに魅力的になります。「観戦機能」を搭載したのも、ポケモンバトルを見て楽しんで欲しかったからです。
「バトルデータ」は「定跡」の宝庫
香川:先ほど「SNSでも〜」とおっしゃていましたが、星野さんもSNSをチェックされるんですか?
星野:実は、かなりチェックしています(笑)。ユーザーが投稿している ”最強”のバトルチームも自分でコーディネートコードを入力して試しています。中には、感心するようなバトルチームもあったりして驚いています。
香川:ユーザーの皆さんもまさか星野さんに使ってもらえているとは思ってもいないでしょうね(笑)。
SNSを見ていると「久しぶりにポケモンバトルに復帰しました!」とか「はじめてポケモンバトルやります」といった声も多くお見かけします。初心者の方がポケモンバトルを楽しめる工夫や上達するコツがあれば教えてください。個人的には「バトルデータ」はかなり有用な機能だと感じています。
星野:意外にも『ポケモンチャンピオンズ』は既存プレイヤーよりも新規プレイヤーの方が多く、10〜20代前半のプレイヤーがかなりの割合を占めています。年齢的にも、過去のポケモンバトルをほとんど知らずに始めた方が多いはずなんですよ。
細かな工夫で言うと、これまではポケモンの世界観を重視していた「持ち物」のテキストを誰でも分かるテキスト内容に書き換えています。
香川:「いのちのたま」とかが分かりやすいですね。

星野:はい。
香川さんが先ほどおっしゃった「バトルデータ」も、これまでは『Pokémon HOME』では見られたのですが、ゲーム内では確認できませんでました。けれど、ゲーム内で見られた方が便利だと思って導入しています。「ポケモンの使用率」「持ち物」「覚えている技」「トレーニング」など、初心者がポケモンやバトルチームを決める上で重要な情報が確認できますので、初心者の方はぜひ使ってほしい機能の一つです。
香川:将棋で言うところの「定跡」が学べますからね。やっぱり勝利を目指すなら、いま流行っているポケモンは何か、みんなが使っている技や育て方は何か知れるのはありがたいポイントです。
星野:ポケモンバトルは試行錯誤を重ねて上手くいった時が一番面白いところだと私は考えていますので、ユーザーの皆さんにはぜひ試行錯誤の段階も楽しんでもらえればと思います。
香川:ポケモンバトルも将棋も、プレイヤーが自分で「選択」を積み重ねていくところが共通点です。
どのポケモンを使うのか、どのように育てるのか、4つの技からどれを選ぶのか、交代をするのか、メガシンカをするのかしないのか……自分で一手一手を選択するからこそ達成感もあり、後悔もする。だからポケモンバトルで負けることは、将棋で負けた時と同じくらい悔しいんですよ。
星野:勝負師ならではの視点ですね(笑)

>>>『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭さんと女流棋士・香川愛生さんの対談後半はこちら
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取材・文/峯亮佑 撮影/干川修




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