小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

花屋市場が2年ぶりにV字回復する中、フラワースタンド需要が急増している理由

2026.04.07

帝国データバンクは、全国の「花屋」市場について調査・分析を行ない、その結果を公開した。

「母の日」需要の底堅さに加え、ライブ・舞台・コンサートで定着したフラワースタンド需要、フォトスポット・フラワーウォールなど体験型消費の拡大が市場の回復を下支え

同調査によると、2025年度(2025年4月~2026年3月期決算)における花屋の市場規模(事業者売上高ベース)は、およそ2250億円前後に達する見通しで、前年度からは約1.4%の増加となり、2年ぶりに前年を上回る見込みとなるとのこと。

帝国データバンクでは、「花屋の市場はコロナ禍で大幅に落ち込み、近年は横ばい傾向が続いたものの、母の日などイベント向けのほか、ライブやコンサートで最近定着してきた高単価・高収益なフラワースタンド(フラスタ)の需要増など、新たなジャンルへの取り組み・開拓が進んでいる」と分析。

また、「国内の花卉(かき)類を取り巻く環境では他に、大阪花博以来37年ぶりとなる国際園芸博覧会(花博)が2027年に神奈川県横浜市で開催される(2027国際園芸博覧会、GREEN×EXPO 2027)。花屋業界では、プレイベントや関連イベントを通じた“花とのふれあい”が増加することで、ライフスタイルに花を取り入れる文化が再評価されるといった効果への期待度も高い」としている。

花屋の業績動向(見通しを含む)をみると、2025年度は前年度から横ばいの「前年度並み」が6割超を占めた。一方で、「増収」が18.5%に上ったほか、損益面では前年度からの「増益」が40.9%を占め、前年度(32.6%)から上昇した。

これに関しては、「母の日イベントをはじめとして、家族や友人へのカジュアルな贈り物としてフラワーアレンジメントが選ばれるようになったほか、“体験型”フラワーウォールやフォトスポットなど、写真映え・没入型コンテンツとしての花の価値が見直されつつある。

その結果、利益率の高いイベントや展示会など空間プロデュース案件、オフィス・商業施設向けのグリーンレンタルが増加し、大型ディスプレイ用の装花が提供可能な花屋を中心に業績が改善傾向で推移した。ドライフラワーや塊根植物(コーデックス)など趣味性・専門性が高い商品を展開する花屋では、インターネット通販(ECサイト)を通じて根強いファン層を開拓し、成長につなげるケースがみられた。

また、最近はライブやコンサート、舞台の出演者に向けてファンが推し活の一環として個人・グループで贈るフラワースタンド(フラスタ)が定番化している。演者やキャラクターのイメージ、コンセプトを花やパネルで表現するフラスタは、高いデザイン力と技術力が問われることから競合相手が少なく、一般的な生花販売に比べて高単価・高収益を狙いやすい。店頭でのホームユース向け花卉販売が低迷するなか、大型装花を得意とする花屋では、こうした“推し活”“体験型”の拡大も業績の下支えに貢献した」と指摘している。

一方で、損益面で「減益」(見通しを含む)となった花屋は24.8%、「赤字」が33.6%を占め、減益と赤字を合わせた「業績悪化」の割合は58.4%に達した。6割を超えた前年度(66.6%)からは低下したものの、依然として利益確保が難しい花屋も多く見られた。

その理由については、「長引く物価高のなか、生活必需品ではないホームユース(家庭用)の買い控えが続いており、食品スーパーやホームセンターなど大手量販店との価格競争も激しい。また、巨大な生花祭壇など安定した需要が見込めた冠婚葬祭向けでは小規模化・簡素化が進み、こうした販売先を主力とする花屋では受注減少による影響が大きかった。

他方で、肥料や資材費の高騰で花卉類の仕入れ価格が上昇しているほか、物流費、水道光熱費も高騰するなど、花の鮮度を維持するための運営コストも嵩み、利益面で余裕のない状況が続いている。この結果、客離れを恐れて価格転嫁が遅れた花屋では、減収と大幅な赤字を余儀なくされるケースが目立つようになった」と分析している。

さらに同社は、「足元では、従来型の店頭小売りや従来型の冠婚葬祭依存では生き残りが難しくなっている。また、肥料高に加え、原油高を背景とした花卉類のさらなる価格高騰が見込まれ、仕入れ価格の上昇が避けらない情勢取っている。

花卉類は商品特性上、温度や水分管理など鮮度維持が必須で、輸送コスト増や輸送力の低下といった影響を受けやすいほか、人件費や水道光熱費などコスト増への対応も必要となっている。一方で、デジタル化や効率化のなかで“思いを伝える”体験(トキ)を演出するツールとしての花の価値が見直されているほか、“推し活”などで注目を集めるフラワースタンド文化の浸透、バレンタインに男性が女性に花を贈るなど花を材料とした新たな文化の定着が花卉類の需要を生み出す原動力にもなっている。“映える”フラワーアレンジメントなど花屋の技術(スキル)も試されるなかで、“花を通じた体験価値”をどう提供できるかが、今後の花屋業界を生き抜くカギになるとみられる」と指摘している。

【調査対象】「花・植木小売業(花屋)」を主力事業として展開する企業
※業績等のデータについては、2026年3月時点における帝国データバンクが保有する企業概要ファイル(COSMOS2、約150万社収録)、企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に集計した。
※事業者売上高(セグメント売上高、推定を含む)の合計。2025年度の数値は各社の予想値に基づく。

関連情報
https://www.tdb.co.jp/

構成/立原尚子

東京都出身。出版社勤務を経て、現在はフリーライターとして活動中。好きなジャンルは家電まわり。最新ガジェットから暮らしに役立つアイテムまで、読みやすくて、ちょっとためになる記事を目指して執筆中。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年3月16日(月) 発売

やっぱり野球が好きだ!『MIX』の立花投馬が表紙を飾る最新号のDIMEはプロ野球・高校野球から球場グルメ、あだち充作品の魅力まで野球愛を全方位に深掘り。さらにSuicaの変革や各鉄道の新ビジネスを幅広く取材したシン鉄道ビジネス特集も。

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。