NTTドコモ(以下ドコモ)は、北海道内にある基地局に画像認識AIと連携した監視カメラを設置して、クマの出没をリアルタイムで検知する実証実験(以下、本取り組み)を2026年5月22日から開始した。
本取り組みは、ドコモの通信設備とAI技術を活用することで、自然環境の保全と人間社会の安全を両立させ、「ネイチャーポジティブ」実現への貢献をめざすもので、2025年5月に策定した「生物多様性中期ロードマップ(※1)」の取り組みの一環となる。
※1 生物多様性中期ロードマップ https://www.docomo.ne.jp/corporate/csr/ecology/protection/tnfd/roadmap/
実証実験の背景
昨今のクマの生息域拡大に伴い、令和7年度におけるヒグマ人身被害件数は230件を超え、死亡事故は13件となった。
また、冬眠が明けた令和8年度においては、すでに7件の緊急銃猟発砲事例が発生しており、状況は深刻化している(※2)。さらに、対策の要となるハンターの高齢化・人材不足といった課題もある。
※2 クマに関する各種情報・取組 野生鳥獣の保護及び管理(環境省) https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/effort12.html
さらに広大な地域では人手による常時監視には限界があることから、住民の安全確保に向けて、保護重視の対策からICTを活用した監視各関係機関と連携した対策など包括的な防衛体制への移行が急務となっている。
今回の取り組み概要
北海道にある基地局2局に画像認識AIと連携した監視カメラを設置。撮影映像をリアルタイムで解析することで、クマの出没を検知する。
■基地局設備の活用
基地局周辺では安定したモバイルネットワークが整備されており、ルーラルエリアにおいてもリアルタイムでの映像伝送や迅速な通知が可能だ。
また、既存設備を活用することで、環境負荷と導入コストを最小限に抑えることができ、将来的には広大なエリアを監視できる点もメリットと言える。


■画像認識AIによるクマの出没検知
基地局に設置したカメラ映像を画像認識AIで解析し、クマの出没を検知する。昼夜を問わず出没する可能性があるアーバンベアを見逃さないため、照明条件などの環境変動下でも安定して検知できる性能を目指す。
今回は高速に推論可能な画像認識AIを低遅延なdocomo MEC上で動作させることで、リアルタイムな検知を可能にしている。
<実証イメージ>

■実証期間
2026年5月22日(金)~11月30日(月)予定
今後の展望について
北海道での実証を通じてシステムの有効性と精度を検証することで、その成果をもとに将来的にはクマ被害に悩む自治体向けの展開を目指す。
必要に応じてクマ出現位置のマッピング、関係機関への迅速な通知、威嚇音の発報指令までを行う総合的なシステムを実装。クマをはじめとする野生動物と人間との軋轢を緩和した、より安全で快適な社会の実現をサポートする。
さらに、野生動物の農業地区や居住区への侵入を抑制して、地域住民の生活環境を守るための新たな電気柵、および関連技術の検討や開発も進められている。
同社では今回の発表に際して「ドコモは本取り組みを通じて地域課題を解決するとともに、生物多様性中期ロードマップに掲げる『ヒトと自然が“あたりまえに”共生している世界』の実現に貢献してまいります」とコメントしている。
構成/清水眞希







DIME MAGAZINE












