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スーパーみたいでスーパーじゃない!食品強化型ドンキ「ロビン・フッド」は顧客ニーズを射抜けるか?

2026.03.08

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下PPIH)は、食品強化型の新業態店舗「驚楽(きょうらく)の殿堂 ロビン・フッド」の発表を行った。第1号店は愛知県あま市の「ロビン・フッド甚目寺店」で4 月24 日にオープンする。

ユニーの生鮮調達力と非食品による高い収益性を組み合わせた食品強化型ドンキ

「スーパーみたいでスーパーじゃない」をキーワードにした新業態「ロビン・フッド」。PPIHグループのユニーがもつ生鮮調達力と、ドン・キホーテが得意とする非食品におけるトレンドとニーズを最適化した品揃えに、ディスカウントのDNAを掛け合わせた、生活商圏での毎日使いをめざす食品強化型の新業態となる。

PPIHの 2025年6月期は売上高2兆2,468億円、営業利益1,623億円、営業利益率7.2%までに伸長。同社は長期経営計画「ダブルインパクト2035」を発表し、2035年6月期に売上高4兆2,000億円、営業利益3,300億円という現在の倍の水準を目指していくという。

「ダブルインパクト2035達成のカギとなる戦略が食品強化。これまでのディスカウント要素を継続しながら、高まる食品ニーズへの対応を進めていきます。

しかし、食品マーケットは競合が非常に多く、容易に獲得できる市場ではありません。厳しい市場において、チャンスとなるのがPPIHの持つ独自のアセット、つまり食品による高い集客力と非食品による高い収益性の足し算にあります。

ドンキには食品や生鮮のイメージがあまりないと思いますが、2007年には長崎屋、2019年にはユニーが一体となり、それぞれの生鮮食品の強みを取り入れることで、約20年にわたって、生鮮調達力を磨いてきました。この磨いてきた力の見せどころが、まさに食品強化型ドンキなのです。供給網や調達条件、鮮度、回転、ロスといった運用のノウハウまで揃っているユニーの生鮮調達力を生かしていきます。

非食品による高い収益性においては、トレンド力と商圏最適化された品揃えを可能にするドンキの編集力が強みとなります。全店で取り扱う110万SKUの中から、8万人の従業員が、商圏ごとに最適な商品構成を自在に表現し、高い収益性を実現してきました。非食品の構成比は通常のスーパーでは10%程度ですが、食品強化型ドンキのロビン・フッドは40%程度を想定しています。

ドンキのディスカウント力ももちろん継続していきます。顧客ニーズが高まっている加工食品や日用品など、物価が上がっている今だからこそ、強く、わかりやすく打ち出す必要があります。これこそがお客様から必要とされているディスカウント力であり、来店動機を生むドンキの強みなのです。ユニーの生鮮で集客の土台を作り、ドンキの編集力で収益性を担保したディスカウント力の強いお店、これが食品強化型ドンキの唯一無二の勝てる方程式だと考えています」(PPIH 代表取締役COO 鈴木康介氏)

「ロビン・フッド」の新PB商品の開発ルールは「1推し・1キャッチ」。何に特化した商品かが一目でわかり、押しポイントを説明するキャッチコピーで手に取った瞬間に商品内容が伝わるように「安・得・速・楽(やす・とく・はや・らく)」の4つのテーマを設定。その商品の一番の強みを一言で伝え、手に取った瞬間に魅力が伝わる商品パッケージになっている。

「安」は直感的に安いと感じる価格訴求ラインの商品で、「メーカーさまとの長年の関係で実現した価格 標準41本入あらびきウインナー」は735円でコスパの良さが魅力。

「得」は値ごろ感と品質のバランスを取った付加価値ラインで、「本格中華で使われる『杏仁粉(きょうにんふん)』使用ひとくち杏仁豆腐」(431円)は、杏仁粉に杏仁リキュールを加えることによって、さらにまろやかさと香りの高さを出した、食後のデザートやおやつにもちょうどいい一口サイズの杏仁豆腐。

「速」は手早く使える時短ラインで、「約15分でミネストローネが完成」(322円)は国産野菜5種がカット済みで手間いらず、トマトを1つ加えるだけで、野菜たっぷりの本格ミネストローネが約15分で簡単に作れる。

「楽」は面倒な工程を省ける省手間ラインで、「袋のままチンできちゃう 温野菜 彩り野菜」(193円)は、1日に必要な野菜の1/2を、レンジで4分チンするだけで手軽に食べられる。袋が皿代わりになるので、洗い物も出ないのもメリット。

新PB商品は1号店オープン時には50アイテムを取り揃える予定だが、 2026年中に100アイテムまで増やしていくという。

肉・魚・野菜などの生鮮は、時短、簡便、即食に特化した商品をラインアップ。味付け肉や骨なし魚、便利野菜、カットフルーツの商品数を同社比1.5倍以上に拡大する。

惣菜は「飽きさせない」を軸に“名物惣菜”を展開。30種類以上を揃えるおにぎりは安さが目を引く。一番安いおにぎり「だしご飯」は85円で、王道の「和風ツナマヨネーズ」など106円以下のおにぎりも豊富に揃えている。他社では200円を超えることが多い「炙り銀鮭」は171円、128円の「紅生姜」といった変わり種もあって、選ぶ楽しさも体験できる。

従来のスーパーでは見かけない本格的なうどん屋「ロビンのうどん屋さん」を惣菜コーナーに設置。麺はうどんかきしめんから選択、数種類から選べる無料の出汁とトッピングも用意。天ぷらバイキングもあり、組みあわせ自由で自分だけのオリジナルうどんを作ることができる。価格は198円~。

わざわざ買いに行きたいと思わせるスイーツにも力を入れる。そのひとつが「パリふわっ!ミルフィーユシュー」。こちらは複数の店舗で実験的に先行販売をしており、7ヶ月で約60万個、 8000万円を売り上げた大ヒット商品となった。通常価格は税込162円だが、majica会員限定で108円で販売する。

ドンキの強みを受け継いだ「ロビン・フッド」の非食品の面積構成比は約40%で、通常のスーパーと比べると3倍以上。食品だけでなく非食品も豊富に取り揃えることで、他の店に立ち寄ることなくワンストップで買い物ができる便利さを提供する。

非食品は玩具・文具、キャラクター衣料、キャラクターグッズなどの「エンタメ」、肌着、ソックス、ルームウェア、サンダルなどの「ワンマイル」、健康食品・プロテイン、フィットネス用品、マッサージ器具などの「ウェルネス」、スキンケア、海外コスメ・プチプラコスメ、ヘアアイロン・ドライヤーなどの「美容」、日用消耗品・雑貨、調理器具・家電などの「日用品」の5テーマで編集し、迷わず選べる設計にしている。

また、顧客との“響創”を掲げ、年2回の顧客による採点イベントを実施。商品以外も含めた店舗の様々なことを直接採点してもらうイベントで、結果は社内にとどまらず顧客にも公開。採点イベント期間中にセールで還元する。

顧客から不満を直接聞く新たな取り組みが「アイデア回収車」。顧客に買い物の不満についてインタビューを行い、回答者にはドンキの代表商品でもある焼き芋と交換する。

アイデア回収車はMEGAドン・キホーテUNY稲沢東店、ロビン・フッド甚目寺店に設置するほか、様々な場所に出向いて顧客の声を収集、同意が得られれば公式TikTokでも公開していく。

【AJの読み】10年後には300店舗を目標に、来年は首都圏にも拡大予定

「ドン・キホーテ」の食品強化型店舗が「ロビン・フッド」。とてもわかりやすいネーミングだが、店名の由来は、中世イングランドの伝説に登場する弓の名手ロビン・フッドから。

人々の生活を守るために戦った義賊に由来した店名は、「物価高で切迫する日々の暮らしを守りたい。お客さまのニーズをズバッと射抜きたいという想いが込められている」(鈴木COO)とのことで、生活防衛に加え、必要なものがワンストップで揃い、毎日の生活を楽に、楽しくなる店を目指すとのこと。

「ロビン・フッド」はドンキが作った食品スーパーと思われがちだが、「スーパーみたいでスーパーじゃない」というスローガンにもあるように、約6割が食品、約4割が非食品という構成で、鈴木COOが言うように、スーパーというより食品強化型ドンキとして捉えた方がよさそうだ。食品強化型の新業態をスタートさせた背景には、この20年の間に長崎屋、ユニーがグループ傘下に加わり、生鮮調達力をつけてきたことが大きいといえるだろう。

第1号店の甚目寺店もそうだが、ユニーの「ピアゴ」既存店の業態転換を中心に初期投資を抑え、今年6月までに東海エリアを中心に5店舗を展開する。来年には首都圏へも拡大し、2035年6月期までに200~300店舗体制を築く。事業単体で売上6000億円、営業利益360億円を目標としている。

取材・文/阿部純子

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