富士通は2026年5月27日、Anthropic PBC(以下、Anthropic ※1)との戦略的提携を発表した。
本協業により同社はAnthropic戦略的パートナーとなり、Anthropicの先端的なAI技術と、同社が長年培ってきた業種・業務ノウハウ、ミッションクリティカル領域のシステム構築・運用力を融合することで、日本企業のAIトランスフォーメーションを本格的に加速するとともに、重要インフラをはじめとする社会基盤の安全性・信頼性の強化に貢献していく。
※1 Anthropic PBC:所在地 米国カリフォルニア州、代表者 CEO ダリオ・アモディ(Dario Amodei)
本協業における主な取り組みについて
■1:Anthropic活用によるFDE事業の強化
本協業において同社は、Anthropicの「Claude」を活用することで、AIを確実に価値創出につなげるForward Deployed Engineer(FDE)モデルを強化・展開していく。
同社はこれまでPalantir Technologies Inc.をはじめとした先進的なテクノロジーパートナーとの戦略的な提携を通じて培ってきたFDEの実践知を有しており、顧客の現場に入り込みながら、様々な業種知見と、「Fujitsu Kozuchi」や「Takane」(※2)などの自社テクノロジーを組み合わせ、AIのユースケース設計から実装・定着までを短期間で実現してきた。
※2 Takane:富士通がCohere Inc.と共同開発した大規模言語モデル。
今後、本協業では、こうした同社のFDEモデルにAnthropicの「Claude」を組み合わせることで、単なるAI導入にとどまらず、顧客との密接な協業および業種別の知見を基盤に、実際の業務価値に直結するAI活用の実現を目指す。

■2:サイバーセキュリティの進化
AI時代のサイバー防御力強化に向け、企業や重要インフラおよび必須サービスのサイバー防御力の向上を推進。専門人材に依存した属人的なサイバー防衛から、人とAIが協業して迅速に対応できる次世代のセキュリティ運用モデルへの進化を目指す。特に、ミッションクリティカル領域におけるAI活用と防御の両立を実現していく。
また、AIの技術進展に伴うサイバー防御への対応は大きな社会的課題となっており、同社では「日本政府と連携し、得られた知見を通じ、社会全体のセキュリティ強化に貢献していきます」とコメントしている。
■3:社内実践によるAI活用モデルの確立と展開
同社グループ全社員(約10万人)がAnthropicの「Claude」を自ら活用して、業務の高度化、高速化を実施しながら、AIを安心・安全に使える形を実践的に検証していく。
具体的には、同社がもつAIの信頼性向上を可能とする技術を組み込みながら、AIの利用における安全性・透明性・制御性を担保する技術と運用の両面を確立。その過程で得られた知見や標準化されたアプローチを顧客に還元することで、日本企業における信頼性の高いAI活用を推進していく。
すでに2026年2月にAIドリブン開発基盤の取り組みを発表しているように、「Takane」のAIエージェントによる大規模システムの更新工程の自動化に取り組んでいるが、「Claude」も使いこなすことで、さらなる開発生産性の向上にも取り組んでいく。
関係者コメント
■富士通株式会社 代表取締役社長 CEO 時田 隆仁 氏
急速に進化・成長するAIを素早く社会実装し、価値創造につなげることは、テクノロジー企業として最優先で取り組むべきことととらえています。
このたびの協業を通して、富士通の有する業種・業務への深い知見、特にミッションクリティカルな領域での豊富なノウハウと、Anthropicの先端AIモデルを融合させることによって、各産業における新たな価値創出を支援し、信頼できるAIドリブンな社会を実現してまいります。
■Anthropic PBC 最高事業責任者(Chief Commercial Officer、CCO)Paul Smith 氏
社会の根幹を担う重要な産業とともに歩んでこられた富士通と協業できることを、大変光栄に思います。
日本社会を支える機関、すなわち銀行、病院、政府、そして重要インフラは、AIに対して最も高い水準を求めます。富士通は数十年にわたり、こうした機関の技術パートナーであり続けてきました。
その富士通が今、自社の従業員10万人に「Claude」を展開し、さらに1000人規模のエンジニアチームを編成して、それをお客様にお届けしようとしています。
これは、日本市場における先進的なAIへの最も重要な取り組みのひとつであり、富士通がそのコミットメントを実現するうえで信頼を寄せるパートナーとしてAnthropicが選ばれたことを、私たちは誇りに思います。
関連情報
https://global.fujitsu/ja-jp
構成/清水眞希







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