リモートワークなど、働く場所が多様化している今、あなたはどんなオフィスで仕事がしたいだろうか?
ABW(Activity Based Working)という考え方が広まる中、未来のワークプレイスは「執務空間」や「打ち合わせ空間」から、「自然あふれる空間」「創造の場」へとシフトしそうだ。
もし都会のビルにいながら自然を感じられるオフィスなら、仕事もはかどりそうだし、クリエイティブで独創的な発想が生まれるかもしれない。
そんな理想のワークプレイスを実現するため、パナソニックは光と音、香りや風を感じられるオフィス空間を提案する。
未来のオフィスをちょっとのぞいてみよう。
人が心地よく働ける空間をつくる光って何?
パナソニックは、理想のワークプレイスの実現には、「Well-Being」が必要だという。
ご存じのとおりWell-Beingとは、「人々が精神的・身体的・社会的に満たされた状態が続く」ということだ。
Well-Beingな状態にある人は、働く意欲が高まり、所属する組織へのエンゲージメントが高まるという。
発表会に登壇した、パナソニック エレクトリックワークス株式会社 ライティング事業部 ライフスタイルライティングBU ビジネスユニット長 山中 直氏
そんなオフィス環境を実現するために、Well-Being Lighting=「人が心地よく働ける空間をつくる光」のある空間をパナソニックは新提案する。
そして、Well-Being Lightingを具体的に3つのコンセプトで定義。
精神的な充足のために「Activity(活動しやすさ)」を追求。身体的な充足には「Healthy(健やかさ)」を、社会的な充足には「Flexibility(柔軟さ)」を追求する。
この3つのコンセプトを満たす光空間へとワークプレイスを進化させるのだ。
「木漏れ日」「小川のせせらぎ」「薄紅の空」を感じられるオフィス
パナソニックでは、「木漏れ日」「小川のせせらぎ」「薄紅の空」を感じられるオフィスを、時間ごとに切り替えるという、斬新な提案を行っている。
朝は木漏れ日を、昼は小川のせせらぎを、夕方は薄紅の空を感じられるワークプレイスだ。
ワークプレイス分野の国際的な専門展示会「オルガテック東京2026」(2026年6月2日から6月4日開催)に出展し、デモンストレーションを行ったので、筆者も体験してみた。
朝のワークプレイスを「木漏れ日」を感じる時間帯にする目的は、空間全体を均一に明るくする照らし方と爽やかな光色により、生産性を高めることにある。
会場はやや青白い照明で空間全体が照らされ、周囲にはマイクロLED「DOT.LIGHT」による揺らぐ光の演出が施され、まるで木漏れ日のよう。さらに鳥のさえずりの音が流れ、ヒノキの香りがアロマディフューザーからあふれ出し、実に爽やかで心地よいものだった。
そして、昼は「小川のせせらぎ」を感じる空間を演出。目的はコミュニケーションを活性化しアイデアが生まれるワークタイムを創出することにある。
デモンストレーションでは、ほんのりあたたかな光色が空間全体を照らし、マイクロLED「DOT.LIGHT」が水辺を感じさせる光を演出。小川のせせらぎの環境音とスポット気流によるそよ風で、まるで日中の川辺にいるような居心地だった。
さらに、夕刻の「薄紅の空」の演出では、落ち着いた環境へとイメージを一新。目的はリラックス空間でひと息つき、頭と心を整えるためだ。
デモンストレーションでは、空間全体に、温かみのある色でメリハリのある光が照射されていた。マイクロLED「DOT.LIGHT」は夕空と雲の流れを思わせる演出。虫の音の環境音とスポット気流によるそよ風は、どことなく郷愁を感じさせるものとなっていた。
以上、「木漏れ日」「小川のせせらぎ」「薄紅の空」の体験は展示会ブースでのデモンストレーションに過ぎないが、実際にこのような光・音・香り・風といった五感に訴える空間演出を行ったワークプレイスなら、自然な時の流れを感じながら、クリエイティブな時間を過ごせると思わせるには十分だった。
Well-Beingなワークスペース作りは企業の必須となるか?
展示会での体験を通して、人は五感を通じて空間や時間を意識することがよくわかった。
ヒノキの香りをかげば、森の中で過ごしているような気分になるし、虫の音を聞けば夏の夕べを思う。そして、青っぽい光には午前を感じ、温かい光色でコントラストの強い光には夕焼けを意識する。
人が自然の中で過ごしてきた感覚は、たとえ都会のオフィスの中にいても消えることはない。そんな五感に訴える空間づくりをパナソニックは推奨している。
2020年代も後半に入り、2030年代を見据える今、Well-Beingなワークスペース作りは、仕事の効率化とクリエイティビティの向上を図りつつ、リクルートにもつながる活動と言えそうだ。つまり、時代を先取る企業にとって、必須要件になる可能性は高いだろう。
取材・文/中馬幹弘







DIME MAGAZINE


















