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博報堂DYがAI専門職「ジェネレーター」を新設、生成AIと共存する次世代クリエイター像のモデルを目指す

2026.04.10

博報堂DYホールディングスはクリエイターと共に生成AIの新たな可能性に挑戦する専門チーム「AI Craft Studio」を発足させた。

生成AIが過渡期を迎える今、クリエイティブ領域における生成AIの重要性は年々増加している。

広告業界のリーディングカンパニーである博報堂DYホールディングスは生成AIにどのように向き合っていくのだろうか。

生成AIの登場は革新であると同時に、粗悪コンテンツの乱立をもたらした

巷では生成AIによって作られた画像、動画、音楽が数多く氾濫している。

SNSでは生成AIを使うことを前提にしたAI絵師やAIイラストレーター、AI動画クリエイターといったクリエイターも年々増加しており、生成AIによって作られたクリエイティブは爆発的に増え、そのクオリティに関しても向上の一途を辿っている。私たち多くの一般人にとっては、数年前までは区別のついた生成AIとリアルの違いも徐々に見分ける自信がなくなってきているのが現状だ。

クリエイターを多く抱える広告会社はこの現状をどのように捉えているのだろうか。

博報堂DYグループ 博報堂プロダクツのクリエイティブディレクター田中心剛さんは次のように現状を分析する。

「一般の方がイメージするように、生成AIはクリエイティブをより身近なものにしてくれました。

例えば、私が専門とする映像制作においても、昔はカメラを回して撮影して、編集ソフトで編集をして、時にはCGも使ったり、様々な工数を経てクリエイターの作りたい映像を作っていました。しかし、今ではスマホ一つで、生成AIにプロンプトを入力するだけで映像制作が可能になりました。

今や映像制作に限らずクリエイティブは”一部の人にしかできないこと”から”誰でもできること”へと変化しつつあります。

正直、生成AIがクリエイティブの現場にもたらしたパラダイムシフトは計り知れません」

博報堂プロダクツではビジュアル、映像、イベント、企画など17のクリエイティブ部門がある。そのいずれにおいても生成AIは大きな影響を与えているという。

一方で、生成AIによって作られたものが世の中に氾濫することで新たな課題も生まれている。

「生成AIのおかげで世にでるビジュアルや映像が増える一方で、似たようなクリエイティブばかり誕生する”同質化”が起こっています。

効率やスピードを重視した生成AIの使用ではクリエイティブが差別化されにくいという問題です。ソフトごとの特徴や学習データの違いはありますが、私たちクリエイター側が使いこなさなければ、生成AIは没個性的で均されたクリエイティブしか生まれません。

さらに酷いのがAIスロップです。SNSや動画投稿サイトではインプレッション数や再生数のために、視聴者にインパクトを与えることを優先し、時には不快感を感じるような低クオリティなクリエイティブが大量に生み出されています。

こうした大量生産された粗悪なコンテンツについて、私たち広告業界は大きな危機感を感じています」

博報堂DYグループが新設するAI専門職「ジェネレーター」とは

広告業界としては世の中に氾濫する生成AIによって誕生したクリエイティブに対し、どのような差別化をしていくのかが急務になっている。

クリエイティブの質だけでなく、生成AIに対する嫌悪感や反発心が世の中に芽生えることが問題だと田中さんは指摘する。

「どれだけ生成AIによって粗悪なコンテンツが世の中に氾濫しようとも、広告会社を含め私たちプロフェッショナルは生成AIに向き合わなければならない。ビジネススピードや市場の構造は生成AIとの共存にシフトしています。

生成AIの成果物がもたらす世の中の風紀の乱れとビジネスにおける必要性。広告会社はこのジレンマに直面しているんです」

こうした背景から始まったのが「AI Craft Studio」だ。

先端AI技術を活用し、ビジュアルクリエイティブ制作を効率化・高品質化を目指す専門チームとして組織化された。

カギとなるのが、生成AIに精通したクリエイター「ジェネレーター」と呼ばれる職種の新設だ。

「生成AIの技術進歩スピードは凄まじく、まさに日進月歩。AIモデルも各社競い合うように世に出している。

先端AI技術を活用するためには、最先端の情報を理解して使いこなす人材を育成することが不可欠なんです。私たちはクリエイターでありながら、こうしたAIスキルを身につけた人材を『ジェネレーター』と呼び、AI時代のクリエイティブをドライブする”次世代のクリエイター”として世に送り出します」

博報堂DYグループに所属するAIの専門家ではないディレクター、ビデオグラファー(映像制作)・フォトグラファー・レタッチャーといったビジュアル制作に特化したクリエイターたちからメンバーを選抜し、AIに関する知識やスキルを習得。4月から25名がジェネレーターとして活動するという。

「意図的にさまざまな職種の方を選抜して、AIとの乗算を狙っています。特定のプロセスだけでなく、あらゆるプロセスや領域に彼らの知見を生かしていきたいと考えています。今後、生成AIはますます当たり前のスキルになります。その先駆者して社内だけでなく、広告業界、そして社会全体にとっての次世代クリエイターモデルになることを期待しています」

博報堂プロダクツ
Cube事業本部
クリエイティブディレクター・アートディレクター
田中心剛さん

博報堂でのキャリアを経て、グループ横断のクリエイティブブティック Cube にて現職。
アート×ストーリー×テクノロジーを掛け合わせ、記憶に残る“ブランド体験”をつくり出すクリエイティブディレクター。あらゆるコミュニケーションにおける「時間軸のある体験」を、アートとストーリーテリングを武器にしたプラニングとディレクションで拡張。さらに最新テクノロジーを柔軟に取り入れ、社会に新しい価値を提供するクリエイティブを志向する。AI Craft Studio 事務局リーダー。主な受賞歴に Spikes Asia、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS、朝日広告賞、交通広告グランプリ ほか。

撮影/木村圭司 取材・文/DIME編集部

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