配当金が増えるだけでなく、“株主優待で受け取れる優待券なども増えていく”なら最強──。
Xでのハンドルネーム「つみたてにいさん(@tsumitate_nisan)さん」が注目するのは「増配株×増待株投資」法。これは、増配銘柄のうち、株主優待も増える銘柄のこと。詳しく聞いてみましょう。
「増配株×増待株投資」とは何?注目する理由とは…
――「増配株×増待株投資」とは何なのでしょうか。
「増配株×増待株投資」は、「増配株」であり、株主優待も増える銘柄です。
まず、「増配株」は長期で保有するほど配当が増える株です。連続増配・長期増配傾向・DOE採用銘柄等がこれに該当します。
次に、「増待株」は長期で保有するほど優待が増える株です。明確な定義がなかったので作った言葉になりますが、今後、投資家用語として定着すると嬉しいですね。
どちらかの条件に当てはまっているだけでも嬉しいものの、個人的には「増配株」で「増待株」をもっとも好みます。詳細は後述します。
――「増配」かつ「優待も増える」のは嬉しいですね。
増配株に注目している理由は保有するだけで配当が増える見込みがあり、取得単価に対する利回りが向上していく可能性が高いことです。これまでの歴史で増配を続けてくれている銘柄は、今後も増配してくれるのではと期待値も上がりますからね。
また、DOE(株主資本に対してどれだけ配当を支払ったかを示す財務指標)も見るようにしています。配当方針から確認したり、中計から短中期のDOE目標の記載がある場合はBPSを元に将来の配当見通しを立てたりしますね。
例えば、健全な企業で配当利回り10%の株は市場で見つけることは、なかなかできません。しかし、時間を味方にすることで増配により取得単価に対する配当利回りが10%超えることは起こり得るのです。
――保有銘柄で10%超えになった銘柄例もありますか?
はい。例えば、メガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が当てはまります。購入当時の配当は25円、取得平均単価は446円で配当利回りは5.6%でした。
そこから6期連続で配当を増やしていて、現在の配当は74円。取得単価446円に対する配当利回りは16.6%まで向上しています。
――グラフを見てもすごいですね。
しかも、今後も増配があるのなら、さらに利回りが向上するポテンシャルを秘めています。
なお、現在の株価は2,793円と、私の買い値から6倍以上にもなっています。配当利回りが向上すると、優良銘柄は放置されずに買われる傾向があるので、株価も切り上がることになりやすいです。
つまり、増配株は配当が向上することで株価も切り上がり、インカムとキャピタルの両取りができるということですね。
私はこれを「市場は“健全な高利回り”を放置しない」と考えています。
――すごく納得しました。「増待株」についても教えてもらっていいですか?
「増待株」に注目している理由としては、将来の利回りを確度高く試算する事ができるためです。
保有し続けることで、株主優待の変更がない限り、受け取る株主優待は増えていく銘柄なので、優待の増加量を企業が公表しているわけです。
――「増待株」は中長期保有したいですもんね。
長期保有要件があることで保有を継続するための握力を高めてくれますからね。この「増配株」、「増待株」の2つの条件が揃う時、インカムゲイン(資産を保有していると定期的に得られる収益)は短中期的にも掛け算的に増えていきます。5年程度の投資でも、配当金や株主優待が増えたと実感できるはずです。
例えば、「増配株×増待株」のリコーリース(8566)は、取得時は3,420円でしたが、現在は5,970円。配当金も増え、株主優待も増えたため、取得総合利回りは4.09%から6.87%まで上昇しています。保有4年で、株価も1.75倍に上昇、総合利回りも高くなっています。
【つみたてにいさんの買い値・現在の株価を公開】
・株価:3,420円→5,970円(約1.75倍)
・配当:120円→185円(約1.5倍)
・優待:2,000円のQUOカード→5,000円のQUOカード(2.5倍)
・取得配当利回り:3.5%→5.4%
・ 取得優待利回り:0.58%→1.46%
・取得総合利回り(配当+優待利回り):4.09%→6.87%
――配当金推移を見ても、みごとですね。
そうなんですよ。このような配当推移だと今後の増配にも期待しやすくなりますね。
つみたてにいさんが提唱する「株主還元の3本の矢」と注目銘柄5つ!
株主還元は「業績堅調」「財務鉄壁」「株主想い」の3つの条件が揃うほどにその確度は高くなると考えています。
個人的にこれを「株主還元の3本の矢」と位置づけています。
――なんだか戦国武将の毛利元就の格言みたいな言葉ですね。
はい。そうですよね(笑)。
・ 業績の成長なくして還元なし
・ 財務の余力なくして還元なし
・ 株主に向いた経営なくして還元なし
と考えています。
これに当てはめるとリコーリースは業績の成長も申し分なく、還元余力もまずまず。何より配当性向は2026年3月期に40%以上、2030年3月期に50%を目安としていて、しっかりと「株主に向いた経営」がされているので中長期の増配に期待して保有できます。
――リコーリース、いいですよね。実は私も保有しています。他にもおすすめ銘柄があればぜひ教えてほしいです!
はい。いいですよ。今回紹介する「増配株×増待株」銘柄は、5つあります。平和不動産(8803)、中央自動車工業(8117)、ジョイフル本田(3191)、大日本塗料(4611)、クロスプラス(3320)を推したいと思っています。
■平和不動産(8803)
平和不動産は、9期連続の増配銘柄です。また、2026年1月に株主優待拡充を発表したのも記憶に残っています。この銘柄は3月権利で、長く保有するほど株主優待が増えます(200株では継続保有3年未満で4,000円相当、3年以上になると5,000円相当がもらえる)。また議決権行使の御礼としてお菓子が届く点も「株主想い」な姿勢が表れていて個人的に好感が持てます。
同じく直近、株主優待を拡充した中央自動車工業、ジョイフル本田にも注目しています。
■中央自動車工業(8117)
中央自動車工業は、11期連続増配の銘柄であり、直近、株主優待を拡充した「増待株」です。株主優待は3月権利、100株保有で、3年未満2,000円相当、3年以上で3,000円相当の商品がもらえます。また同社は2016年の創業70周年に記念配当を行っており、今期は創業80周年なので追加の記念配当にもちょっぴり期待しています。
■ジョイフル本田(3191)
ジョイフル本田も、連続増配銘柄であり、株主優待も増えていく「増待株」です。商品券やカタログギフトなどから選べるのですが、100株保有だと、3年未満では3,000円分。3年以上だと4,000円分になります。また6月20日権利の珍しい銘柄でもあります。
このほか、DOEを中期経営計画の目標に取り入れている大日本塗料、クロスプラスも「増配株×増待株」に期待している注目銘柄です。
■大日本塗料(4611)
大日本塗料は、2026中期経営計画において、株主還元指標としてDOEを採用。2026年度にDOE 3%、2029年度にDOE5%を配当の目標にしており段階的な増配に期待できいます。到達を目標にしています。また、株主優待はオリジナルQUOカードで、100株保有で、1年以上の継続保有で1,000円。3年以上で2,000円がもらえる「増待株」でもあります。3月権利の銘柄です。
■クロスプラス(3320)
クロスプラスも、中期経営計画で2028年1月期にDOE2.5%への引き上げを目指して毎年増配すると発表しています。また、株主優待は100株保有で3,000円分のオンラインストアクーポンで、2年以上の継続保有では2,000円増額されます。そして、抽選にはなりますが、100株保有で30万円相当の旅行券も当たるかもしれないというお楽しみ要素もあります。こちらは1月権利の銘柄です。
――ありがとうございます!これは銘柄を保存したくなりますね!
配当金を受け取ったら、すぐに使うこともできますし、未来の配当金を増やすために、再投資することもできます。株主優待は、使用期限があるもの受け取ってすぐに生活を豊かにしてくれ、生活支出も抑えてくれます。QUOカードや商品券は使うタイミングまで保有していてもいいわけです。
つまり、この2つ(配当金と株主優待)が両輪で増えていく「増配株×増待株投資」は今を豊かにしながら、将来も豊かにしていく投資法と考えて実践していますよ。
文/谷口 久美子
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