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100均市場が各社の「脱100円」戦略で3年連続の1兆円超えを達成

2026.06.11

帝国データバンクは、全国の「100円ショップ」市場について調査・分析したデータを公開した。それによれば2025年度の国内「100円ショップ」市場は、大手4社を中心に市場規模が約1兆1100億円で、3年連続の1兆円超えを達成した。節約志向の高まりとDIYやアウトドア用品、機能性キッチンツール、美容関連など高付加価値商品が伸びて、150円から500円の中価格帯が拡充していることが市場の成長を支えているという。ちなみに業績などのデータは、2026年3月時点の帝国データバンクが保有する企業概要ファイル(COSMOS2、約150万社収録)と企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に集計されており、各社の業績や店舗数データは一部推定・予想値を含む数字になっている。

「100円ショップ」市場が3年連続1兆円超え

ワンコインで生活用品の多くが揃う「100円ショップ(100均)」の2025年度市場は、ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツの大手4社を中心に事業者売上高ベースで1兆1100億円規模に達する見込みで、前年度に続いて3年連続で1兆円を突破した。節約志向の高まりで、安価な日用雑貨を求める需要が底堅く、ガーデニングやDIY、アウトドアなどのエントリーモデルとしての立ち位置を確保したことが市場拡大の主な要因だという。伸び率では、前年度比2.7%増の見込みで前年度(6.8%)からは鈍化しているが、市場規模は2016年度の7369億円から1.5倍に拡大している。

店舗網は、大手4社の店舗数が2026年3月末時点で9400店規模が見込まれており、前年度からは200店以上増加している。10年前からは1.4倍になる約3000店も増加しており、郊外のロードサイド店舗やショッピングモール内の大型店だけでなく、最近は食品スーパー内など延床面積の小さい極小店舗など幅広い店舗ラインナップで、年間100店を超える出店ペースが続いているという。だが中小や地場の100円ショップは、原材料価格の高騰などから単独で「100円」の販売価格を死守するのが困難で、店舗網の縮小や撤退も散見されるという。大手と中小で二極化傾向になっているようだ。

「脱・100円」の商品で収益強化が進む

2025年度の100円ショップ市場は、価格面での「安さ」訴求に加えて製品クオリティやデザインの見直しが進んでいる。DIY用品やアウトドアなど趣味性を重視した商品だけでなく、レンジ調理器などの機能性やタイパ(タイムパフォーマンス)を重視した家事グッズ、デザイン性の高い美容グッズ、シールなどの文具や手芸用品といった多岐にわたる商品ジャンル構成で顧客層を広げている。DIY・アウトドアなどの趣味分野は、高価な専業メーカー製品よりも価格面で手に取りやすい「エントリーモデル」としての立ち位置を確立している。そういった商品構成の変化で、従来よりも高い150円から500円までのミドル・ハイプライス商品のラインナップを充実させる100円ショップも増えている。

円安や製造コスト上昇が中小企業を圧迫

コスト面では、100円ショップは多くの取扱商品を海外生産に依存しており、急激な円安による影響を受けやすく、中国の製造コストは「過去10年で数倍に上昇」と言われている。世界的な環境規制強化や原油価格上昇によるプラ製素材などの価格高騰で100円の売価では利益が出しにくく、従来仕様での仕入れが困難となった商品も増えている。大手各社は、スケールメリットを活かした仕入原価の抑制に加えて「セルフレジ」の導入や自動化・省人化によるローコストオペレーションで利益を確保しており、中高価格帯の商品を増やすことで客単価の向上と粗利益率の改善を目指す施策を導入しているケースもある。だが規模の小さい地場の中小100円ショップは、こうしたコスト低減策が難しく、商品の仕入価格高騰に直面して利益確保ができず、事業継続が厳しい局面に直面している。円安と原材料価格の上昇で、出店を加速させて市場を制圧する大手とコスト高に耐えきれない中小の格差は広がっているといえる。

「脱・100円」でプチプラと競合する懸念も

市場動向を左右する大手4社は、機能や品質にこだわった300円から500円帯のオリジナル商品を揃える価値提供型ブランドへの脱皮を進めており、脱・100円化によって他業態との競合も生まれそうだ。100円ショップ各社が参入を進める「プチプラ(低価格)生活雑貨」市場は、3COINSなどの300円を中心とする「300円ショップ」、「500円以下」の日用雑貨のラインナップを大幅に強化した無印良品などコストパフォーマンスとデザイン性の両立に優れたブランドも多い。「100円という売価から脱却する」戦略は、こうした企業とライバル関係になる可能性もある。

100円以外の高額商品の比率を引き上げる「脱・100円」戦略は、「100均」市場拡大の大きな原動力になっているので、消費者に価格以外で「納得できる価値」を提示していくことが100円ショップ業界で成功するカギになりそうだ。

https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260402-100yenshop25y

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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