資さんの味を届けたい!関東進出を支えたファンの熱量
2024年に関東進出を果たすが、その背景について伊藤さんは次のように説明する。
「お客様から『この街に出してほしい』というリクエストをたくさんいただきます。その熱い声が関東進出を進めるきっかけになりました。ずっと北九州と一部の山口県で展開をしてきて、資さんの味をたくさんの方に召し上がっていただきたいという思いから、まずは九州から少しずつ店舗を広げていこうと、2019年に佐賀県に進出しました。『北九州の資さん』とおっしゃっていただいたのが、次の目標は『九州の資さん』となり、少しずつお店を広げながら、『いつか日本の資さんになれたらいいね』という思いで関西に出て、翌年関東に出ていった形です」
北九州では圧倒的な知名度を誇る資さんうどんだが、関東進出は初の試み。認知度を広げるために行ったプロモーションの効果は、ファンによって自然と拡散していったという。
「関東の初出店は、2024年12月の千葉県にある八千代店でしたが、その半年ほど前からプロモーションを開始しました。2024年7月には東京の神田で3日間限定のポップアップレストランを開催し、告知は公式SNSだけでしたが、たくさんお客様に来ていただいて『まさか東京で資さんを食べられるなんて』と、元々資さんを好きでいてくださった方からも反響をいただきました。行列ができてそれをSNSで話題にしていただき、メディアの方にも取り上げてもらう機会も増えていきましたね」
関東進出の際には、「親しみのある味の違い」についての懸念もあったという。
「気になっていたのは味です。関東のうどんの出汁は、九州の出汁とは味わいが違います。2010年に初めて福岡に出たタイミングでも同じような議論があったのですが、自慢の出汁を出し続けることにこだわり、いつの間にか受け入れていただけるようになった経緯もあったため、資さんの出汁の味を関西でも関東でも楽しんでもらうことにこだわることにしました」。
資さんうどんは、うどんの味だけではなく店内の空間作りにおいてもこだわりがある。
「資さんうどんの店内は席数も多く、ゆったりと食事を楽しんでいただく空間を意識しています。お一人の方向けのカウンター席もありますが、テーブル席やボックス席を用意し、通路幅も広く取り、席の間隔を空けています。ただ食べるだけではなく会話も楽しんでいただけるような空間にこだわっていますし、そこは他のうどん屋さんとの差別化にもなっていると思います」。
第三回より
「その地域に根ざしたお店」を目指して
創業50周年を迎える2026年には、さらに店舗を増やす予定だ。
「2026年は30店舗の出店を計画しています。今出店しているエリアから大きくは変えずに、九州・中国地方・関西・関東の既存出店エリアで、より便利に使っていただけるようにお店を増やしていく予定です。お客様からお住まいの近くをピンポイントで『~区のこのあたりに作ってほしい』と言っていただくこともあり、そういうお声をいただく限りは、気軽に『資さんでも行くか』と思っていただけるようなお店を目指していきます」
伊藤さんは、資さんうどんのヒットの要因について、次のように分析する。
「やはり資さんを好きとおっしゃっていただいているお客様があったからこそだと思っています。関西も関東も、プロモーションで現地に入らせていただくと、『本当に待っていた』『北九州の知人から絶対に行けと言われて』といったリアルな口コミを耳にします。今はSNSやWebで調べられる時代ですが、友達からの声で来ていただく方も多いんです。資さんうどんへのお客様の熱量の高さを感じたので、そこは一番大事にしていきたいと思っています。2025年5月には北九州で、ファンミーティングも開催しました。ファンの方との接点を持っていく、お客様の声を直接聞く、そういったところは今後も大切にしていきたいです」
最後に、今後の展望についてこう話してくれた。
「北九州では親子三代で資さんうどんに行く、親戚で資さんに集まるといった光景を目にします。北九州以外の新しい地域でも、会話の中でも『ご飯どうする?資さんでもよくない?』というような会話がなされるような、その地域に根ざしたお店になっていきたいと思います」
第四回より
取材/DIME編集部 文・撮影/久我裕紀







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