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管理職と一般社員が考える「管理職のあり方」には乖離がある?

2026.03.26

働き方改革によって企業の人事戦略は変化しており、そこで円滑な組織運営をするためのカギになるのが管理職の存在だ。管理職の継続意向は、組織からの支援を感じられているかどうか(Perceived Organizational Support(POS))、職場での孤独感、エンゲージメントの高さと強く関連していると言われている。

企業の経営・人事課題の解決や事業戦略の推進を支援するリクルートマネジメントソリューションズは 、 管理職と一般社員に「管理職のあり方に関する実態調査」を実施して結果を公開した。そこでは管理職の約6割が引き続き管理職として働く意思をもっていたが、一般社員の約6割以上は管理職になることに否定的な回答をしたという。

管理職の約6割は管理職として継続する意思がある

この調査では、現役の管理職の約6割は、「今後も管理職を続けたい」もしくは「どちらかといえば続けたい」と回答している。管理職を続けたい理由では、「やりがい」を挙げる回答がもっとも多く、部下の成長支援や組織成果への貢献を価値と捉えている人も多いようだ。さらに「適性・向き不向き」も継続意向を支える要因になっていた。管理職を続けたくない理由では「業務負荷」がもっとも多く、業務量の多さやワーク・ライフ・バランスの崩れが負担になっていると考えている人も一定数いるようだ。現在の組織で管理職として働くことについては、「満足している」もしくは「どちらかといえば満足している」と回答した人が約6割を占めており、役割そのものへの評価はある程度はあった。

専門性を生かした個人業務の志向が強い傾向

管理職に共通する基盤的な役割として一定の時間が割かれている業務マネジメントに関する質問では、いずれの群も一定の割合を占めており、エンゲージメントや継続意向の高低による大きな差は見られなかった。業務マネジメントは、「方針づくり」では群間で差が見られており、エンゲージメント高・継続意向高群でもっとも割合が高く(14.1%)、組織運営や将来を見据えた業務に多くの時間を充てている傾向も見られたという。「プレイヤー業務」の割合は、エンゲージメント低・継続意向低群でもっとも高く(29.6%)、管理職だが個人業務に多くの時間を割いている状況もわかった。エンゲージメント高・継続意向高群では「プレイヤー業務」の割合が相対的に低く(21.5%)、「方針づくり」や「部下マネジメント」といった管理職本来の役割に時間を配分していた。エンゲージメント高・継続意向低群も「プレイヤー業務」の割合は26.4%と比較的高く、専門性を生かした個人業務への志向が強いと推測できる。

一般社員の約6割以上は管理職になることに否定的

一般社員に対して管理職になりたいか質問すると、「なりたい」もしくは「どちらかといえばなりたい」と回答した割合は18.1%だった。「どちらかといえばなりたくない」(22.9%)と「なりたくない」(44.0%)を合わせると6割以上で、管理職になることに否定的な層が多数派だった。「どちらともいえない」と回答した層も15.1%で、管理職志向が定まっていない層も一定数いることが分かった。調査の自由記述では、管理職になりたい人からは若手育成やチームを率いて貢献したいといった「成長・組織貢献意欲」に関する理由が多く挙がった。管理職になりたくない人からは、責任や業務負荷の重さ、報酬やワーク・ライフ・バランスへの懸念といった「責任・負担への懸念」や現場で専門性を発揮したいという「現場志向」が挙がった。現在の直属の上司と働くことへの満足度では、「満足している」もしくは「どちらかといえば満足している」と回答した一般社員が43.3%で、満足していない層(24.7%)を大きく上回っていた。

今回の調査を担当したリクルートマネジメントソリューションズの組織行動研究所 研究員の久米光仁氏は、次のようにコメントしている。

「今回の調査では、管理職・一般社員それぞれにとっての「持続可能な管理職」を次のように定義しました。管理職については「管理職を続けたい」、「今の組織で管理職として働き続けたい」という意向、一般社員については「管理職になりたい」、「今の上司のもとで働き続けたい」という意向です。

これらが実現されている状態を管理職という役職に対する持続可能性が高い状態と捉え、その実現に寄与する職場・組織の要因を明らかにすることを目的に調査を行いました。調査の結果、管理職は、約6割が「今後も管理職を続けたい」と回答している一方で時間外労働や業務量の多さといった負荷が管理職に集中している実態が確認されました。その中で管理職の継続意向を分けていたのが「組織から支援されているという認識(POS)」、「孤独感の低さ」、「ワークエンゲージメントの高さ」でした。POSが高い管理職では継続意向が65.2%と低い管理職(41.6%)を大きく上回っており、組織から評価・支援されているという感覚が役割を前向きに意味づけることが示唆されます。孤独感が低く、エンゲージメントが高い管理職ほど継続意向が高いことから、管理職がひとりで責任を抱え込まず、周囲とつながりながら働けているかどうかが重要な分岐点になっているといえます。

一方、一般社員の約6割以上が管理職になることに否定的であるという結果もわかりました。現在の上司への満足度が高い一般社員ほど管理職を前向きに捉えていることやシェアド・リーダーシップが発現していると認識している層ほど管理職就任意向が高いことから、管理職という役割そのものが敬遠されているというより、「日常で見えている管理職の姿」や「職場での関わり方」が影響しているといえます。今後、管理職の持続性を高めていくためには、管理職にとっては業務負荷の是正とともに、支援やつながりが得られるような職場づくりを進めていくこと、一般社員にとっては上司の満足度を高めていくことが重要だと考えられます」

この調査では、管理職の多くは組織目標の達成や人材育成にある程度のやりがいを感じているが、業務量の多さや責任の重さ、時間外労働の増加などが「続けたい」という意向を下げる要因になっていることがわかった。特に管理職業務が通常業務に上乗せされている状態では、継続意向が低下する傾向もある。一般社員に目を向けると管理職になりたいと考える層は少数派で、さまざまな不安を背景に管理職志向が高まりにくい状況が浮き彫りになった。

ただ、現在の上司に対する満足度が高い一般社員ほど管理職を前向きに捉える傾向があり、 上司の行動や関わり方が管理職という役割の魅力度に影響を与えていることもわかった。管理職の継続や次世代の管理職育成は、個人の意欲に委ねるのではなく、業務設計の見直しや組織からの支援体制の強化、管理職を孤立させない仕組み作りが重要だ。管理職の役割を持続的に行いたいと思う環境作りが、結果として組織全体の安定的な運営と人材育成に結びつくといえるだろう。

『管理職のあり方に関する実態調査』概要

https://saleszine.jp/news/detail/8102
https://www.recruit-ms.co.jp/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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