雇用や労働に関連する調査データやレポートを通じて、雇用の在り方や個人のキャリアを考える上で役立つ情報を提供しているサイト『マイナビキャリアリサーチLab(ラボ)』を運営するマイナビは、20代から50代の転職希望の正社員と企業の中途採用担当者を対象に『マイナビ 転勤と転職に関する調査レポート2026年(個人・企業)』のアンケートを実施して結果を発表した。それによれば転職希望者の約7割が「転勤がある会社で働きたくない」と回答しており、特に20代に就業先決定で「転勤の有無」を考慮する傾向があったという。一方で企業側が転勤制度を取り入れる目的は「人員調整」がトップだった。
転職希望の約7割が転勤のある会社で働きたくないと回答
正社員で働く転職希望者に、転勤がある会社で働くことへの考え方を質問すると、「働きたくない」と回答した割合が68.8%(「働きたくない(27.8%)」+「どちらかと言えば働きたくない(41.0%)」)で前年比から3.5ポイント増加していた。やはり転勤に対して一定の抵抗感があるようだ。性別でみると男性は働きたくないと回答した割合は63.4%(「働きたくない(24.1%)」+「どちらかと言えば働きたくない(39.3%)」)だったが、女性は84.0%(「働きたくない(38.1%)」+「どちらかと言えば働きたくない(45.9%)」)で女性のほうが多かった。年代別では、20代の働きたくないと回答した割合が76.0%(「働きたくない(32.0%)」+「どちらかと言えば働きたくない(44.0%)」)でもっとも高い世代になった。
転勤に対しては経済的負担への不安を感じている可能性
転勤がある会社で働きたくない理由は、「転居にお金がかかる」が47.9%でもっとも多く、「転居作業が面倒(46.7%)」、「家族と離れたくない(37.0%)」がトップ3だった。年代別でみると20代は「転居にお金がかかる」が57.9%で特に高く、転居になった場合の経済的負担に対する懸念が働きたくない理由になっているようだ。 転勤がある会社で働きたくないとした人に、どのような条件なら転勤を受け入れるか質問すると、「基本給が上がる(47.4%)」、「毎月の手当が充実している(44.7%)」、「転居費用の支援がある(35.8.%)」が上位で、金銭的な対価や優遇で転勤を許容する考えの人も一定数いることがわかった。
20代は就業先決定で「転勤の有無」を考慮する傾向あり
転職希望者のうち、就業先を決める上で転勤の有無を考慮する割合は77.3%で、特に女性は9割を超える結果になった。年代別では、特に20代(82.0%)は就業先決定で「転勤の有無」を考慮する傾向が強かった。「将来転勤の可能性があることが理由で転職を考えたことがある」割合も39.7%で、就業先の決定や転職を検討するきっかけでも転勤の有無が影響しているようだ。
企業が転勤制度を取り入れる目的は人員調整がトップ
企業の採用担当者が考える社員の転勤の有無については、転勤の可能性がある割合は66.9%(「全員が転勤の可能性がある(21.5%)」+「一部が転勤の可能性がある(45.4%)」)だった。転勤がある企業の採用担当者に、転勤制度を取り入れている目的を質問すると「人員調整(欠員補充・注力ポジションの拡充など)」が48.7%で最多の回答だった。転勤がある企業の採用担当者に、転勤に関する施策として取り入れているものを質問すると、「リモートワーク(53.8%)」がトップで、「転勤者への転居費用の支援(42.6%)」、「転勤先を選べる制度(42.3%)」が上位だった。リモートワークは、従業員が活動拠点を変えなくても他エリアの業務を担当できるメリットがあるので、不用意な転勤を減らすための施策として活用されている側面もありそうだ。
今回の調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボ研究員の宮本祥太氏は、次のようにコメントしている。
「今回の調査では、転勤に対する一定の抵抗感がうかがえる結果となりました。特に20代や女性ほど、転勤を望ましく思っていない傾向が見受けられました。転勤は一般的にワークキャリアとライフキャリアの双方に影響を及ぼすものであり、居住地や働き方などのさまざまな変化を伴います。また、金銭的なコストが生じる可能性もあり、調査結果から転勤による「目先の経済的負担」を不安視する傾向も明らかになりました。こうした状況のなか、転勤の機会やエリアを限定したり、転勤を受け入れてもらうために金銭的優遇や補助を行ったりするなど、働く人のキャリアに配慮する企業の取り組みもみられました。企業としては、働く個人にとって不用意・不本意な転勤を可能な限り減らしつつ、転勤を命じる場合には、その理由を丁寧に説明し、転勤に対するリターンを示すことなどを通じて、社員の納得感を醸成することが重要と考えます」
キャリアアップやワークライフバランスのための転職は増えているが、転職希望者にとって勤務地が変わる転勤の有無は、大きな検討事項であることが浮き彫りになった。企業側は、リモートワークなどを活用しつつ、転勤に関する負担軽減や金銭的な優遇といった対応が必要といえそうだ。
『マイナビ 転勤と転職に関する調査レポート2026年(個人・企業)』概要
調査対象
個人:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員のうち今後3か月で転職活動を行う予定の人
企業:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人(前月採用活動を行った人/今後3か月で採用活動を行う予定の人/直近3か月に中途入社者がいた人)
有効回答数
個人:974/企業:841
調査期間:2026年2月2日~2026年2月5日
調査方法:WEBアンケート調査(調査主体:マイナビ アンケートモニター、提供元:外部調査会社)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260318_108650/
構成/KUMU







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