『セブンティーンアイスの自販機はなぜボウリング場やスイミングスクールでよく見かけるのか?』という記事をこれまで何度も目にしてきた。
その真相はというと、1985年に誕生したセブンティーンアイス専用自動販売機の第一号機がボウリング場に設置されたことにあるという。当時、若者や家族が集うレジャースポットの代表だったボウリング場をメインに展開していたとか。
また、スイミングスクールは子どもたちに水泳で疲れた体を気軽にクールダウンしてもらおうという想いもあり、新たなアイスシーンの提案として設置したという。
セブンティーンアイス自販機が「学校」へ
そして令和の現代、セブンティーンアイス自販機は高校や大学など「学校」への設置を本格的に進めているらしい。2018年度と比べても、近年の高校への設置数は約2倍だとか。
しかし、「学校にアイス」とはかなり意外だ。筆者のようなアラフィフ世代にとっては、学校で買える甘い物は購買のクリームパンが最高峰。アイスとの出会いなど考えたこともなかった。
一体なぜ、セブンティーンアイス自販機は学校への進出を決めたのか?そこに江崎グリコのいかなる戦略があるのか?
今回、江崎グリコ マーケティング部セブンティーンアイス担当の井上朋美さんに話を聞いた。
――「学校」という場所を選んだ理由から教えてください
「『セブンティーンアイス』はお客様ひとりひとりの気持ちに合わせた商品をお届けすることで、楽しい時間をご提供したいと考えています。そんな中で「学校」という場所は、学生の方が多くの時間を過ごす場所であり、セブンティーンアイス自販機を通して勉強や部活を頑張った後のご褒美や友達との楽しい時間を提供したいと考えておりました」
――設置にはなかなか難しい場所だと思うのですが?
「当初は学校様にとって必要性を感じていただくことができず、設置をお断りされることが多くありました。ですが近年は学生さんに楽しい学校生活を送ってほしいと考え、環境整備を進める学校様が増えてきたことと、学生さん自身もアイス自販機設置によって学校環境を変えたいと主体的に働きかけていただく機会も増えました」
そもそも、セブンティーンアイスは「子ども向けのイメージが強かったアイスを17歳の若者も楽しめるようにしたい」という思いから始まった。
10代の若者への積極的なアプローチこそ、今後のさらなる成長につながる。
そんな江崎グリコが着目した学校への設置はブランドにとって大きな変化を生み出すことになる。
多くの学校への設置が進む中、2018年には東京都の品川女子学院と江崎グリコが企業コラボ講座を実施。その活動を経て、校内にセブンティーンアイス自販機が設置されたというケースも。
企業コラボ講座では「セブンティーンアイス自販機を通じてどんな空間が生み出せるか」をテーマにセブンティーンアイスの価値や自販機ならではのメリットをまとめ、生徒自ら自販機のデザインコンセプトなどを考案。
さらに、生徒自身から学校側へプレゼンテーションを行い、学校への設置が実現したという。ちなみに商品ラインナップにもこだわりがあり、学生に人気の高いカラフルチョコ<ミルク>や生チョコティラミスなどの商品が並んでいるという。
「学校に置いてあるセブンティーンアイス自販機は休憩時間や放課後に学生の方々が集まってきてくださるため、一層賑わっているように思います。友達と一緒におしゃべりするきっかけづくりとしても親しまれています」
「校内の自販機となりますので、学生さんが考えたデザインを自販機にラッピングされる学校様も多いです」
セブンティーンアイス自販機が売上好調の理由とは?
学校生活の満足度も上がる自販機の設置は、徐々に他の学校にも拡がっていく。
「結果として設置いただく学校様が増えるとともに、生徒会などが中心となって学校側と交渉し設置につなげられる事例も非常に増えています」
生徒会が学校側に提案し、校内美化も考慮したルールを策定するなど、自主的に設置を企画して実現したケースも少なくない。生徒自ら、高いハードルに挑み、改革を起こしている。
江崎グリコにとっても、学校への進出は大きな変化となった。
「売上への貢献という部分もありますが、家族に買い与えてもらうアイスとは違い、友達と一緒に食べる楽しいアイスとして強く認識され、学校を卒業されてもファンとして買い続けていただく方が増えたように思います」
「『幼い頃に食べた懐かしいアイス』から、「『今の自分にあった美味しいアイス』にイメージが変わったことはブランドとお客様のつながりにとって大きな変化だと考えています」
さらに、こんな取り組みも実践している。
「商品に関しては学生さんたちと共創し、商品開発にも取り組んでいます。学生さんならではの視点を活かしながら、また立ち寄って食べたくなる商品づくりを目指していきたいと考えています」
「それと、「セブンティーンアイスアプリ」を通して購入時に獲得いただけるマイレージを活用していただきながら、様々なキャンペーンやイベントに参加いただき、ブランドとのつながりを強化していきたいと考えています」
個人的な感想になるが、セブンティーンアイス自販機は「あ、ちょっとここでアイス食べたいかも」という場所でよく見かける気がする。
それまで全然アイスの気持ちじゃなかったのに、色とりどりのアイスの写真を目にした瞬間、心に潜んでいたアイス欲がやさしく刺激される。だからつい買ってしまう。
ちなみに最近の人気ランキングはこちら。
よりどりみどりのラインナップだけにいつも自販機の前で迷ってしまうのだが、一体何種類のアイスが存在しているのか?
「現在は全23種の中から、設置場所のニーズに合わせて17種類が各自販機に並ぶようにしています」
現在、全国で約2万台の専用自動販売機が稼働しているそうだが、実は2023年から2年連続で過去最高売上を更新。
人口減少などにより、日本の象徴とも言える自販機ビジネスが厳しい状況にある中、セブンティーンアイスは好調を続けている。
これから、セブンティーンアイス自販機はどんな場所に設置されていくのか?
「時代の流れと共に、お客様が利用される場所も変化していくかと思いますので、時代の変化に合わせて設置場所の検討は続けていきたいと思います」
「まだまだ未設置の学校様は多くありますので、高校には当たり前に「セブンティーンアイス」自販機があり、放課後などに友達と一緒に食べるのが当たり前という世の中もつくっていきたいと思います」
昨年40周年を迎えたセブンティーンアイス自販機。最後に今後の展望を聞いた。
「今後も立寄りやすい場所への設置、魅力的な商品づくり、デジタルも含めたお客様とのコミュニケーションを大切にしながら、これからもお客様に価値をご提供し続けていきたいです」
取材協力
江崎グリコ セブンティーンアイス
文/太田ポーシャ
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