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「食事の現物支給」にかかる所得税の非課税限度額が引上げ、食の福利厚生はどう変わる?

2026.06.01

会社から食事の現物支給を受けるときに、要件を満たせば支給による経済的利益がないとする所得税の非課税処置がある。

2026年4月1日から「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ」が施行されて、それまでの非課税限度額が月額3500円から月額7500円に引き上げられた。

法人向けフードデリバリーサービスを運営するくるめしは、運営サービスである『くるめし弁当』と『シェフコレ』の会員に、「第3の賃上げ」ともいえる「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ」に関するアンケートを実施して結果を公開した。

この調査では、「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ」の認知度や会社内での関連施策の実施状況などを明らかにしている。

「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ」関する認知率は33.7%

「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ」については、「内容まで理解している」(4.5%)、「概要は知っている」(11.8%)、「聞いたことはある」(17.4%)を合わせた回答は33.7%で、全体の3分の1が理解しているか聞いたことがある状態だった。従業員の福利厚生や「食事手配」をすることが多い「人事・総務担当者」に絞ると「内容まで理解している」(8.3%)、「概要は知っている」(22.6%)、「聞いたことはある」(16.7%)を合わせると47.6%が「理解している」もしくは「聞いたことがある」と回答しており、全体よりも多かったが「人事・総務担当者」であっても半数以上が法改正を知らない状況も浮き彫りになった。

「食事補助」の新しい取り組み・施策の実施率は23.1%

法改正について「内容まで理解している」、「概要は知っている」、「聞いたことはある」と回答した人に、所属企業で法改正を利用した取り組みについて質問すると、「実施している」(4.2%)、「実施する予定」(2.8%)、「現制度を見直し予定」(2.1%)、「検討中(14%)」という回答結果になった。何かしらの実施を検討しているのは23.1%とまだまだ少ない印象だ。具体的な実施予定の取り組み・施策では、「飲食代の補助」が39.4%でもっとも多く、それに「置き型社食」(24.2%)が続き、食事チケット・電子マネーと無料カフェが15.2%だった。

施策の実施目的では、トップの「社員の健康経営の一環として」(51.1%)が半数以上で、「社員のエンゲージメント向上」(45.5%)や「社員満足度のため」(42.4%)などが多い意見だった。

法改正がなかったら64%の企業が施策を実行せず

今回の法改正がなかった場合は、63.7%が施策は「実施されなかった」と考えていることもわかった。新しい取り組みや制度の見直しなどを実施していない企業に、その理由を質問すると、もっとも多い回答は「制度設計が難しい」(40%)だった。ほかにも「社内調整に時間がかかる」(32.3%)や「制度設計リソースが不足している」(20%)など、会社内で制度化するコストを理由に挙げる会社が多かった。

「食」にまつわる福利厚生では「食事代の補助」が高い支持

「食」にまつわる福利厚生についての「あると嬉しい施策」では、約半数が「飲食代の補助」(49.6%)と回答してトップになった。それに「無料の社員食堂」(46.6%)や「カフェ(無料)」(44.5%)が続いた。人事・総務担当者には、「食」にまつわる福利厚生の導入しやすさを質問すると、もっとも多い回答は「ウォーターサーバー」(38.1%)だった。従業員が嬉しいと感じる施策の上位だった「飲食代の補助」は19%、「無料の社員食堂」は2.4%、「カフェ(無料)」が15.5%で、従業員の求める施策と導入しやすさにはギャップがあるようだ。

物価高が続く中で実質手取り増加となるさまざまな「第三の賃上げ」を検討する企業が増えているが、「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げもそのひとつといえる。企業が従業員に提供する食事や食事補助に関する非課税の範囲が拡大されることで、企業は福利厚生の充実、従業員には実質的な所得の増加という双方にメリットがある法改正といえる。だが、この調査では、人事・総務担当者でも半数近くが法改正自体を知らないことが浮き彫りになった。さらに制度を社内で活用するには、さまざまな調整やリソース不足という課題を抱える企業も多い印象だ。福利厚生として「食事代の補助」は、社員にとっては歓迎する施策のはずなので、法改正に合わせた食事の現物支給について考えるべきだろう。

『「第3の賃上げ」に関するアンケート』概要

調査対象:全国、20歳以上の『くるめし弁当』会員と『シェフコレ』会員。男女425人
調査期間:2026年2月24日~2026年3月6日
調査方法:インターネットを用いたアンケート調査
https://www.kurumeshi.co.jp/news/1390/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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