副業は住民税を通じて会社にばれる可能性がある。「“普通徴収に切り替えれば発覚しない”は本当か?」「住民税を滞納すると会社にばれる?」など、住民税のしくみとリスク回避の方法をまとめた。
目次
副業で収入を得るようになると、「住民税が増えて会社にばれるのでは?」と心配になる人が多いだろう。住民税は給与から天引きされるため、金額が変われば担当者の目に触れるリスクがある。
そこで本記事では、住民税が原因で副業が会社にばれるケースの具体例、会社バレを防ぐための普通徴収への切り替え方法と普通徴収にしても安心とは言い切れない理由、住民税の滞納がもたらすリスクについて解説する。
副業の住民税が会社にばれるしくみ
副業を始めると住民税が上がり、それが会社バレにつながる可能性がある。まずは「なぜ住民税で副業がばれるのか」を理解しておこう。
■住民税の天引きと特別徴収のしくみ
会社員の住民税は、会社が給与から天引きして納付する「特別徴収」が原則だ。毎年5〜6月頃、自治体から会社へ「住民税の特別徴収税額決定通知書」が届き、経理担当者は通知書に記載された金額を各社員の給与から差し引いて自治体に納付する。
副業で所得が増えると、住民税の所得割の額が上がるため、前年よりも税額が増加する。経理担当者がこれに気づくことで副業の存在を知られるのが、典型的な会社バレのパターンだ。
■アルバイト・パートの副業は会社にばれやすい
副業の種類によって会社へのばれやすさは異なる。アルバイトやパートなど給与収入を得る副業は特にばれやすい。給与を支払う事業者は、自治体に「給与支払報告書」を提出する義務があり、自治体は副業先からの給与額も把握しているためだ。
「住民税の特別徴収税額決定通知書」には所得の内訳までは記載されないが、税額が前年よりも不自然に増えていれば、担当者が気づく可能性はあるだろう。また、一部の自治体では通知書の参考情報欄に内訳が記載される場合もある。
■住民税が「減る」場合にも注意が必要
住民税が減ることで副業が発覚するケースもある。副業が赤字だった場合に確定申告で損益通算をすると、課税所得が下がり、翌年の住民税額が下がるといった影響が及ぶ。住民税が下がる理由には「医療費控除」や「扶養家族の増加」など複数の要因があるため、減っただけで直ちに副業がばれるとは限らないが、大きく減少した場合は担当者が気にする可能性はゼロではないだろう。
副業の住民税を「普通徴収」にして会社にばれるのを防ぐ方法
副業の会社バレを防ぐ手段として有効なのが、副業分の住民税だけを「普通徴収(自分で納付する方法)」に切り替えることだ。
■確定申告で普通徴収を選択する手順
副業所得が年間20万円を超える場合は、会社員でも確定申告が必要になる。
確定申告書(第二表)の「住民税・事業税に関する事項」欄には、住民税の徴収方法を「特別徴収」か「自分で納付(普通徴収)」か選ぶ項目がある。ここで「自分で納付」を選択すると、副業分の住民税の通知書が自宅に届き、勤務先には副業分の税額が通知されない。
■副業所得が20万円以下の場合の対応
副業の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要だ。ただし、住民税の申告は別途必要になるケースが多い。何もしないでいると、自治体が把握した副業所得が本業の会社の特別徴収に合算されてしまうリスクがある。「所得税の確定申告が不要=住民税も何もしなくてOK」ではない点に注意が必要だ。
住民税の申告は、住まいの自治体の窓口(市区町村役場)で手続きする。その際、普通徴収への切り替えも相談してみると良いだろう。
住民税を普通徴収にしても副業が会社にばれる可能性はある?
副業の会社バレを防ぐ方法として住民税の普通徴収への切り替えは有効だが、それでも会社にばれる可能性はある。代表的なケースを見てみよう。
■自治体によっては「特別徴収」「普通徴収」の分離ができないケースも
住民税の普通徴収は制度上認められているが、実際の運用はそれぞれの自治体により異なる。特別徴収を原則とする自治体では、副業分であっても普通徴収への切り替えに応じてもらえないケースがある。
また、事業所得ではなく、給与所得(パートやアルバイトの給料など)に分類される副業は、普通徴収に分離しにくい。副業の収入形態を正確に把握したうえで、自治体への確認も怠らないようにしよう。
■確定申告の手続きミスで特別徴収になってしまうリスク
確定申告書の記入漏れや誤りによって、普通徴収を選んだつもりが特別徴収として処理されてしまうケースがある。特に、申告書の「住民税に関する事項」欄は書き忘れが起きやすい箇所のひとつだ。「普通徴収を選んだはずなのに会社から住民税の増額について聞かれた」という事態を避けるためにも、記入したあとの申告書は念入りにチェックしよう。
副業の住民税を滞納すると会社にばれる?

普通徴収を選んで副業分の住民税を自分で納付する場合のリスクが「滞納」だ。うっかり支払いを忘れたり、資金不足で口座振替ができなかったりする事態が起きやすく、滞納が続くと給与の差し押さえを通じて会社に知られる展開にもなりかねない。
■住民税の滞納から差し押さえまでの流れ
住民税を滞納すると、自治体から20日以内に督促状が届く。督促状が発送されてから10日が経過しても滞納が解消されなければ、法律上、自治体は財産を差し押さえることが可能となる。実務上はその後も何度か催告書が送られ、一定の猶予が設けられているケースが多いが、それでも対応しなければ、最終的には財産調査・差し押さえに進むことになる。
差し押さえの対象になりやすいのは給与と預金口座だ。給与が差し押さえられる場合、月額支給額の4分の1を上限に、滞納額と延滞金が完済されるまで続く。預金口座が差し押さえられた場合は、その口座の残高が直接滞納額に充当される。
■給与差し押さえの通知で会社に副業と住民税滞納を知られる
滞納が差し押さえにまで発展した場合は、勤務先へ「給与差押通知書」が送付される。これにより、副業の存在だけでなく住民税を滞納していた事実までもが会社に知られることになる。
財産調査の段階で勤務先への問い合わせが入るケースもあるが、確実にばれるのは「給与差押えの通知」が届いた時点と考えておくと良いだろう。
住民税の滞納は、税金問題にとどまらず、職場での信用を大きく損なうリスクをはらんでいる。会社バレを避けるために普通徴収にした結果、最悪のかたちで副業が露見することになるため、くれぐれも滞納には注意したい。
■住民税を滞納してしまった場合の対処法
もしも副業の住民税を滞納してしまった場合は、督促状が届いた時点で直ちに自治体の窓口へ連絡しよう。事情を説明し、納税の意思を示すことで、分割払いや納税の猶予が認められる場合がある。
また、延滞金の利率(年数パーセントから10パーセント前後)は、日が経つにつれて増加するため、早めに相談するほど経済的な損失を抑えられるだろう。
なお、地方税には原則5年間の時効が設けられているが、督促や差し押さえなどの法的手続きが行われると時効は更新(リセット)されるため、実際に時効となるケースはほとんどない。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。







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