2024年秋の発売以来、計画比約2倍の大ヒットを記録し、累計出荷本数が580万本を突破した花王のシャンプー「THE ANSWER」。100年にわたる同社のヘアケア研究から導き出した美髪五大必須成分を配合し、5つの美髪基準(うるおい・まとまり・ツヤ・なめらかさ・しなやかさ)をすべて満たす、まさにヘアケアの答え提供するシャンプーとして注目を集めている。
今回は、花王株式会社 グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティーケア事業部門 ヘアケア事業部 ブランドマネジャー 山岡 智弘さんに、開発のきっかけや製品へのこだわりについてお話を伺った。
*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。
花王の100年研究から生まれた「ヘアケアの答え」
はじめに山岡さんは、同製品のコンセプトについてこう説明する。
「THE ANSWERは、花王が100年以上続けてきたヘアケア研究からたどり着いた『ヘアケアの答え』をコンセプトにしたブランドです。今、たくさんの種類のシャンプーがあり、何を選んだらいいかわからない方もたくさんいらっしゃいます。そんな『ヘアケア迷子』の方に、THE ANSWERなら信じて選べそうと思っていただけるようなブランドにしようという想いから生まれました」。
他の製品との違いは、洗いながらケアができる点。さらに従来のシャンプーにはなかった成分も配合されているという。
「一番の違いは、洗いながらケアができる点です。シャンプーは汚れを落とすという役割が中心だと思いますが、THE ANSWERは汚れ落としながらも髪に必要な成分を補える処方になっています。また、花王独自の新技術を取り入れることで、従来のシャンプーには配合できなかったたくさんのケア成分を入れられるようになりました。通常のシャンプーと違い、美容液のような濃いテクスチャーのシャンプーで、泡立てる前に髪全体に塗り広げてから洗います。この塗り洗いをしていただくことで、『髪にいいことをしているな』という納得感を感じていただきながら、ケア成分が髪に行き渡りやすくなります」
第一回より
スキンケア研究の知見も活かしながら、これまでの不可能を実現
THE ANSWERの開発は、当時トレンドになっていた「完全栄養食」に着想を得てスタートした。
「トレンドをキャッチするワークショップを行った際、あるメンバーの『完全栄養シャンプーのようなものを作れないか』という発想がスタートでした。当時、完全栄養食がトレンドになっていたものの、栄養管理の手法が多岐に渡り、どう取り入れるのが正しいのかが分かりにくくなっている悩みがあると考えたんです。同じようにヘアケアで考えると、たくさんの商品、ブランドがある中で結局どれが自分に合っているんだろうと、正解にたどり着きにくいという声もあると思いました。そんな中で、これを選べば大丈夫と思えるようなヘアケアの答えを作っていけたらと考えたのが開発の始まりでした」。
花王100年のヘアケア研究から生まれたTHE ANSWER。シャンプーでは実現が難しいとされたタンパク質と脂質のバランスを、スキンケア研究で得た知見を活かし成し遂げた。
「花王が100年以上、日本人の方の髪を研究してきた中で、髪の質感は髪を構成するタンパク質と脂質のバランスで決まることがわかってきました。ただ、脂質は水と混ざりにくいため、シャンプーに入れるのはとても難しかったんです。そこでヒントになったのがスキンケアの研究でした。肌の中には、水と油が層のように重なるラメラ構造というものがあります。この発想を応用して、ラメラプラットフォームと呼ばれる、シャンプーの中に脂質の成分をたくさん蓄える技術が生まれました。100年研究を続けていく中で、いろいろな知見を応用できるきっかけがあるんだなと感じた瞬間でした」。
山岡さんは、開発時にこだわった点について次のように話す。
「『何か良さそう』だけで終わらないことにこだわりました。ヘアケアの答えと言った時に、直感的に良さそう、効きそう、こだわっていそうと思えることは大事なことだと思うんですが、実際に使っていただいた時の実感も感じられる商品にしたいと考えたんです。仕上がりだけではなく、例えば手に取った時の見た目、塗り洗いをする工程など、THE ANSWERのブランドに接していただく体験すべてにおいて、こだわり感をどこで感じてもらえるかを細かく見ていきました」。
第二回より
「髪だけではなく気持ちも満たされた」。利用者から寄せられる嬉しい声
こうして発売に至ったTHE ANSWERは、大ヒットを記録。利用者からも喜びの声が寄せられているという。
「発売してから、おかげさまで非常に好調で、当初の計画の約2倍のペースで売れています。2026年6月時点で累計出荷本数が580万本を突破しており、多くの方に使っていただけているのかなと思います。髪がきれいになったという仕上がりの良さに関する感想も、もちろん嬉しいんですが、それ以上に自分に合うものが見つからないと悩んでいた方が、THE ANSWERに出会って気持ちが満たされたというお声を頂けた時は、本当に嬉しかったです」。
山岡さんは、プロモーションにおいては広告だけでなく「生活者の共感」にも力を入れたと話す。
「SNSや口コミ、レビューなど、生活者の共感が広がっていくコミュニケーションを意識しながら取り組んできました。ヘアケアの答えというものを、企業の我々だけが訴えすぎると、信じられる答えなのか懐疑的になる部分もあると思います。実際に使っていただいた方の『これが良かったよ』という声の方が、生活者にとっては信じられるかもしれません。そういったところも大切にしながら、バランスよく広がっていくことが大切だと考えました」。
第三回より
「これなら信じられる」と思ってもらえるブランド体験を提供
これほどまでのヒットに繋がった要因について、山岡さんはこう分析する。
「選択肢が多い今の時代、生活者としては『失敗したくない』という気持ちが強くなっていると思うんです。そんな中で、これなら信じて大丈夫そうと思っていただけるブランド体験を作れたことは、ヒットの理由の一つかなと思います。ヘアケアのカテゴリだけにとどまらずに、社会的に選択肢・情報があふれる中で、何を信じたらいいかが、少しわかりにくくなっている時代です。カテゴリ的なインサイトだけではなく、そうした社会的なインサイトも、共感いただけたところが良かったのかなと思います」。
市場の潜在的なニーズを掴むためのポイントは、「広く見る」ことと「深く見ること」を使い分けることにあると山岡さんは話す。
「いろいろな手法がありますが、ポイントは広く見るところと、深く見るところを分けることだと思っています。広く見る際はSNSの発話、世の中に出ている声を広く見ていきます。ただ、それだけでは仮説は作りきれないため、そこから深く見ていきます。これまで、深く見るときはどうしても我々だけで見ていく部分もあったんですが、共創という視点も大事だと改めて思っています。我々だけではなく生活者、情報を発信していく美容感度の高い方々も含めて議論を交わすことで、しっかりと深さの質を上げていくことができたと感じます」
最後に、リスナーに向けてメッセージもらった。
「これまで多くのヒット商品が紹介されてきて、いろいろと見てきた皆さんが、その中でもTHE ANSWERがこだわりのあるブランド、商品だなと感じていただけたらとても嬉しいです。リスナーの皆さんの中で、自分に合うシャンプーが見つからないと感じていらっしゃる方がいたら、ぜひ一度試してみていただけたら嬉しいです。もしかすると、答えが見つかるかもしれません。ぜひお試しください!」
第四回より
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000435.000070897.html
文/久我裕紀







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