新幹線など列車による荷物輸送サービス「はこビュン」を2021年より展開中のJR東日本グループは、2026年3月23日より、国内初となる荷物専用新幹線の運行を開始した。
「はこビュン」は物流の2026年問題として地方におけるドライバー不足などが課題となる中、その解決の一翼を担う存在として、今後の展開が注目されている。

深刻化する「トラックドライバー不足」とその経済的影響
2024年4月の働き方改革関連法施行により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限され、輸送体制は大きな転換期を迎えた。国土交通省の試算では、2030年度には約34%(約9億トン相当)の輸送力不足が見込まれている。

さらに低賃金・長時間労働から、トラック運送業界は深刻な人手不足に直面。しかもドライバーの約45%が40~54歳、若年層は10%未満と高齢化も深刻な課題だ。
このような輸送力の制約による運賃上昇や配送頻度の減少は、地方から都市部への生鮮食品や日用品の流通に影響を及ぼし、地域産品の販路縮小や商機損失を招くなど、地方経済の活力低下につながる懸念が高まっている。
国内初の荷物専用新幹線が運航開始、期待される効果とは
前述したような物流問題解決の実現をすべく実現されたサービスが、JR東日本の新幹線・在来線特急列車等の輸送力を活用した列車荷物輸送サービス「はこビュン」だ。
2025年4月から臨時列車の一部客室を使用した大口輸送サービスとしてローンチされたが、多量の荷物を高頻度で輸送してほしいというニーズに応え、E3 系新幹線1編成の全号車を荷物専用車両として改造。今回の運用開始に至った。


車両センターの活用により、他の利用客との接触を避けることによる安全確保と、カゴ台車のまま一度に多量の荷物を輸送することが可能となり、併せてAGV(無人搬送車)の導入により作業の効率化を実現。働き方も改革していく。

さらに車内電源を活用した冷温管理機器(業務用クーラーボックス等)による冷蔵品の輸送など、地方物産物の輸送も含め、東北から日本全国への物流手段の拡大及び、課題の削減に直結に寄与していく。
■担当者コメント
東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部 まちづくり部門
開発戦略ユニット マネージャー 樋口正賢 氏
はこビュンは、JR東日本が運行する新幹線や在来線特急等と、荷物の積み下ろしや車内での管理などをJR東日本グループ企業が一体となって実現したもので、お客さまからお預かりした小口から大口の荷物まで、高度な品質で輸送しています。
物流の課題解決の他に、「はこビュン」を活用して、地域の魅力発信や地域経済の活性化を推進していくとともに、産地とマーケットをつなぐ物流ネットワークの拡大による産業振興や交流人口増加から新たなライフスタイルの創出を目指しています。
■輸送概要
運行日/平日の定期運行(2026年3月23日より運行開始)
輸送区間/盛岡新幹線車両センターから東京新幹線車両センター
輸送形態/荷物専用新幹線(1編成7両)、旅客輸送1~10号車・荷物輸送11~17号車
積載量/最大17.4t(1000箱程度)
※正午前に盛岡新幹線車両センターを発車、16時頃に東京新幹線車両センターに到着するダイヤを予定
※運転日は、臨時列車運転や車両定期点検等により変更の場合があります
※運行時はE5系「やまびこ」と連結します
※荷量は荷姿・サイズにより変動します
関連情報
https://www.jrbutsuryu.jregroup.ne.jp/business/hakobyun.html
構成/清水眞希
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