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SaaSに求める価値は「操作性」から「AIによる業務の実行支援」へ。〝SaaS is Dead〟の実情を探る

2026.05.13

デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」を展開するテックタッチ株式会社は、従業員1000名以上の大企業の情報システム・DX推進担当者・責任者109名を対象とした「SaaS is Dead」検証調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。

・SaaS……「Software as a Service」の略称。インターネット経由で必要な機能を利用できるクラウド型ソフトウェアサービス。

検証調査の実施背景と目的

近年、「SaaS is Dead(SaaSは終わった)」という言説が一部で囁かれる中、本調査は、実際に大企業がSaaS導入によって「DXの成果」を実感できているのか、あるいは現場レベルでどのような課題が生じているのかを浮き彫りにすることを目的としている。

その結果、半数以上が「AIなら自動化できるはずの作業」を 今なおSaaS上で手動で行っていることに課題を感じている一方、「AI前提の新SaaS導入」を重視する企業は24.8%に留まった。

SaaSの是非ではなく、「AI時代にどう再定義するか」。日本企業は今、その入口に立っていると言えるだろう。

「SaaS is Dead」論の先で、日本企業は何を感じているのか

「SaaS is Dead(SaaSは終わった)」という議論について、「知っている」「聞いたことがある」と回答した割合は53.2%と半数超となった。一方で、約45%は「知らない」と回答しており、認知にはばらつきが見られる。

しかし注目すべきは、こうした認知の差に関わらず、現場では共通した課題意識が既に顕在化している点だ。

「Q1. あなたは、「SaaS is Dead(SaaSは終わった)」という議論が広がっていることを知っていますか」(n=109)と質問したところ、「SaaS is Dead」という議論について、28.4%が「知っている」、24.8%が「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」と回答。一方で、45.0%は「知らない」と回答しており、認知にばらつきがあることが明らかになった。

◾️課題はSaaSではなく、“人がやっていること”だった

調査の結果、SaaS上で「AIによる自動化・効率化が期待される業務」を人手で行っていることに対し、半数以上(50.5%)が課題を感じていると回答した。

具体的には、「データの集計・加工」(56.4%)「定型レポート作成」(50.9%)など、定型的な情報処理業務が上位に挙げられている。さらに、「データ入力」や「入力ミスのチェック・修正対応」「承認・確認作業」といった業務も依然として人手に依存しており、SaaSが〝人が操作するツール〟として使われ続けている実態が判明した。

この結果は、課題の本質がSaaSそのものではなく、「業務の進め方」にあることを示している。

「Q2. あなたは、現在お勤め先で利用しているSaaSにおいて、『AIなら自動化・効率化できるはずの作業』を、今なお人間が手動で行っている状況について、どのように感じていますか」(n=109)と質問したところ、「非常に課題を感じている」が19.3%、「やや課題を感じている」が31.2%という回答が得られた。

「Q3. Q2で『非常に課題を感じている』『やや課題を感じている』と回答した方にお聞きします。具体的に、どのような場面で課題を感じていますか(複数回答)」(n=55)と質問したところ、「データの集計・加工を手動で行っていること」が56.4%、「定型的なレポート・報告書の作成を手動で行っていること」が50.9%、「SaaSの操作方法を覚えること自体に負荷がかかること」が34.5%という回答結果になった。

SaaSの価値は「操作」から「AIによる実行」へ

調査を通じて、SaaSに求められる価値軸そのものが変わり始めていることがわかった。

今後の進化の方向性として「AIによる業務実行支援・自動実行」を重視する層(36.7%)が、「UI/UX改善」(操作性改善)重視の層(22.0%)を大きく上回っており、これは、従来の「使いやすいツール」から「業務を実行する基盤」へと、期待がシフトしていることを意味している。

また、SaaSに蓄積されたデータについても「活用できていない」と感じる層は37.6%に達していた。そうした層が求めているのは、ダッシュボードの整備よりも「AIによる異常値・リスク自動検知」(43.9%)や「次のアクション提案」(41.5%)といった、分析ではなくデータをもとに”判断・実行を支援する機能だ。

「Q4. 今後のSaaSの進化の方向性として、あなたのお勤め先ではどの方向をより重視すると考えますか」(n=109)と質問したところ、「どちらかといえば、AIによる業務実行支援・自動実行が進む方向を重視する」が22.9%、「AIによる業務実行支援・自動実行が進む方向を重視する」が13.8%となった。

「Q5. あなたのお勤め先では、SaaSに蓄積されたデータを、自社で十分に分析・活用できていると思いますか」(n=109)と質問したところ、「十分に活用できている」が3.7%、「ある程度は活用できている」が37.6%だった。

「Q6. Q5で「あまり活用できていない」「ほとんど活用できていない」と回答した方にお聞きします。SaaSに蓄積されたデータの活用において、今後求めるものを教えてください(上位3つまで回答可)」(n=41)と質問したところ、「AIが異常値やリスクを自動検知してアラートを出してくれること」が43.9%、「AIがデータに基づいて次に取るべきアクションを提案してくれること」が41.5%、「分析のためのダッシュボードやBIツールが強化されること」が29.3%という結果が得られた。

■変わりたいが変われない〜再定義のジレンマ

では、価値観の変化と歩調を合わせて移行は進んでいるのか。結論として、日本企業は再定義の必要性を感じながらも、既存資産やコストといった現実的な制約を踏まえ、一足飛びの移行には踏み切れていないようだ。

SaaS投資方針では「既存SaaS+AI統合」派(28.5%)と「AI前提の新SaaS導入」派(24.8%)が拮抗し、「どちらともいえない」層も31.2%に上っている。

この拮抗と未決定層の厚さは、「乗り換えコスト・移行負担」(54.8%)や「蓄積データの活用」(51.6%)といった制約を踏まえながら、「どこから再定義に着手するか」を見極めている段階にあることの表れと言える。

ただし新SaaS派も「業務プロセスの見直し」「AI前提設計の必要性」といった構造的問題意識を認識しており、方向は異っても、”AI時代に業務のあり方そのものを再設計する必要がある”という問題意識は両者に共通している。

つまり今、日本企業は「変わる必要性」と「変われない現実」に挟まれた状態にあるのではないか。

今後12ヶ月の方針としては「利用率の低いSaaSの解約・統合」(22.0%)と「AIネイティブSaaSへの乗り換え」(18.3%)が並走しており、既存資産の整理と新領域への投資を同時に進める慎重な再定義の姿が見えている。

「Q7. 今後のSaaS投資・選定の方向性として、あなたのお勤め先ではどの方向をより重視すると考えますか」(n=109)と質問したところ、「既存のSaaSを活かしながら、AI機能を追加・統合していく方向を重視する」が13.8%、「どちらかといえば、既存SaaSにAI機能を追加・統合していく方向を重視する」が14.7%という回答順になった。

「Q8. Q7で『既存のSaaSを活かしながら、AI機能を追加・統合していく方向を重視する』『どちらかといえば、既存SaaSにAI機能を追加・統合していく方向を重視する』と回答した方にお聞きします。そのように考える理由を教えてください(複数回答)」(n=31)と質問したところ、「システムの乗り換えにかかるコストや移行負担が大きいから」が54.8%、「既存SaaSに蓄積されたデータや設定をそのまま活かしたいから」が51.6%、「従業員への操作教育の負担や、現場の混乱を避けたいから」が35.5%という結果が得られた。

「Q9. Q7で『どちらともいえない』と回答した方にお聞きします。そのように考える理由を教えてください。(複数回答)」(n=34)と質問したところ、「業務領域によって、既存を活かすべきか新しく導入すべきかが異なるから」が32.4%、「自社の予算や人員リソースの見通しが立っておらず、判断できないから」が32.4%だった。

「Q10. Q7で『どちらかといえば、AI活用を前提に設計された新しいSaaSを取り入れていく方向を重視する』『AI活用を前提に設計された新しいSaaSを取り入れていく方向を重視する』と回答した方にお聞きします。そのように考える理由を教えてください。(複数回答)」(n=27)と質問したところ、「AI前提で設計されたSaaSの方が操作性やパフォーマンスが優れると思うから」が48.1%、「最新のAI技術の恩恵を、スピーディかつ最大限に享受したいから」が44.4%、「AIの導入を機に、業務プロセスをゼロベースで見直したいから」が40.7%という回答結果になった。

「Q11. 『SaaS is Dead』論を踏まえ、あなたのお勤め先では今後12ヶ月のSaaS方針として、どのような動きがありますか。当てはまるものを教えてください(複数回答)」(n=109)と質問したところ、「利用率の低いSaaSの解約・統合を検討している」が22.0%、「AIネイティブなSaaSへの乗り換えを検討している」が18.3%、「利用中のSaaSの棚卸し・整理を実施する予定である」が16.5%となった。

「Q12. Q11で『わからない/答えられない』以外を回答した方にお聞きします。Q11で回答した以外に、AI時代におけるSaaSの在り方や今後のSaaS活用方針について、お考えがあれば自由にお聞かせください」(n=71)と質問したところ、26の回答が寄せられた。

<自由回答・一部抜粋>
・SaaS is deadの議論は短絡的であり、SaaSかAIかではなく、両者を適切に組み合わせて活用することが重要。またそれらを適用する業務そのものが非効率な手順のままではSaaSもAIも使いこなすことは困難。
・AIエージェントが自律的に動かすことを前提にSaaSを設計することが当たり前になると思う。
・予算が限られているため、ピンポイントで自社の課題に適用したAI活用を進めていく必要性を感じている。
・使いやすさと金額による。AIも100%信用できるものではない。
・最新動向に追随できる人材の育成が急務である。

調査概要

調査名称:「SaaS is Dead」検証調査2026
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年4月9日〜2026年4月10日
有効回答:大企業(従業員1000名以上)の情報システム・DX推進担当者・責任者109名

◎本調査のダウンロードはこちらから。 https://techtouch.jp/resources/ebook_saas-is-dead2026/

関連情報
https://techtouch.jp/

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

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