オフィスで専用の席を持たずに、自由に空いているデスクを移動して働けるスタイル「フリーアドレス」。実際のところ、固定席と比べてどれくらいビジネスパーソンから求められているのだろうか? また、フリーアドレスにはどんな不満・課題があるのだろうか?
GOOD PLACEはこのほど、フリーアドレスオフィスで働く会社員441名を対象に「フリーアドレスオフィスの実態調査」を実施し、その結果を発表した。
1. フリーアドレスを理想とするのは44.2%。 固定席を求める層は20.9%と、多様なニーズが存在
フリーアドレスオフィスで働く会社員に「最も快適に働ける座席タイプ」を尋ねたところ、「フリーアドレス(多様な席から自由に選べる)(44.2%)」、「固定席(自分専用)(20.9%)」、「フリーアドレスと固定席の混在型(16.6%)」、「チーム共有席(部内やチーム内で席を共有・選択できる)(13.4%)」となった。
現在フリーアドレスオフィスで働く会社員でも、固定席やチーム単位の座席を求める層も多く、「完全フリーアドレス」以外を望む回答が全体の半数以上を占めることが明らかになった。
さらに在籍年数別に見ると、在籍3年未満と10年以上の層で固定席を希望する割合が、いずれも25.6%と全体平均を上回る結果となった。これは、3~10年未満の層と比較して2倍以上の差であり、在籍年数によってニーズが分かれる傾向が見て取れる。
2.在籍3年未満の28.8%は「上司は近くにいてほしい」、在籍10年以上と3.7倍の差
次に「上司がどのような位置に座っていると働きやすいと感じますか」という問いに対しては、「同じエリア内にいてほしい(39.2%)」、「近くにいてほしい(14.3%)」という結果となった。
これを、在籍年数別で比較すると、在籍3年未満では「近くにいてほしい」と回答した割合が28.8%と全体平均を大きく上回るのに対して、在籍3~10年は9.6%、在籍10年以上では7.8%にとどまり、在籍年数が上がるほど上司との距離を保ちたいという傾向が現れた。在籍3年未満と10年以上を比較すると3.7倍の差が見られる。
また、「上司が近くにいることで、どのように感じますか」という質問では、1位が「チームの意思決定や業務の進捗状況を迅速に把握できる(35.4%)」、続いて「業務に関する質問や相談を、相手の状況を見てすぐにできる(30.2%)」となり、上司の存在は監視ではなく相談の機会として機能していることが見受けられる。
3.座席予約システム利用者の満足度は77.2%と自由に席を選ぶ運用よりも20ポイント高い
フリーアドレスでの席の決め方の設問では、「ルールはなく自由に選ぶ(57.6%)」が最多となり、次いで「アプリやシステムで席を予約する(22.9%)」という結果となった。
一方、席の決め方別の満足度を比較すると、「アプリやシステムで席を予約している」人の77.2%が満足(「非常に満足(6.9%)」、「やや満足(70.3%)」)に達し、ルールなく自由に選ぶ方式(57.1%)を約20ポイント上回った。この結果から、事前に席を確保できる安心感や、業務内容に合わせて席を選べることが、満足度向上につながっていることが示唆される。
4.フリーアドレスオフィスの不満ランキング1位は「静かに作業できる席が足りない」
フリーアドレスオフィスの座席運用における不便・不満については、1位が「静かに作業できる席が足りない(29.7%)、2位が「会話や通話が多くて集中しづらい(24.9%)」となり、音環境に関する課題が上位を占めた。特に1位となった静かな席不足に関する不満は、在籍年数に関わらず共通の悩みとなっており、「集中して作業できる環境」は、全従業員にとって切実な課題であることが浮き彫りとなった。
また、働きやすいオフィスの条件としても、「静かな作業に集中できるエリア(クワイエットゾーン)(32.2%)」を求める声が多く、音環境への配慮はフリーアドレス設計において基本的な要件と言える。
一方で在籍3年未満の不満1位は全体傾向とは異なり、「同じような席しかなく、その日の業務に合った席が選びにくい」という不満だった。割合は41.6%と高く、在籍10年以上層の9.4%と比較すると4.4倍の違いがあった。
5.会議室不足を在籍3年未満の50.4%が指摘、在籍10年以上(26.1%)の1.9倍
現在のオフィスに対する不満を在籍年数別に見ると、在籍3年未満の半数以上(50.4%)が会議室不足を指摘しており、これは在籍10年以上(26.1%)の1.9倍にのぼる。また、「同じような席しかなく、その日の業務に合った席が選びにくい」という不満も、在籍3年未満で41.6%と高く、在籍10年以上(9.4%)の4.4倍となった。
在籍3年未満の層は、上司との距離だけでなく、会議室や多様な席といった「業務の選択肢」を求めていることが見受けられる。
改善要望の有無については在籍3年未満が高く、オフィス環境に対して「特に改善してほしいことはない」と答えたのは8.0%にとどまり、9割以上(92.0%)が何らかの改善を求めている。一方、在籍10年以上では23.9%が「改善してほしいことはない」と回答しており、環境に対する要求水準や課題感に約3倍の差があることがわかった。
業務に慣れ自律的に働ける在籍10年以上の層と比べ、在籍年数の浅い層は「上司への相談」や「会議室での打ち合わせ」といったコミュニケーション環境への依存度が高く、現状のオフィスがそうした“育成期のニーズ”に十分応えきれていない実態が明らかとなった。
<調査概要>
・調査内容:フリーアドレスオフィスの実態調査
・調査対象:フリーアドレスで働く会社員441名
・調査期間:2025年12月19 日~12月21日
・調査手法: インターネット調査
出典元:株式会社GOOD PLACE「フリーアドレスオフィスの実態調査」(2026年)
構成/こじへい







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