米国・イスラエル連合のイランへの空爆により緊迫する中東情勢。これを受けてホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、その結果、日本の住宅会社・工務店にも深刻な影響を及ぼしつつあるようだ。
くふう住まいはこのほど、同社が提携する全国の住宅会社・工務店 70社を対象に「中東情勢悪化が住宅資材・住宅購入に与える影響」に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。
61.4%が「中東情勢の影響あり」と回答、資材コストへの懸念が顕在化
「現在の中東情勢の悪化は、家づくり(価格・工期・資材手配など)に影響を与えているか」と尋ねたところ、「すでに深刻な影響が出ている」が15.7%、「一部で影響が出始めている」が45.7%となり、合計61.4%の住宅会社・工務店が中東情勢の影響を実感していることがわかった。住宅建築における資材価格の上昇や供給不安が顕在化している実態がうかがえる。
「価格値上げ」が最多、工期遅延・仕様変更も進行―影響が多層化
「具体的にどのような影響が発生(または直近1ヶ月以内目安に発生すると予測)しているか」と尋ねたところ、「建材価格(仕入れ)の値上げ」(67.1%)が最も多く挙げられ、全体の中でも突出して回答が集まるなど、中東情勢の影響が直接的なコスト増として住宅市場に波及している実態が明らかとなった。加えて、工期の遅延や仕様変更といった供給面の不安定化も複数回答されており、住宅建築の現場において影響が複合的に広がっていることがうかがえる。
特に「着工や引き渡し工期の遅延」(51.4%)「付帯設備の仕様変更」(35.7%)といった対応が進んでおり、従来の計画通りに住宅建築を進めることが難しくなるケースが増加。さらに、一部では特定資材の供給制限も発生しており、今後は影響が限定的な企業においても段階的に波及する可能性が示唆される。
坪単価の小幅値上げが主流も、今後の価格転嫁への拡大を示唆
「中東情勢の影響による直近(現状~1ヶ月以内見込み)の坪単価の値上げ幅はどの程度か」と尋ねたところ、「価格は据え置いている」との回答が50.0%を占め、現時点では価格転嫁に踏み切れていない住宅会社が半数であることが明らかとなった。一方の半数はすでに値上げを見込んでおり、コスト上昇圧力が着実に広がっている状況だ。
値上げ幅としては比較的小幅な値上げが中心となっているものの、資材価格や物流コストの動向次第では、今後さらに価格転嫁が進む可能性も示唆される。
ナフサ不足、住宅の“水回り設備”を中心に影響。仕様変更・代替対応が現場で拡大
ナフサ不足の影響により、特に手配遅延や仕様変更が発生している資材としては、「水回り設備」(51.4%)や、「断熱材」(41.4%)が多く挙げられ、石油化学製品への依存度が高い領域で影響が顕在化していることが明らかとなった。加えて、「外装材」や「塗装関連」(31.4%)などにも波及しており、住宅の基本性能や仕上げ工程に関わる資材全般に影響が広がっている。
こうした状況を受け、施工現場では代替資材への切り替えや仕様見直しを余儀なくされるケースも見られ、断熱性能や耐久性、意匠性の調整など、顧客提案にも影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなった。
住宅購入の意思決定が二極化、“様子見”と“前倒し”が同時進行
「お客様の行動や心理にどのような変化を感じるか」と尋ねたところ、「様子見」や「検討期間の長期化」(34.3%)といった慎重姿勢が強まる一方、将来的な価格上昇を見越して「早期契約を希望」(30.0%)する前倒し需要も一部で顕在化し、意思決定の二極化が進んでいることがわかった。
加えて、「価格」や「総額」への関心が一層高まり、複数社比較や情報収集を重視するなど、より合理的な住宅購入へのシフトが進んでいることが示唆される。
62.9%が「諦めなし」一方、面積縮小・計画延期など見直しも顕在化
住宅価格に影響が出始めている中でも、顧客の間では依然として理想の住まいを実現したいという意欲は根強く、「中東情勢の影響を加味・懸念して、お客様が当初の希望を諦めざるを得なかったことがあるか」と尋ねたところ、「特に諦めたことはない」(62.9%)が最多となった。
しかしながら価格上昇リスクを背景に、顧客が現実的な条件へと調整を迫られている傾向もあり「当初の希望条件を見直さざるを得ない」ケースが一定数発生していることが明らかとなった。
特に「延床面積の縮小」(21.4%)や「設備のグレードダウン」(11.4%)といった、予算調整を目的とした見直しが目立ち、資材価格上昇が実際のプラン内容に影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなっている。
また、「マイホーム計画自体の延期・中止」(21.4%)や「注文住宅から建売・中古住宅への切り替え」(8.6%)など、住宅取得の意思決定そのものに影響が及ぶケースも確認された。
「早期契約」が60.0%で最多、コスト上昇リスクを見据えた前倒し提案が拡大
住宅会社からのアドバイスとしては、「早期の契約・着工」(60.0%)が最も多く挙げられ、将来的なコスト上昇リスクを回避する“前倒し行動”を促す傾向が強まっている。
加えて、「優先順位の明確化」(40.0%)や「資金計画の見直し」(37.1%)といった提案も多く、限られた予算の中で納得度の高い意思決定を支援する動きが広がっている。一方で、「様子見」や「柔軟な仕様調整」など、顧客のリスク許容度に応じた個別最適な提案へとシフトしている点も特徴だ。
<調査概要:「中東情勢が住宅資材・住宅購入に与える影響」に関する調査>
調査対象:全国の住宅会社・工務店 (「くふうイエタテカウンター」の提携会社)
有効回答数:70社
調査方法:住宅会社・工務店の経営者・支店長・営業担当者などへのアンケート調査
調査期間:2026年4月20日~2026年4月22日
出典元:くふう住まい
構成/こじへい







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