サラリーマンにとって大切な給与。企業における給与計算業務は、毎月決まった期日に正確な処理が求められ、法改正や従業員情報の変更などの対応で煩雑な作業を伴うケースも多い。
AIエージェントサービス『バクラク』を展開しているLayerXは、企業の人事担当者に「給与の締め業務に関する実態調査」を実施して結果を公開した。この調査は、給与締め業務の負担実態、属人化の現状、給与計算前後に発生する対応などを明らかにするために行ったという。
約7割が給与締め業務を負担が大きいと回答
給与計算業務に関与する人事担当者に給与締め業務の負担感を質問すると、「とても負担が大きい」(20.4%)と「やや負担が大きい」(47.0%)を合わせた67.4%が「負担が大きい」と感じていることがわかった。その要因については、1位「正確性のプレッシャー(ミスヘの不安・精神的重圧)」(42.8%)、2位「期限のプレッシャー(時間との戦い)」(33.9%)、3位「手作業の多さ(単純な入力作業の手間)」(32.1%)がトップ3だった。
調査対象者の約8割は、クラウド型SaasやPCソフト・オンプレミス型のシステムを既に導入していたが、システムの普及が進んでいても約7割の担当者は負担を感じていた。
給与締め業務の全工程の約8割が属人化している
「給与締め業務」の各工程のなかで属人的になっていると思う工程を質問すると、トップは「勤怠情報の収集・チェック」(82.0%)だった。2位以下は、「変動情報の収集・チェック」(77.6%) 、「計算後の追加対応」(76.0%) 、「支給・控除額の算出・計算」(72.8%)という結果になった。計算前の情報収集から計算後の確認・対応までの全工程で、7割から8割は属人的な仕事になっていた。
給与計算に必要な従業員情報の確認手順のマニュアル化では、「マニュアル化されていない」は19.8%で「マニュアル化されて担当者内で共有」は46.4%だった。4割以上が回答している「担当者内で共有されている」状態は、属人化が解消されているように見えるが、「誰でも同じ手順で対応できる(標準化済み)」と回答したのは33.8%だった。全体の66.2%は標準化されておらず、属人的なリスクを抱えたまま業務を行っているところも多いようだ。
業務全体の5割以上は「計算後のチェック・修正」
「給与締め業務」の「計算実行後のチェック・修正・確定作業」が占める割合では、「5割程度」(46.4%)と「8割以上」(25.2%)を合わせた約7割が業務全体の半数以上と回答した。多くの給与締め業務の担当者は、給与の計算自体よりも確認作業に時間を費やしている実態があるようだ。
給与に関する金銭に直結するトラブルを約4割の企業が体験
給与支給後の修正や問い合わせ対応など事後対応が発生する頻度については、「ほぼ毎月発生する」(20.0%) と「年に数回発生する」(40.4%)を合わせた約6割が定期的に経験していた。従業員情報の更新漏れが原因のトラブルとしては、「後日修正・再計算」(40.2%)、「支給漏れ・過支給」(39.8%)などがあり、金銭に直結していると約4割の企業が答えている。
給与計算システムの普及は進んでいるが、担当者が抱える心理的負担はまだまだ解消されていないようだ。昇給・異動・休職など変動する従業員清報の収集・確認に負担を感じると回答した担当者は半数を超えていた。多くの担当者が確認作業に時間を費やしており、それでも事後対応が定期的に発生している実態も浮き彫りになった。
約4割の企業は、支給後の誤支給や再計算など金銭に直結するトラブルを経験していたが、給与の誤支給は担当者個人としてのミスだけでなく、従業員との信頼関係にも影響する問題になりかねない。給与締め業務は、プレッシャーのかかる仕事でありながら、属人化して引き継ぎや標準化が進んでいないことも問題点といえそうだ。企業としては、標準化するためのマニュアル作りや作業工程の共有化などを進めていく必要がありそうだ。
『人事担当者の“給与の締め業務”に関する実態調査』概要
調査対象:企業の「給与計算業務」に関与している担当者
有効回答:500名
調査期間:2026年2月12日~2026年2月13日
調査方法:インターネット調査
https://bakuraku.jp/resources/how-to/payroll_survey_closing_procedures/
構成/KUMU







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