営業説明や商談、サービス案内などを「聞く」場面において、聞き手はどのような負荷を感じているのだろうか?
LOOVはこのほど、20~50代のビジネスパーソン1,058人を対象に「聞くパフォーマンス(以下、聞きパ)」の実態に関する調査を実施し、その結果を発表した。
1.ビジネスパーソンの約8割が「説明を聞くことに疲れる」と回答
「知りたい情報にたどり着かない」「結論が分かりにくい」など、説明を聞くことに疲れや負荷を感じる経験について尋ねたところ、75.0%が「よくある」「時々ある」と回答した。これは、説明の場が価値訴求の場である以前に、聞き手にとってはすでにエネルギーを要する行為になっていることを示している。
2. 最も大きい負荷は“解読”だった 約8割が自分で意味を補完
営業説明や商談の中で、話を聞きながら「つまりこういうことだろう」と自分で意味を推測・理解し直さなければならない経験がある人は77.9%にのぼった。
また、1回の説明の中で、情報の整理や不足している要点の補完など、聞き手が“自力で理解し直す”ために費やした『納得へのロス時間』は、「6~10分」が42.2%で最多となり、6分以上かかる人は全体の63.2%に達した。
これは、伝え手のペースや構成に合わせることで、聞き手が情報を自分の頭の中で再編集する“解読作業”を強いられ、本来のスピードで納得できていない実態を示している。
3. 「聞きパ」を下げる要因は「時間」「認知」「情緒」の3つのノイズ
調査結果から、聞きパを低下させる主な要因は、以下の3つに整理された。
■時間コスト
結論にたどり着くまでに時間がかかる、日程調整や前置きが長いなど、本題以外の時間コストが大きい状態だ。実際に、日程調整やアイスブレイクなどの時間コストにストレスを感じる人は69.3%となった。
例えば、「結論は後半に出てくると言われ、長い前置きを聞かされる」「簡単な確認のはずが、打ち合わせ設定や雑談で時間が消える」といった場面は、多くのビジネスパーソンにとって“あるある”となっている。
■理解コスト
聞き手の立場に立った説明がされておらず、聞き手が自分で要点を推測・補完・再編集しなければならない、理解のための追加労力が発生している状態だ。「自分で意味を推測・理解し直す必要がある」と答えた人は77.9%と、特に高い水準となった。(Q2.参照)
例えば、「専門用語や抽象的な説明を、自分なりに解釈し直している」「“つまりこういうこと?”と頭の中で翻訳しながら聞いている」といった状態は、聞き手側で納得コストを補っている典型例だ。
■心理コスト
話を遮りづらい、質問しづらい、断りづらい、相手が話したいことと聞きたいこととのズレにいら立つなど、感情面の負担が蓄積する状態だ。「疑問があっても途中で遮れず聞き続けた経験がある」人は68.4%、「知りたいことと相手が話したいことのズレにいら立つ」人は70.9%となった。例えば、「話の途中で遮ると気まずく、そのまま最後まで聞いてしまう」「違和感があっても、場の空気で質問を飲み込む」といった状況も、納得コストを押し上げる要因となっている。
4. ストレスの正体は“長さ”だけではなく、“必要な情報に最短で到達できないこと”
企業側の説明に対して感じるストレス要因としては、
「自分が知りたい情報が出てこない」(45.8%)、
「説明が回りくどい」(43.1%)、
「結論が最後まで出てこない」(34.7%)、
「自社に関係のない説明が長い」(33.2%)、
「質問への答えが直接的でない」(31.9%)
などが上位に並んだ。
つまり、問題は単純な“説明時間の長さ”ではなく、聞き手が必要な答えにたどり着くまでの導線が悪いことにある。
5. 「聞きパ」の低さは、商談見送り・検討後退・候補除外に直結
「要点にたどり着くまでに時間がかかると、そのサービスや商品を前向きに検討しにくくなる」と答えた人は77.3%となった。
さらに、実際に起こした行動としては、
「検討の優先順位が下がった」41.5%、
「検討を後回しにした」26.9%、
「検討自体をやめた」25.6%、
「比較候補から外した」25.6%
という結果となった。
また、
「直接話すと断りづらくなるのが嫌で問い合わせをやめた」33.5%、
「日程調整や数日間のやり取りが面倒でやめた」30.3%
という回答も見られた。
コミュニケーションの摩擦は、商談の途中で起きる問題ではなく、接点の手前や初期段階からすでに離脱要因として発生していることがわかる。
6. 「聞きパ」の低いコミュニケーション摩擦は、信頼やブランド評価まで損なう
説明の理解や納得に負担がかかると、その企業やサービスの印象がどう変わるかを尋ねたところ、65.8%が「悪くなる」「やや悪くなる」と回答した。
実際の影響としても、
「信頼感が下がった」17.1%、
「ブランドイメージが悪くなった」10.0%
という回答が見られた。(Q9.参照)
本来、説明や商談は、関係を前進させるための接点だ。しかし、聞き手に“解読”や“我慢”を求める設計になっている場合、それは価値訴求の場ではなく、企業評価を下げる接点になり得る。
7. 若年層・管理職・営業接触頻度の高い層ほど、摩擦に厳しい傾向
属性別に見ると、20~40代では説明疲れが7割後半と高く、50代より高い傾向が見られた半面、役員・管理職層では、要点にたどり着くまで時間がかかる説明に対して、前向きに検討しにくい傾向が強く見られた。さらに、営業説明や商談への接触頻度が高い層ほど、比較候補からの除外や検討優先順位の低下が起きやすい傾向も確認された、
これは、意思決定に近い人ほど、また営業接点に慣れている人ほど、「聞きパ」の低さに敏感であることを示している。
企業にとって重要な相手ほど、説明品質の低さが致命的になりやすいということだ。
<調査概要>
調査目的:聞くパフォーマンス「聞きパ」実態調査
調査対象者:全国の20歳~59歳(10歳刻み)男女 1,058人
調査手法:インターネット調査
調査時期:2026年3月18日(水)~2026年3月23日(月)
調査結果の見方:
・回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示している。このため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合がある。
・設問の回答には、単一回答と複数回答がある。複数回答の設問は、回答率(%)の合計が100%を超える場合がある。
調査主体:株式会社LOOV
出典元:株式会社LOOV調べ
構成/こじへい







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